表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/50

キュラの村と役立たずな僕

 ジャクダウたちを追って一昼夜、キュラが血の臭いを感じた。

 木々の間にあったのは、心臓を一突きされたと思われる男の死体。鼠と数多の蟲に覆われた死体は、死んでから半日と経っていないとらしい。この辺りでは、蟲が多く、丸一日もあれば死体は白骨となるとキュラが言っていた。まだ顔が判断できるので、半日程度。そして、少し行った所に後二体。

 一体目の死体を僕は知っている。名はハシャト、義兄チクナルデルの友人の一人。


「KUOIihs」

「うん、キュラの村を襲った人達だよ」

「UOYfeq」

「多分、三人共」


「なぁ、キュラの村に行ってみないか?」

 僕は提案した。

 首を落とされた死体を見て、ジャクダウの大斧が浮かんだ。その上、昨夜、森の火が無かった。

 ジャクダウが襲われて、反撃したのではないか?

 既に、ジャクダウにより征伐されているのではないか?

 そんな、疑問がわいた。

 そして、死体を見つめるキュラの瞳。

 暗い愉悦を湛えた瞳が、村を確認したほうがいいように心を促したのだ。

「もし、チャンスがあれば、キュラの妹達を助けられるかもしれないし」


「!?マドゥ様、良い?」

 キュラの輝く瞳に村行きが決まった。



 ◇◇◇


 村に近づくにつれ、吐き気を催すような脂を焼いたような臭いがしてくる。


 そして、惨状跡を見ることになる。

「あっ、これは…………」


 火が灯らなかった理由が分かった。

 燃やす物が無くなったからだ……。

 家だった物、倉庫だった物、櫓だった物、人の山、全てが焼き尽くされていた。


「あ……あ…………」

 キュラの言葉にならない悲鳴が聞こえる。

 マドゥが、そっとキュラの頭に手を添える。


「なんだよお前ら遅いよ。皆、先に行っちまったよ──って、誰だお前ら!」


 不意に聞こえた声が、臨戦を伝えた。


 マドゥが武器であるマドゥを両手に駆けた。

 男の魔法の詠唱が終わる前に、魔法を出そうとして伸ばした右手を裂く。

 そして、そのまま武器の中央、盾の部分で胸を打撃。

 男は弾き飛ばされ、その意識も飛ばした。


 一瞬、刹那と言うべきだろうか、寸の間もない決着。


 男の装束も、ネシュレトと同じように見えた。

 ここに来て思い出す。帝都魔法師団候補生の制服。


 バタバタと、男に続いて出てきた四人の男が、魔法の構えをとる。

 

 再びマドゥが走り始めるが、距離がある。間に合わない。

 四本の雷撃が奔る。

 三本はマドゥに、もう一本は僕とキュラに向けて。


 僕も魔法陣を出すべく両の手を前に伸ばす。が、出ない。魔法陣が描けない。


 マドゥは、雷撃を武器の角部で弾き、躱し、凌ぐ。


 足手まといは、僕。

 魔法陣を出そうとせず、躱す事だけに専念していたら躱せたかもしれない。


 時間がゆっくりと動く気がした。

 一本の雷撃が迫ってくる。チリチリという迸りまで鮮明に見える。ゆっくり、ゆっくりと。でも、それ以上に僕の身体は、ゆっくりで、ゆっくりで躱す事もできずに、雷撃を待っている。


 ── バシュ!


 目の前でスパークが起き、雷撃が消えた。

 僕にも、キュラにも届いていない。


 目の前には、焼け焦げたマドゥの武器。


 マドゥは、右手の武器を投げ、雷撃と相殺させてくれていた。


 四人は、再び魔法を撃たんと構える。

 再び、四本の雷撃。今度は、全てがマドゥに向けて。


 二本の雷撃を避ける。

 しかし、一本は武器のない右手を、一本は顔に受けた。

 それでも、マドゥは残る左の武器で、二人の胸元を裂き、奔る。

 倒れ込むように身を屈ませると、残る二人の脚を狩り、片膝をつく。


「マドゥー!後ろ!!」


 胸元を裂かれた一人が手を前に突きだす。

「【Thunder】」


 僕は走った。

 今迄で一番くらいの速さで走った。

 そして、ダガーナイフで男の手首を薙ぐ。

 カツンとした、刃が骨にあたる感触のまま、勢いのまま振り抜いた。

 刃が踊り、骨に沿ってダガーナイフが進む。

 ヌッとした軟骨を裂く感覚から刃が解かれたとき、男の手から手首が無くなっていた。


 そのまま片膝をつくマドゥの手を取って走った。

 男達に背を向けて、走る。

 既にキュラも走り始めている。

 僕たちは、逃げた。


 仲間の手から吹き出る鮮血を浴びて、戸惑う男達。

 他にも仲間がいるかもしれない。

 何より、これ以上の戦闘は無理だ。

 魔法の使えない僕。

 右腕から焼け爛れたマドゥ。


 魔法を受けたマドゥの顔は、左側が無くなっていた。

 正しくいえば、左頬は雷撃の衝撃で弾け飛び、奥歯まで剥き出しになり、真っ黒くなった左眼から微かな白煙が上がっている。



 ただ只管に逃げた僕たちは、ダンジョンに辿り着いた。

 魔化したとされる、ユンシャウのダンジョンに。

モチベーションが…………。

お立ち寄りいただけた皆様、どうかアクションをお願いいたしますm(_ _)m


頑張れの一言、星、ブックマークなんでも良いので、私にモチベーションを…………m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ