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カリハの魔法

「大丈夫か?」


 ジャクダウがそう言って、手を差し出してくれた。

 僕は、その手をとり、岩を越えていく。

 ジャクダウって、紳士なんだよな……。こういうキツイ時程そう思う。

 なんやかや言ってきても、カリハも荷物を持ってくれるし、僕はパーティーに恵まれたよ。って、ただ移動する時の僕の足の引っ張りっぷりには、情けなくなってくる。


「ほら、ココを越えたら一休みするさかい、もうちっと頑張れ『虚弱変態』」


「はっ…………はっ…………こ……こ…………」

 ここで『虚弱』は分かるけど、『変態』は違うだろ。って言葉がでない。

 何故、あんな大きな荷物を担いで平気なの?カリハ、あなたはオカシイ。



 『橙の麗人』、商人の皆さんと別れて、三人だけの冒険が始まった。

 ユンリゲンからの道は、既に廃れていて、土砂、落石、木々が障害物として通行人を拒んでいた。森の奥には、幾らかの集落があり、人族から身を隠す獣人が隠れ住んでいる可能性があると、ジャクダウが言っていた。

 リャンシャンテには獣人がいたし、リュンシハ国自体、種族に寛容と聞いていたので意外な気もしたが、種族に寛容な分、奴隷が常態化し、リュンシハ国の国籍を持っていない者は搾取の対象になってしまうのだそうだ。冒険者ギルドの冒険者証でも持っていれば、多少は違うのであろうが、僕らみたいな低ランクは、無いも一緒で、結局は自衛しかない。


「特に、ジャムみたいな可愛いタイプは気いつけなアカンで」

 なんて事をカリハが言ってくるけど、カリハも十分危ないと思う……。絶対に本人に言わないけど。



 岩場を越えた所で一息を入れる。

 ジャクダウもカリハも余力があるのか、僕のようにへたり込む事はしない。


「魔力魔力魔力魔力魔力……来いや魔法!」

 カリハは、最近時間があったら自分の魔力を掴もうと苦心している。

「なぁジャム。アンタ、魔法どないして覚えたん?で、どないな感じで魔法陣作るん?」


 僕は、魔力が高いと知れてから、エンファ家で徹底した教育を受けた。ひたすら魔法書を読み込んだり、実際に魔法を受けてみたり、精霊に好かれるように御供えしたり……。魔法を受けるのは辛かった。義兄達が笑顔で魔法を放ってくるのを、ただ歯を食いしばって受けるだけの時間。


「魔法書か魔法を受けてみるか、御供えか……。でも、今ここに魔法書はないし、カリハに魔法を放つ事はできないし。僕の魔法陣をぶつけても意味ないだろうし……。ましてや、御供えなんて、カリハにさせられない」

「ん、何やて、御供え?御供えしたら、精霊喜ぶんか?」

「分かんない。でも、当時は効果あったと思う」

「やる!ウチやるで!で、どないなふうに御供えしたらええんや?」

「いや、僕の場合…………、素っ裸にされて……身体の上に果物とか、土とか、燭台とか置かれて……一日中……放置された…………」


 ん〜。今思っても、奇妙な儀式だった。前世の記憶で言うところの、女体盛りSMバージョンって感じだよな…………。


「はぁ?ウチに裸で…………やれ言うんか?この変態!」

「だから、させられないって」

「で、でも、魔法使う為なら…………ぬ、脱ぐ、か……」

「やめなって!」

「いや、脱ぐ!脱いでみせる!」


「何してんねん、お前ら」

 それまで素振りをしていたジャクダウが、騒ぎを聞きつけてやってきた。


「この変態が、『脱げ』言うんや」

「いやいやいや、違うって!」


 カリハが魔法を使いたがっている事、そして、僕が昔、魔法を覚えた方法を伝えると、ジャクダウは、ポカンとして言う。


「カリハは、魔法使てるやないか」

「「?」」

「カリハの背負ってるバックパック、いくら軽くなる魔法が掛かってるっていっても、石やら何やら入って、めっちゃ重いで。そんなん俺でも背負えんわ。なんぞ魔法使てるんちゃうの?」

「「!」」


 確かに。

 カリハのバックパックは、無茶苦茶重い。

 ただ、僕が力が無いだけだと思っていたけど、ジャクダウでも持てなかったんだ。


「と、すると、『筋力強化』か『重力制御』かな?」

「「重力って、何?」」


 二人の声が揃って聞いてくる。

 そうか、この世界に重力の概念がないんだ。混じり合ってしまっているこの世界の僕と、前世の僕の知識。


「簡単に言うと、重さかな。『重力制御』は、重さを自由に変える事」

「そんな魔法、聞いたことないで」

「ウチもない」

「でも、バックパックの魔法はどうなってるの?」

「そんなん魔獣の革とか使てるに決まっとるやないか」

「ウチでも知っとる常識やで」

「でも、なんで魔獣の革で軽くなる?」

「そんなん、知らん」

「知らんけど、常識や。でも、ウチ、もう魔法使うてたんや。んっ、なら、シュバッとかブオーとかいうのは……使えんのかいな?」

「分かんない」

「でも、『怪力カリハ』やな」

「え〜。ウチ、可憐な乙女やで!そんなゴリラみたいなん、嫌や!」

「プッ『怪力カリハ』……」

「こらジャム笑うなや。ジャクダウ様も酷いわ〜」



 僕らは後悔することになる。

 この時、カリハの魔法についてキチンと考えなかった事を…………。

 

今日も何とかできました。


コロナ2日目。

なぜツラい。関節節々痛みの園。

微熱になったが、頭痛の低周波治療。

寝るしかないが、寝るのがツラい…………。


本文より、気持ちが入るコロナの愚痴。

嗚呼、なぜ今コロナ?

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