表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/50

ジャクダウの客

 リュンシハ国入国。

 今日は第一宿場町での逗留の為、街道を急いでいた。


「国に入ったから、そろそろ出るかな?」

「まぁ、明日ぐらいからじゃろ」

「いや、奴なら今日中に来るんじゃないか」


 バーントとヘンリス、ラチェアが話をしている。


「あ、あの何が……?」


 僕の質問に答えたのは、ヘンリス。

「ジャクダウの客じゃ」

「客?」

「来れば分かる。儂らには害が無いから安心しとけ。ちょっとばかり時間はとられるじゃろうけどな」


 よく分からない回答にカリハの方を見ると、いつもなら話しに入ってくるカリハが黙って、ジャクダウを見つめている。



 その『客』というのは、夕刻前、宿場町が見えてきたところで現れた。

 突然、前方に現れた黒塗りの男。

 何処となく部族的な匂いがする。


「URURUUUuuuuu…………!」

 掛け声と共に走り出す。


 ラチェア、ヘンリス、バーントは道から離れ、男の正面にジャクダウ。カリハは、ジャクダウの後ろで身を固めている。


 男の武器がジャクダウに迫る。

 大斧が男の武器を弾く。

 いきなり戦闘が始まった。


 戦闘に参加する気のない三人に聞いてみる。

 男が何者で、あの武器が何なのかを。

 僕は、男の武器を見たことがなかった。盾のようなエストックのような、不思議な形であった。


「あれはな『マドゥ』という武器じゃ。森の奥の部族の一部で使われておる」


 その『マドゥ』という武器は、小さな円盾の上下に動物の角が付いたような形をしている。真直な上下の角で突き、薙ぎ、まるで二刀流のように攻撃を繰り返している。それを両の手に一つずつ、まるで四刀流のような猛攻がジャクダウを襲っている。


「奴の名前は知らん。儂らは、あの武器のまま『マドゥ』と呼んでおる。まぁ、言葉が通じんのじゃから仕方がなかろう」


 背の高い男。痩せた身体は靭やかで、何処となく猫科の猛獣を想わせた。褐色の肌に炭を塗ったくった身体は黒く、僅かな布と鳥の羽根で飾られている。


 マドゥと呼ばれた男は、戦闘の最中に飛び散る小石の一つもジャクダウ以外の人に行かないように戦っていた。

 ジャクダウは、小さい傷は敢えて無視するかのように猛攻に耐え、時折強烈な一撃を放つ。


 何か演舞のように見える戦いを見ているだけだった。

 ジャクダウとマドゥだけの戦い。


 その中、ジャクダウが振り下ろした大斧が地面を叩き、地面が爆ぜる。

 数多の礫が、近い所にいたカリハに襲いかかる。

 僕が駆け寄る間もなく、カリハを傷付けんとする礫達。

 その時、マドゥは、カリハの前に立ち塞がり、全ての礫からカリハを守った。

 肌に小石がめり込み、動きが止まったマドゥ。

 そこにジャクダウの一撃が入る。


 胸元から鮮血を滴らせながら膝を折ったマドゥは、カリハに、そして僕たちに目を遣ると、怪我をしていないことを確認し、去って行った。



「今日は早かったな」

 口を開いたのはバーント。


「良い男だろう。自分の闘いに周りを巻き込まないというスタンスが、ポリシーにまで昇華しているようじゃないか」

 うっとりするような口調で、ラチェアが話す。


「今日は、とりあえず、ジャクダウ、お前の負けじゃ。まぁ、いつも負けとるんじゃがな」

 ヘンリスがジャクダウを見ながら諭すように言う。


 カリハは、ジャクダウに走り寄り、傷の治療を始める。


 ジャクダウは、マドゥが去った後をジッと見つめていた。



 これが、僕とマドゥの最初の出会いだった。

 

【昊ノ燈です】


 少しでも面白いと思われた方。

 僅かでも興味を持たれた方。

 一寸でも先が気になる方。


 このページの下にあります

     [☆☆☆☆☆]

   を押して、評価くださると幸いです。


  頑張って参りますので、

     応援よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ