怖い話ではないけど苦手な人はご遠慮ください
私の住んでいるところは地方都市で、大きくもなく小さくもない、住み良い地域です。
ただし、地方なので車がないと不便で、買い物に行くにも、遊びに行くにも車が必要です。
そんな私の住んでいるところから一般道で2時間くらいの田舎町に住んでいる友人のところに去年から月に一回くらい行きます。
友人は長距離運転しないので、運転が好きな私が遊びに行く事がほとんどなのですが、友人の住む街は車で行くにはアクセスが悪いです。
電車だとアクセスいいのに。
こちらから行く時は、信号のないバイパスを1時間走って、バイパスから県道に入ると、そこから何もない山道を30分走ります。
県道に入る時は、バイパスを高速道路の下り口同様に坂を下って、信号で止まり、バイパスにクロスしている県道を進みます。
その交差点のからかなり進まないと民家はありません。
暗くなると、県道は街灯がほとんどなくて薄暗いし、動物が出てきそうで、いつも「何も出てきませんように」と思いながら走っているのですが、今年の春くらいから、夜に県道からバイパスに入る信号のところに警備員が立つようになりました。
そこは昨年まで道路工事をして、常時左折可能に変わったバイパスに入るための高架下の交差点です。
初めは、昨年の工事の続きが始まるのかと思いました。
でも、何回通っても一向に工事が始まる事はありません。
昼間に通ると誰もいないし、昼に通っても夕方通っても何もありません。
でも夜通ると警備員がいるんです。
その警備員は、歳の頃は60代で背の小さい小太りの青い工事現場の警備員の服装にヘルメット、誘導灯はあかりはついていないけど、車のライトで照らすと光タイプのものを持っています。
いつもそこを通る私の距離感から言うと、その警備員が立っている位置は、下り坂の山道を通った先にあるバイパスにぶつかる常時左折可能の信号部分。
警備員はバイパスを支えるコンクリートの基礎部分の常時左折可能な車線の前に立っているので、暗い山道の下り坂を降りて、バイパスに入るときにライトに照らされて警備員を発見すると言う心臓に悪いシュチュエーションです。
ライトに照らされた警備員は明かりのついていない誘導灯をクルクルと回して私を誘導します。
忘れた頃に発見するから見つけた時は
「怖」
と独り言を言ってしまいます。
先日、会社の先輩と飲みながらこの話をしたら、先輩は大笑いして
「それって、しののめさんだけに見える幽霊なんじゃないの?」
と言われました。
「そんな事考えたことありませんでした。幽霊…ですか?
あんなにはっきり見えるのに?」
と答えると、先輩は大爆笑してました。
私がいつも警備員を見る〇〇バイパスの交差点は、うちの県民は利用率が高くて、怪談話なんて聞いたことありません。
「いや。幽霊見たことないし」
私が言うと
「しののめさんって面白いよね」
と先輩は笑い転げて、その場を奢ってくれました。
先輩にその話をしてから、友人何人かにその話をしたけど、皆口を揃えて
「面白いけど、夜そんな遠いところに確かめに行くのは面倒」
と言います。
そして、今週、その交差点を20時くらいに通ったら、警備員はいませんでした。
人間、寒くなると夜1箇所に立っているの辛いもんなぁ。
と私はやはり人だと思ってます。
あのおじいちゃんはどこから着て、なんの目的で警備をしているか謎です。
ちなみに、これは本当に実話です。