名前は何て?
みんなでおやつの準備をしていると、チャイムが鳴る。
「遅れてゴメーン。開けて~」
私が玄関のドアを開けると、そこにはベーシスト。
「一式買ってきた」
「何を?」
彼はすでに土が入っていて、苗の状態になっている鉢を抱えている。
「あとはお水あげるだけ」
「何の苗?」
「知らない」
「入って、入って」
部屋に入ってきたベーシストは、鉢をそこらへんに置いてソファに座った。
ウエットティッシュで手を拭いているので、しばらく鉢にかまいそうにない。
「お水あげてもいいですか~?」
「いいよ~」
「昨日ちょうどジョウロ買っておいたから、それ使う?」
「どこにあるんですか?」
ソファに座っていた彼が、背中の方に隠しておいたジョウロを突然手品のように出す。
「ああ、だから背中痛いって言ってたの・・・」
「そこは言うな~」
「お水は?」
「もう入ってる」
「みんなであげようよ」
「いいよ~」
みんなで仲良く、鉢に少しずつお水をあげる。
「早く大きくなれよ~」
「楽しみ~」
「それよりおやつだ」
「テーブルに戻るぞっ。続けっ、俺の愉快な仲間達っ」
『「お~っ」』
みんなでおやつ。
何か視線みたいなものを感じて、盛り上がっていた場から、鉢の方へと視線を移す私。
二度見。
「ええっ?」
『「ん?」』
さっき、俺の愉快な仲間達続けって言ってからなんか知らんけど一緒におやつを食べている山田さん以外全員が、鉢の方を見る。
そこにはありえない大きさに育った、巨大な花。
『「ええーーーーっ?」』
「ええーっ?」
山田さんも入れて全員でビビる。
(名札に山田と書いてあるから、きっと山田って名前なのだろう)
数秒、みんなが花を見ている。
ほぼ同じタイミングで、ベーシスト以外がおやつに戻る。
「ええーーーーーーっ?」
ベーシストの叫びがこだました。
(※この回に出てくる巨大花について、視聴者さんにプレゼントしたいです。
どんな姿なのかいまいち自分の中で不透明で、美術さんにお任せしたいです。
要望としては、豪華でごうしゃなかんじがいいです。銅色のユリの花とか)