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PEACE KEEPER  作者: 狐目 ねつき
第一部 [その覚悟は、やがて世界を救う]
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0話 序幕

 夜空に星が、点々と煌めいている。

 雲一つなく、夜が明ける頃には快晴が予想されるだろう。


 そんな平和な空模様とは裏腹に一人の少年が、自らが流した血溜まりの中、地に伏していた。辺りを覆い背景となっているのは、激しさを増していく(ほのお)の壁。星空に向かって猛々しく燃え盛る様はまるで、天への憧れでも抱いてるかのようだ。


 そして少年の傍らには、仰向けで倒れる兄。安らかにも見えるその顔は血の気がなく、既に絶命しているのが窺える。


 その一方で、血によって刃が赤に染まった剣を握り、佇んでいる一人の男。剣にこびりついた血はまだ新しく、切っ先を滴らせていた。


 この男こそが、少年の兄を殺した人物である。



 肉親を殺された少年のまだ幼い精神に、様々な負の感情が渦巻いていく。


『怒り』

『悲しみ』

『悔やみ』


 その抑えきれない感情はやがて、少年に一つの人格をもたらした。


 それまでの人生で築き上げてきた少年の理性や道徳心。それら全てを嘲笑うかのように、その人格は少年の心へと圧倒的な殺意だけを携えて顕現したのだ。



 ――どうしてこうなったんだ。


 後悔と自責に駆られながら、少年は意識を手放す。


 平凡だったはずの毎日は、ある時突然に終わりを告げる。

 引き金となるきっかけは、昨日の放課後のことだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何書いていいかわかりませんがあらすじから設定。かなり好きです! [一言] いえあ
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