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溢れ出す想い

「何を熱くなっているんだ、僕は!」


 広場と隣接している大通りで、僕はこの一年溜め込んだ思いの一部を吐き出した。


 リタを困らせてまでそんなことをしたのに、結局また逃げている。


 何も変わらない、変わるわけがない。


 あんなのはただの八つ当たりだ。


 リタは本気で僕のことを気にかけてくれたのに、子供みたいに駄々をこねた。


 恥ずかしい。恥ずかしい! 恥ずかしい……!


 こんなことをしたかったわけじゃない!


 こんな風になりたかったわけじゃない!


 クソッ! クソッ……!


 何でこんなにも理想と現実が剥離しているんだ!


 もう、息が上がっている。


 心が押し潰されそうだ。


 知らず、僕は用無し迷宮に帰っていた。


 石材の壁に手をつき、荒い呼吸を繰り返して息を整える。


 ここなら誰にも聞かれない。


 残りの思いも吐き出せる。


「……僕は、リタの隣に! 同じ夢を追いかけていたいだけなのに! なのに何で、僕にはその術が無いんだ! レベルもスキルもこんなじゃあ憧れを追いかける資格なんてないって分かってる! だけど、だけど……!」


 感情に合わせて、自分でも気づかぬ内に声が大きくなっていく。


 だけど、もう止められない。


 どうせ誰も聞いていないんだ。


「僕は! リタのことが、好きなんだ! 弟としてしか見てもらえないって分かってるけど! それでも好きなんだよ、ちくしょう! 一緒に居たいんだよ! ……だから神様がいるんだったら、僕のお願いを聞いてくれよ! 何でもするからさ!」


 目頭が熱くなる。視界が歪む。滴が溢れてくる。


「……だから、お願いします。リタのそばに、居させてください……」


 吐き出した。


 全部、吐き出してやった。


 涙が止まらない。


 流したくないのに、溢れてくる。


 嗚咽が迷宮内をこだまする。


「っ!?」


 物音がした。


 微かにだけど、奥から足音が聞こえて来る。


 も、もしかして誰かいるの!


 じゃあ全部聞かれたってこと!


 嘘だよねえぇぇ……!


 確かにここは入ろうと思えば誰だって入れるし、僕専用ってわけじゃないけど!


 それにしたってタイミングってものがあるんじゃあないかな!


 軽い自己嫌悪に入りそうになるのをすんでのところでとどめ、服の袖で涙を拭う。


 これ以上、知らない誰かに醜態を晒したくない見栄だ。


 暫く待っていると足音はゆっくりと此方へ近づいて来て、うっすらと主のシルエットを現した。


 女の子?

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