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03 傭兵がつらいよ
「あら、どうも躾のなってないのがいるようね」
「む、これは失礼を。……貴様ら、宿舎で訓練待機を命ずる。俺が戻るまで訓練メニュー反復」
お義姉様の言葉にすぐさまビルさんが反応、兵の皆さんから絶望めいたうめき声が上がります。中にはきっかけを作った若い兵員のお尻を蹴り飛ばす人もいました。……無駄に禍根を生んだ気がするのです。
「あの……お手柔らかにお願いします、です」
「お気遣いありがとうございますネミア様。しかし我が傭兵団の矜持として雇い主のご親族様に無礼を働いてそのまま、とはまいりませんのでな」
「ふぇ、ビルさんたちは傭兵団だったのですか」
「ええ、我が家が懇意にしている傭兵団の『切り裂きの剣』よ」
領内の戦力かと思っていたらまさかの外部委託でした。しかし懇意にってことはそこそこ付き合いも長いのでしょうか。
「はっはっは、懇意にというかもはや領兵のようなものですがな」
「そうね……貴方の傭兵団がいなかったら我が領は防衛戦力だけになってしまいますわ」
「」