表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/41

01 新たな環境……ぼくって便利小動物!?

お初の方いらっしゃいませ、一話見てたと言う方はお久しぶりです。

本日より第二話、開始となります。皆様よろしくお願いいたします。

 皆様お疲れ様です、似非のはずがなんやかんやで本物の令嬢になってしまいましたネミアでございます。

 リオン氏に連れられて何がなんだかわからないうちに養子としてご厄介になっていたはずが、なんでぼくは机に向かって事務処理なんてしているのでしょうか……


「お嬢様、現実逃避は構いませんがこちらを仕上げてしまいませんといつまでたってもそこから離れられませんよ?」

「ですよね……うう」

「あぁあネミアちゃん可愛いっ、ずーっとわたくしのお膝に座ってていいのよ!」

「少しは自重してくださいですお義姉様」




 ーーー ◆ ーーー




 はい、一ヶ月前程からぼくは領主の館であるアイアン邸にてお世話になっております。当初はお客様扱いになるところだったのですが、ぼく自身がいたたまれなくてお仕事を貰えるようお願いしたところ


「ふむ、それではネミア君には姉になるメティスの補佐をしてもらおう。メティス、ネミア君を見てやってくれるか」

「はい、お父様」


 と、お義父様(リオンパパさん)からの言い付けで、これまた義理のお姉様になったメティス様のお手伝いをすることに。最初こそ不審物扱いでツンケンされていましたが、三日もしないうちに


「ネミアちゃーん、今日もお姉さんのお膝でお仕事しましょうね~っ」


 こんな有様に。一体何があったのか……


「お嬢様の事は色々とメティス様へお伝え致しております。 (映像付きで)

「あれは消してしまえと言ったですよぉぉぉ!?」


 確認したら、幸いアレだけは公開していなかったようです。……ほっ



 ー ぷりぃずうぇいと ー …約一ヶ月前…



「それでは私の仕事場に案内いたしますわ、ついてらっしゃい」


 お義父様の言い付け通り、補佐の仕事のためにメティス様が自身の仕事場へと案内してくれました。そこは明らかに生活空間とは違う、事務用の机がひとつに書類の山と、壁一面に置かれた書籍棚。それと申し訳程度に設置された応接用っぽいソファーにテーブル。

 明らかに書斎的な場所に案内された訳ですが、さて……ぼくはここで何をすればいいのでしょう?


「何を思い違いしてらっしゃるのか知りませんが、庶民上がりの娘にいきなり実務なんてやらせる訳ないでしょう。少しは弁えなさいな」

「……はい」

「まったくお父様も何を思ってこちらにつけたのか……ぽっと出の平民上がりなんて実務以前の問題ですのに」

「……信用される訳ないですよね、はい」

「考えてもみなさい、あの脳筋一本槍で男色疑惑まで上がるあのリオンが女の子を連れて来るとか災害の前触れのほうがまだありえますわ。洗脳とか魅了を疑うのもやむなしですわ」

「……まぁそーいう反応が一般的なんですよね」


 うん、そーですよねー、逆の立場だったらぼくだってそーする。……だからおーちゃん殺気立つのやめてお願いホント。


「まあいいのですわ、今のわたくしの業務内容はお教えして差し上げますわ。わたくしの担当は主に領内の町村からの税収や支出管理となります」

「それでこの机の上の状況なのですね」

「ええ、なのでわたくしやることはそれなりにありますので見学程度なら許しましてよ? けど教えろと申されましてもそんな暇はありませんのであしからず、ですわ」

「はいです、邪魔にならないようにしてます」

「よろしい」


 うーんやっぱり一般人以下から一足飛びに出世なんかするもんじゃないですね。あの頃とはまた別の意味で精神疲労が尋常じゃないのです。


「お嬢様、なんでしたら試しにそちらに隔離されてそうな書類がありますので見てみるのはいかがですか?」

「おーちゃんそれ邪魔にならない?」

「先程会話されている間にさっと眺めて(スキャンして)みましたが、今のお嬢様ならば問題ないかと」

「そこの従者、聞き捨てなりませんわね。多少できる程度でその気になっているのなら大間違いですわよ? この書類の一枚一枚が領民の生活に直結してますのよ? それを問題ない、とは言ってくれますわね」

「おーちゃんおーちゃんちょっと」

「お嬢様、試しにこちらをご覧ください」

「ちょっと貴女! 何を勝手に話を進めてるのよ!!」


 おーちゃんが渡してきた書類をぱっと右から左に流し見る……あれ、なんか理解できてるのです。しかも眺めてたらあちこちに赤いバッテンと、その上に別の文字がうすーく表示されて……


「おーちゃん、これまたなんかチート(イカサマ)してない?」

「いえいえ、『逆鱗』内にプリインストールされている各種常駐型事務アプリによるものですので私は何もしておりませんが?」

「それ回りまわっておーちゃんの仕業なのですよ!?」

「二人の世界で話をしないでほしいのですわ……しかもそれ誤字脱字が酷すぎて返却予定だったものですのに……」


 ともあれさっくり片付きそうなのでぱぱっと済ませてしまうのです。……ん、何か気がついたら目の前に書類が増えて……おーちゃんどさくさに紛れて書類継ぎ足さないで!?

 メティス様も困惑してるからってあぁもぅメティス様まで継ぎ足しに参加しないでぇ!?


(なにこの便利小動物)……教養は問題なし、と」


 後半で取り繕ってるつもりだろうけど小声でもしっかり聞こえてるのですよメティス様! 便利小動物とか扱いヒドくない!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ