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15 アンダーウェアは凄かった

 およそひと通りの残虐行為をすませたおーちゃんは一息(?)ついた後、何か操作を行ったのかぼくの座っているシートから手や足、間接部に半透明のリングがくっつけられ、それと同時にシートが直立状態になる。

 で、こちらへとコントロールを返してきたのですが……うわなんか違和感すごっ!?

 ……ってあり? さっきの拷問じみた苦痛が来ない?


『まだ完全に接続しておりませんので。現在は体幹同調型による簡易操作のため違和感はそのせいかと』

「……よかったぁ、あんなの何度もやられてたら絶対おかしくなるよぅ」

『さてお嬢様、改めて当機のご紹介をば。現在の姿が当機本来の姿、名称を《ウンディズ》と申します。身長10m体重9.9tの麗しき乙女でございます』


 ……いやぁ多少はごまかしてるつもりなんでしょうが、仮にも乙女に下着姿(アンダーズ)とはヒドイ命名者もいたものです。

 っあ、製作者(アレ)のノリなら仕方ないかぁ。あとその0.1tは乙女の意地なんでしょうか?


『当機は前身の《ウォードレス》の基部フレームを兼ねており、「キューブ」やパイロットシート等の重要区画はすべてこちら側に設置されております』


 機体は基部フレームという事もあってかスリムに、かつシャープなデザインとなっています。シルバーの体表を伝うエネルギーラインが鮮やかに光り輝いております。

 ……何気にスタイルいいのがちょっと妬ましいですね。がるるるる


『《ウォードレス》とは異なりこちらはエネルギー兵器が主体となり、内蔵兵装として両腕部エナジーショット、及び右腕部非実体ブレード生成機構が納められております。とはいえ今までの実弾兵装も問題なく使用可能ではありますが』


 うん見た目からしてそんな気はしてた。けどおーちゃんさっきはトドメにしか使ってなかったよね?

 あとあんだけ吸われたエナジーがいま13%しかないんだけど……。


『そこは必要経費として計上いたしますのでご了承を。内蔵している機能もそうですが、脱衣クロス・アウト時に20%程使用しますので。あ、エナジー補充も合わせるとダイエット効果はバッチリでございますが?』


 ふざくんなあれけっこーしんどいんだじょ!?……それに……あまり……その……ね、言わせんなんがぁー!!


『照れ顔いただきました、さて続きますが分離した《ウォードレス》部分ですが、組み替える事により格闘攻撃にリンクさせることができる他、外装状態のまま支援機として運用可能となります。その際は自立支援及びわたくしが操作、お嬢様の《ウンディズ》と共闘することも可能でございます。適合率の問題はありますが』


 しれっと話進めてごまかさない! まあ掘り下げても墓穴になるだけか、エナジー問題は後にするのです。……うわぁこれさっきの大パンチだけじゃなく両手作ったり脚にもなるのか。

 ……してなんで脚型のほうはヒール型なのですか? コレで踏めと?


『残るは各種搭載機能に関することですが、こちらはお嬢様の適合率が現在7%となりますので以下の情報までがアンロックされております、どうぞ』


0%=管理権受託、及び放棄

2%=マテリアライズ(小価値)

10%=兵装二種使用可能←next

20%=????

30%=脱衣(クロス・アウト)アンロック(使用により閲覧制限解除)


 うーん……こうやって改めて確認すると、割と制限キッツい状態で空戦なんかやらかしてたのかぼく。まぁアンロックして確認できたから言えるわけだけどね。

 しかし今着ている服もそうだけど、金貨や真銀硬貨なんか扱えるもんなのかな?


『それについてはひとつ訂正を。金貨及び、真銀硬貨なるもののマテリアライズに関しては前任者によって生成されたものですので現在のお嬢様には生成することは不可能です。衣類や銅貨に関しては現物のマテリアル含有率基準が低めなため、また物質自体の生成難度的に可能でした』


 ……ん? ……んんぅ~、……あ、これ絶対まずい奴だ! バレたら一生たかられるかしぼられる奴じゃないですかぁ!?


『そんなことはわたくしがいる限り不可能に決まっているではないですかお嬢様。そんな些細なことを気にする必要等ございません、と断言して差し上げます』


 わぁーおーちゃん素敵ぃー、男前ーっ。……で、マテリアライズの話がでたついでなのでクレジット関連もよろしく。


『何やら棒読みでおだてられるのもアリと言えばアリなのでしょうか、ひとまず話を進めましょう。クレジットに関しましてですが……このような呼称ではありますが、言ってしまえば変換前の素体マテリアルの総量の事でございます。わたくしが作られた文明圏ではこの数値が金銭として扱われていたためクレジットと呼ばれておりましたのです。ちなみにあちらでの物の価値はマテリアル総量が高ければ高いほど高価とされておりました』


 へー、それじゃあ実は今の服とかもそんなに高くはないのか……ってそんなわけないのですよ!? 絶対これ一式で豪邸が立つのですよ!?


『まあそこは文明圏の差異による価値観の違い、ということでひとつ。なおクレジットを稼ぐ手段についてですが、たとえばこちらのドレイクの死骸、こちらをちょん、と』


 おーちゃんの操作で、ドレイクの死骸を《ウンディズ》がつつくとぱっ、と粒子状になって機体に取り込まれる。……あ、微々たるものではあるがクレジットが増しているのを確認できました。

 はっ、ということはこの辺の死骸の山は実はお金がざくざくなのです!? おーちゃん早く! 回収に回るのです!!


『落ち着いて下さいお嬢様、それには及びません、はい』


 おーちゃんの言葉と共に機体から周囲に波紋のような光の輪が広がっていく。輪に触れた死骸は先程のような粒子になってぼくたちの元へと集まって来る。うわぁうわぁクレジットの数字がもりもり増えていくのですぅ……!!


『対象を撃破した際にルート権限を設定しておく事によってこんなことも可能になります。大抵は武装や弾薬等を購入の際に紐づけされておりますので意識しなくても権限は主張できるかと……ってあちらに夢中のようですね。ですがわたくしにもご褒美ですね、お嬢様が正気に戻るまでこのトロ顔を堪能するとしましょうフフフ……』

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