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13 殺陣に恥という感情はいらないのです

 場所はかわりまして山脈上空、裏側が見える場所までやってまいりましたが……思わずうわぁ、と言ってしまったぼくはおかしくないと思う。

 そこらじゅうにうろちょろするドレイク、草食獣を食い散らかすドレイク、周りに憚らずいたすドレイク。この山はいつから爬虫類牧場になったのでしょうか。50どころじゃきかないのですよこれ。


『広域サーチにて計測したところ72体、幼体が多数確認できました。あとそのうちのニ体はからは今までの個体とは違う反応を検知しました』


 うわぁそれ亜種というか特殊個体(ユニーク)って言うよね。あ、あいつらがこっちに気づいたようです。お前らこっち見んな


『ちょうど地べたをはいずり回っているようなので今度は対地上戦、及び防御の練習とまいりましょう』


 次に取りい出したりますは広範囲殲滅……ごめん待っておーちゃん嘘だから本当に出そうとしないで! それ大惨事になる予感しかないから! いまクレジットがゴリっと削れたからぁぁぁぁ!?


『お嬢様のリクエストとあらば仕方なしにと思いましたのに……まあ冗談はさておき、対地上用バーティカルロケットポッドを準備いたしました。対象地点を選択して発射、こちらは一度に9箇所まで指定できます。どうぞ』


 えーと中心点から広がってる赤い輪が効果範囲かな。んじゃこことここと……よし発射ぁ。


 ババババシュウゥゥゥゥゥゥ……と背面に浮いているポッドから、先程のミサイルランチャーとは比べものにならない轟音と共に9本のロケット弾が天に立ち上っていきます。標的(ドレイク)たちも何事かと天を仰ぎますが、ぼーっとしてたら危ないのですよ?

 ある程度上空に飛び上がったロケット弾は方向を転換、一路目標地点へと突き進み次々と着弾。爆発と衝撃、そして被害に遭ったドレイクらしきもの等があちこちに吹っ飛んでいく。レーダーマップの敵光点がもりっと減るのは爽快なのです。


『他の兵装にも言えることですが射程や弾道、同時発射数等には個体差がありますので、後ほどバーチャルシミュレーションによる試射を推奨します』


 うん時間があったらね。とりあえず今は眼前の害虫駆除に専念なのです。リロードを念じ再度指定を始めるが……


『はいお嬢様ストップ。これより防御の練習を開始しますので一旦兵装を解除、実体剣に切り替えます』


 うわおーぼーだー、せっかくまた強制横っとび大会だったのに、とかぶーたれつつ現れた実体剣を掴み取る。あ、これ構えをイメージすると機体が動きをトレースするんだ、なんか楽しいですよ?


『はい、動きは大丈夫そうですね。では説明を開始します、通常ウォードレスには全周囲型バリアフィールドが展開しております、こちらは著しくエネルギーを消費している状態ですと解除されますのでご注意を。現状まず突破されることはないと思われますが、バリア強度を超えた威力の攻撃手段を受けても貫通されます』


 バリアとやらがどこまでガードしてくれるかわからないのは恐怖なんですが。


『大丈夫ですよ、先程の接近戦で確認しましたが奴らの火砲は脅威足りえません。ではちょうど地上より対空砲火が来ますので適時防御、及び回避を行って下さい』


 うわあちこちからドレイクが火を放ってきてます。とはいえ別に追いかけて来る訳でなし、ちょっと射線からそれれば当たるわけもなく。

 それでもせっかくの機会なので、ものは試しと可視化されたフィールドの端っこに当ててみる。炎はバリアに着弾するもフィールド内部には被害を与える事はできずに勢いを失っていく。


『はい、良好です。余談ですが一部近接武器での切り払いなども可能とも伝えておきます。……リスキーでナンセンスな選択肢ではありますが』


 まあ気持ちはわかる、わざわさそんなことするのは英雄鐔(サーガ)の勇者か荒くれ者の武勇伝くらいなのです。


『地上から追加の標的(ドレイク)が上がってきます。今までの内容を踏まえて第二ラウンドとまいりましょうか、お嬢様』


 りょーかいおーちゃん、では武器種は…今の実体剣にバトルライフルを追加『あ、お嬢様!』、さぁてやりうぶぇ!? なんか目眩、いや脳を直接シェイクされたような!? 思わず武器を手放してしまいました。あ、離した武器消えたら治った……。うぇ


『お嬢様申し訳ございません、現在の適合率の問題か両手別種の兵装は負担が強すぎるかと』


 ……むぅ、ならば改めてバトルライフルを現出させ構える。うん今度は大丈夫、改めて戦闘開始!


 まずは相手に向かい加速、最前列の一匹!照準、発射ァ!! ……おーちゃんの微調整により弾頭は狙い違わずロックされたドレイクに突き刺さる。

 勢いを削がれ空中で踊るドレイクに肉薄、首元へ蹴りをお見舞いし、ついでに片手で頭を掴み次にロックしてあるドレイクめがけて投げる! よしヒットぉ!

 衝突事故を起こした二匹へさらに追随、両者の頭に銃弾を叩き込む。ダブルキルぅ!

 そして次のマーカーに目を向けると同時、眼前にて炎が広がる。バリアに阻まれるも視界が赤一色に染まる! うぉわモロ食らった!?


『お嬢様ワンアウトー』


 くっそなんか腹立つ!? まぁいい次は腹を見せてるあいつだ、ライフルを構え点射、撃ったら動く! 目標が落ちるまで撃つ、撃つ、撃つ!

 よし落ちたぁ次っとおわっとと後方から火炎弾が! 後ろからニ体!? 乙女のお尻を狙うとは不届き者め! バトルライフル収納フロートマイン展開っ、シューッ!


 起動前のフロートマインを蹴り飛ばし不届き者たちの眼前で起爆! ……ふっ、乙女の敵は(あの世に)去った!


 再度バトルライフル……いや今度は実体剣を装備、残り少ない標的(ドレイク)の正面へと飛び込み突進、先に放たれた火炎弾を急角度な制動で強引に回避、すれ違いざまに首を切り落とす。

 けど切り落とした首が置き土産だとばかりに火炎弾を放つ! やば回避間に……いやこうだ!? 眼前の火炎弾を剣で切り払い続く追い撃ち弾の射線から飛び退く。 ……っひゅーあっぶなぁ


『これはリザルト動画が楽しみですね』


 なんか言ってるが無視無視! 残り三体っ、えぇぇ同時攻撃だと生意気な!? 回避回避回避……っく被弾! けど損害無し!


『ツーアウトです、ちなみにスリーアウトで罰ゲームです』


 ちょうまっ!? そんなんズルいのですよ!? えぇいもう当たれん仕方ないがチキンプレイだ、剣を振り投げ一体にぶつけ…あ、斬れた。飛んでった剣が消えたのを確認、武装を脚部装着型ボムディスチャージャーに変更し二匹を誘導するように上昇っ。

 ……んっふっふ低脳め着いてきたな! ボム散布開始! はっはっは踊れ踊れぇおかわりもあるぞぉ(ゲス顔)




ーーー ◆ ーーー




『お嬢様、最後の二匹がこちらに接近してきます、ご注意を』


 ……うん、気をつけます。


『どうしましたお嬢様、さっきまでの勢いはどこに置いてきたのでしょうか』


 ……うん、言わないで。


『ああ、こんなに顔を真っ赤にしてお嬢様ったらかわいいですね』


 ……うん、羞恥で人が死ぬというのは本当らしい。自爆ボタンがあったら間違いなく押してるであろう。


『その件は後ほどリザルトで。標的から高熱源体、来ます』


 うぉっといかんとりあえず今はあいつらだ、さっきの事は諦めて後でいじられよう。先程までの個体からとは比較にならない火炎弾と火炎放射が移動前のぼくの場所を通りすぎる。

 お返しにロングライフルをくらうといい、照準、発砲。


『おや、距離があるとはいえあれを避けますか。お嬢様、有効レンジを修正します。レンジ内での射撃を』


 わかった……ってあいつら離れていってない? まさか今までのを見ててよけれる距離を判断してる?


『その可能性は極めて高いかと。空飛ぶ程度の爬虫類と侮っておりました』


 これはめんどくさいことになってきた……どうしたもんかなこれ。

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