お買い物
恵と秋兎は狼に会っていました。
数日前、秋兎が遠出しようと恵を連れ出しました。
遠出の理由は新しいゲームが村には売ってなく、隣街なら売ってるかもしれないからでした。
秋兎はさっさと恵の手首を掴み、ズンズンと隣街の商店街を進みます。
アゲーオというお店に着き、秋兎はさっさと中に入り込みます。
アゲーオとは雑貨、日用品、文房具、衣服、食品など売るお店です。
特にアニメ、ゲーム、本を中心に売っています。
品揃えが良く最新のものや中古まであり、老若男女、オタクなどにとってありがたいお店なのです。
一言でいえば、百貨店です。
恵は隣街に、行きたくありませんでした。
親の手伝いができないことと、振り回されるのは御免でした。
しかし、親がアゲーオに行くと知ると、いろいろと頼まれました。
仕方なく秋兎と共に目的は違えど、一緒に行くことにしたのです。
「あっ俺、親にいろいろと頼まれたから…。後で落ち合おう場所は…」
恵は掴まれた手を振り払いました。
「うん、後であの喫茶店で落ち合うってことで」
秋兎は喫茶店を指差す。
「了解」
二人はそれぞれ買い物をしに別れることになりました。
恵はさっさと買い物のすませ落ち合う喫茶店で、ココアを頼み本屋で買った小説を読んでいました。
しかし5時間以上たっても、一向に現れない秋兎を探しに喫茶店を出ることにしました。
数分後、恵は秋兎を見つけました。
「秋兎!何やってんだ」
「あっ恵だ!迷った」
秋兎は何処でも惑う一級品の迷子でした。