少年二人
山のふもとに農業が盛んな村がありました。
山に近い、村はずれの農家がひとつありました。
その農家は家族で営んでいました。
今は夫婦の息子が野原で羊に餌を食べさせていました。
息子の名は恵と言います。
そこへ、商業屋の息子が走って来ました。
「おーい、恵ーー!!」
大声とともに走って来ます。
そして、とても笑顔で輝いています。
商業屋の息子の名は秋兎と言います。
「なんだ…秋兎か…」
恵は秋兎だと分かるととても嫌そうな顔になりました。
「え~、つれないな~」
「うぜえ、かかわるな…」
そう、恵にとって秋兎は嫌なやつだけでした。
「ね~聞いてー!!今期のアニメのレイスクがたまんねー!」
秋兎は二次元に染まっていました。
恵は無視し、羊の様子を見ていました。
ところで、レイスクとは妖精と悪魔の戦うハチャメチャストーリーです。
恵と秋兎はいつも通り、毎日こうして遊んだりおしゃべりしていました。
ほとんどは秋兎が無理やりに遊んでいました。
恵はいつも、親の手伝いができなくなるので、申しわけなさそうになります。
しかし、親は違っていました。
本当は遊んで欲しいと願っており、生真面目な息子が遊ぶことは大歓迎でした。