04:吊り橋効果を狙うのです
よし、冒険――いいえ僕らのラブラブ計画のため、とりあえずは大きな吊り橋のある川までやって来ましたです。
吊り橋効果という言葉をどこかで聞いたのです。どうやらこれをすると恋が成功するとかしないとか。ならば僕らもやってみない手がないです!
ってことで、僕はキャシー姫様と一緒に吊り橋を渡り始めたのです。
きっと姫様は怖がり、僕に抱きついて来てくれるはず。……そう思っていたのですが。
「にゃにゃにゃ〜ん。にゃーんていい気持ち! ハービー、遅すぎるのにゃ!」
「ま、待ってくださいです……はぁはぁ」
興奮物質の匂いを辺りに撒き散らしながら、キャシー姫様はおおはしゃぎで吊り橋を渡っておられるのです。
落ちちゃったらどうするんですー!?
そして早すぎて追いつけないです!
僕は足が速い自信がありましたが、背丈が小さく身軽な姫様と比べるとノロマのようです。
情けない……。
「にゃっ!?」
僕が少しの間目を離した時、姫様の悲鳴が。
と思ったら、キャシー姫様落ちてる! 吊り橋から奈落へ真っ逆さま!
「姫様ー!」
僕は慌てて風魔法を起こし、姫様を吊り橋のところまで戻してあげましたです。
まったく、僕がいなければどうなっていたことやら。
「キャシー姫様、おてんばもほどほどにしないと危ないです」
「ふ〜ん。でもキャシーにはハービーがいるから大丈夫! 問題なしにゃ!」
「そうですか! じゃあ僕に全部預けてくださいです!」
姫様ってば男誑しなんですから、僕メロメロです。
でもキャシー姫様はすぐに何食わぬ顔で走り出し、また追いかけっこを始めていますから困り物です。
「こーら、危ないですっ」
キャシー姫様は無垢な笑顔を浮かべているのです。
その可愛らしさと言ったら……世界一です。
僕たちは散々吊り橋の上で遊びまくって、なんとか無事渡り切りましたです。
後は吊り橋効果で姫様が僕に惚れてくれることに期待です。
さてさて、次のスポットに行くのです!