第96話 文化祭準備
「執事メイド喫茶ねぇ」
文化祭のクラスでの出し物について詳細の話し合いをしていた。愛翔たちのクラスでは”執事メイド”喫茶としてホール係がコスプレをしてサーブをする喫茶に決まっている。
「住吉君は、シフト希望ある?」
当然全員が常にいる必要はないためシフトを作って回すことになっている、今はそのシフトの希望を文化祭実行委員相澤栞が聞いて回っている。
「あぁ、俺は日曜日が試合で出席できそうもないので土曜日で頼む。日曜日に出来ないかわりに土曜はたっぷりシフト入れていいから。あ、楓が軽音部でステージに出るらしいから出来れば楓のステージの時間だけはオフにしてもらえると嬉しい。楓、ステージの時間はいつ?」
何故か呆然とする相澤。愛翔はそれに気付くと首を傾げながら
「あぁ相澤さん。何か問題あったかな?」
「い、いえ何でもないわ。当たり前に想定しておかないといけない事を忘れていただけ。大丈夫、大丈夫だから……。あぁそっかその時間帯は来客も少なくなって……」
愛翔への返事の後なにやらブツブツとつぶやきながら相澤は他のクラスメートの希望を聞くために回っていった。
相澤を見送ると愛翔と桜がさっそく楓にステージについて聞き始める。
「へぇ、それじゃオリジナル曲は1曲だけなのか」
愛翔の疑問に楓が嬉しそうに答える。
「さすがにオリジナルだけで1ステージはちょっと。それにカバーをメインにした方がお客さんも楽しめると思うのよね。で、最後に1曲だけオリジナル曲を演奏する予定なの。愛翔に一番聞いて欲しい曲よ。初めて作ったから、あまり上手じゃないかもしれないけど」
「えぇ、愛翔だけ?あたしには?」
桜が自分向けの曲が無いことに頬を膨らませた。
「初めてのオリジナル曲なんだからね。1曲で手一杯だったのよ。桜への曲はまた今度ね」
楓の返事に桜は少し機嫌をなおし
「約束だからね」
「はーい、男子は今からサイズ測るからねェ。上着脱いでシャツだけで……」
「おぉ住吉君、見た目よりガッチリしてるね。これだとサイズ。うん、オーケー」
男子の執事服用に全員の測定がおわり
「はい、これから女子のサイズ測るので男子は全員外に出ててね。呼ぶ前に入ろうとしたら……。わかってるわよね」
相澤の睨みに小さくなる男子達。
「あ、私の測るときなら愛翔は入って良いわよ」
冗談めかして楓がウィンクを飛ばす。めずらしくハイになっているようだ。
「ああ、はいはい。なんなら俺が測ってやろうか」
キャーキャーと騒いでいるのを女子生徒の声をBGMに愛翔が返す。
「あぁ住吉君が測ってくれるなら、私も~」
「え、そんなのあたしも……」
騒がしくも楽しい時間を過ごすクラスメートたちに愛翔も苦笑しつつ
「はいはい、冗談はそのくらいでさっさと進めてくれよ」
教室から出ていった。




