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第66話 100%信じてる

翌日、愛翔が学校へ向かおうとマンションのエントランスから出ると。

「おはよう愛翔」

「やっほ愛翔。おはよ」

「おはよう。楓、桜」

「一緒に学校いこう」

「ああ、って桜はいいのか」

「うん、ケジメつけてきたから」

「そっか」

愛翔はそれ以上聞かず

「じゃぁ昔みたいに一緒に行こう」

愛翔が言うととたんに嬉しそうに左腕に抱きつく楓、

そして、おずおずとそれでもしっかりと右腕に抱きつく桜。

「楓。あたし負けないからね」

桜の宣言が9月の風に舞った。


駅を出ると、光野高校の最寄り駅のためそこにはもう登校中の光野の生徒も多く両腕に楓と桜を抱きつかせた愛翔は注目を浴びることになる。

「なんだあの男は。女神様と天使様を両手に侍らせて……」

「あれってMLSで話題になった住吉愛翔じゃないか?なんでうちの制服着て……」

怨嗟の視線、羨望の視線、憧れの視線。そして黄色い悲鳴を上げる女生徒たち。

そのまま登校し、教室に入ると。さっそく理子が飛んでくる。桜を廊下に引っ張っていくと

「桜なによ、剣崎君と付き合っているのに別の男の子とそんな抱き合うなんて……」

「理子、もう剣崎君とはおしまいにしたの。それとあたしも楓と一緒でグループ抜けることにしたから」

「そ、そんな。桜と剣崎君てお似合いだってずっと思って……」

「理子の仲間を想う気持ち、あたしを思う気持ち、ありがたいと思ってた。でもね、愛翔が帰ってきて校門で声を掛けてくれた時、その時にもう後悔した。なんで気持ちもないのに押し切られてお試しとは言え付き合う事にしちゃったんだろうって。なんで頑張ろうって思わなかったのかって。一番大切なものを汚してしまったって。それに1週間という短い時間だったけどお試しとは言え剣崎君とお付き合いしているって、辛かった苦しかった自分が汚れていく気がした、自分の中の何かが死んでいくような感じがしたの。だからおしまいにしたの」

「でも、それじゃぁ嫌がらせは?」

「それも大丈夫。愛翔がいるもの。愛翔がいる限りあたしは大丈夫」

「そ、それは住吉君とお付き合いするって事?」

「違うわ。今のあたしには愛翔と付き合う資格ないもの」

「でも、それじゃぁ桜がまたターゲットにされちゃうんじゃ」

「そうかもね。でも愛翔は付き合っている付き合っていないなんて事関係なく守ってくれる。絶対にね。だから大丈夫よ」

「信じてるのね、住吉君のこと」

「うん、100%信じてる」

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