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第56話 イジメの後

「花火大会の時のを見られたんだな。華押さんごめん、あんな場所で俺が迂闊だった」

部活も終わった放課後の帰り道、剣崎がボソリと桜に対して謝罪の言葉を口にした。

「え?ううん。剣崎君が悪いわけじゃないよ。そこは分かってるから」

「そう、桜の言う通りよ。剣崎君は桜に告白して振られただけ。それは恋愛では普通にあること。他人がどうこう言うこと自体がおかしいの。悪いのはあくまでも悪意を持って行動して嫌がらせをしてきた誰かよ」

剣崎に罪は無いと諭す桜と楓。

「それでも俺の華押さんへの告白が切っ掛けになっているのは間違いないよな」

「そうね。あと、ひとつだけ言うとすれば剣崎君が自分の人気に無頓着すぎたってのはあるわね」

「う、そ、それは。なんというか申し訳ない」

「ま、そうは言っても嫌がらせをしていい理由にはならないけどね」

「それで、どうしたら……」

「う~ん、対処法は多分あってると思うけど、うまくやれるかどうか。私の目の届く範囲では嫌がらせをさせないように出来ると思うけど……」

「相手の人数次第なところもあるわね」

理子も心配そうに口を挟む。

「愛翔早く帰ってきて」

小さく呟く楓の声は誰の耳にも届かず風に消えていった。

そこに剣崎が意を決したように口を開く。

「華押さん」

その声に5人が顔を向ける。

「このタイミングで言うのは卑怯かもしれないけど、俺と付き合ってくれませんか」

「な、何を言い出すの」

楓が憤然とする。

「剣崎君、あたしの返事は変わらないわ。剣崎君を恋愛対象としては見られないもの」

桜も否定的な言葉を返す。

「うん、何もいきなり本当の恋人になってくれって事でもないんだ」

桜も楓も怪訝な表情だ。

「お試し的に付き合ってもらうのもダメかな。そこまで可能性無いかな?それに俺と付き合っているって事になればこの嫌がらせもある程度収まるんじゃないかって思うんだよ」

「剣崎君、それはあまりにも……」

楓が否定を言葉を口にするけれど

「あたしはアリだともうわよ桜。それにこれだけ慕ってくれている剣崎君にも少しはチャンスをあげてもいいんじゃない?」

理子は肯定的だ。

「まあ無理にとは言えないけど、俺も剣崎にチャンスをやって欲しいとは思う」

藤島もここがチャンスと肯定の言葉を口にした。

「で、でも……」

困惑顔の桜は助けを求めるように楓を見る。

「私は反対ね。ここでそんなふうに付き合ったら桜絶対に後悔するわよ」

楓は完全に否定的だ。

「そんな硬く考えなくてもいいんじゃないか?剣崎も正式にってことじゃなくお試し的にって言っているわけだし」

多賀もそこまで頑なにならなくてもと剣崎の肩を持つ。それでも楓が再度否定の言葉を口にした。

「硬くもな何もそんな事をしたら桜は後で絶対に後悔する。きっと死にたいと思う位に。だから私は反対よ」

そんな楓の言葉に理子が被せる。

「そんな大げさな。剣崎君てカッコいいから付き合っていれば好きになれるんじゃない?それにあくまでもお試しなんだから」

「桜、愛翔との約束があるでしょう」

「う、うん」

桜にとっても愛翔との約束はとても大切なもの、そう簡単に忘れられるものではない。

「愛翔ってあの住吉愛翔のことか?」

剣崎の反応が大きい。

「桜、これははっきり言っちゃったほうが良いわよ」

そこから桜は愛翔がアメリカに渡るときに告白したこと、3年で戻り、その時に返事をもらう約束をしていることなどを話した。

「でも3年だろう。そんな前の話、向こうだって忘れてるんじゃないの?」

藤島は疑問を口にし、さらに続けた

「それにMLSでのインタビューでも女の子にもててたし、住吉も向こうで彼女つくってたりするんじゃないのか?てかそもそも本当に帰ってくるのか、あいつ将来有望なサッカー選手だろ?あのままむこうでプロになるんじゃねぇの」

「愛翔は帰ってくるわよ。愛翔はあたし達には嘘つかないもの」

「いや、この場合は嘘ってのとは違うだろう。さすがに将来の進路のことだからな」

藤島が食い下がる。

「愛翔は、日本で大学卒業してから決めるって手紙に書いて来てたもの」

「3年越しの約束ってとってもロマンチックだけど、あたしもさすがに無理があると思うな」

理子も追撃をする。

「それにあくまでもお試しだから、そんな固く考えないで欲しいかな」

剣崎もここは引かない。

翌日、剣崎の横に並んで登校する桜の姿があった……

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