第51話 夏休みへ
「夏休みだぁぁぁ」
終業式も終わり校舎を出たところで多賀がいきなり叫んだ。
「夏休みって言っても、多賀は補習授業がかなりあるんじゃなかったか?」
藤島が指摘する。
「今それ言うかぁぁ。せめて一時の解放感を味わわせてくれぇ」
「それにほとんど毎日部活があるぞ」
剣崎が止めの追撃をおこなった。
「なんでだぁ。うちは進学校だろうがぁ。進学校でなんで夏休みに毎日部活があるんだぁ」
「入部時に言ってただろ。入試も最後は体力だって。だから3年の部活引退時までは徹底的に体力をつけて受験勉強で無理が効くようにするんだって顧問の禿じじぃがさ」
藤島の呆れたような言葉に
「思い出したよ。今思い出した。ふざけんなよって思ったのも思い出したわ」
”ガァルル”とうめく多賀を可哀そうなものを見る目で眺めるメンバー。それでもすぐに復活した多賀が
「ならせめて休みに海に行って遊ぼうぜ」
「お、いいね」
「そんくらいならなぁ」
と多賀の提案に剣崎と藤島が同意するが
「ごめん、あたし海とかプールはバツで」
「うん、私も無理」
桜と楓が速攻でNGを出した。
「えぇなんでだよ。夏って言えば海かプールだろぉ」
「だって海やプールって嫌な目で見てくる人が多すぎて気持ち悪いんだもの」
粘る多賀に楓が言い放ち、
「あぁ桜と楓の2人なら、それは納得ね」
理子が納得の言葉を口にして海やプールは廃案になった。
「それじゃ、せめて祭りに行こうぜ。8月の第1週の週末にあるだろ。花火もでるやつ」
諦め悪く多賀が粘る。
「はぁ、分かったわ。まあ夏祭りくらいなら良いわ」
楓が妥協する。
「うん、でもあまり変なとこは行かないわよ」
桜も条件付きで同意を示し、最後に理子が
「あたしは人志君と一緒ならどこでも」
と頬を染めた。
「はいはい、ごちそうさま。で、祭りに行くのは良いとして、待ち合わせはどうする?当日の部活とかはどうなってる?」
このあたりはやはり楓がリーダーをとる。
「サッカー部は多分15時くらいまでやってる」
「桜、女子バスは?」
「確か夏休み期間土日はお休みだったと思う」
「理子は……はい大丈夫ね、わかったわ」
理子には聞くまでもないとすます楓。
「お祭りの会場近くでの待ち合わせじゃ人が多すぎて無理だろうから、駅前かしら。確か花火が20時からだったから時間は18時でどう?」




