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第50話 告白(多賀の場合①)

”ブブブー”インターホンの呼び出し音が鳴った。

「はい。はい、わかりました」

受話器を取った剣崎が呼びかける。

「時間だってさ」

「もうかぁ」

「はーい」

三々五々荷物を手に立ち上がる。藤島と理子のカップルを先頭に部屋を出る。その中でコップやマイクなどを片付けながらタイミングを遅らせる楓と多賀。そうしているうちに4人が部屋を出てドアが閉まった。

「このタイミングなら少しだけ話を聞けるわよ」

楓が呼びかける。その声に多賀はビクリと肩を揺らし、それでも覚悟を決めた顔で口を開いた。

「なんとなく気付いてくれていたみたいだけど」

一言前置きをして続ける多賀。

「俺はこんなおちゃらけたキャラでさ、みんなからもそう思われて軽い奴って思われてる。そんな俺でも橘さんは普通に接してくれて凄く嬉しかったんだ。しかもいつの間にか、こんないつメンになっててね。そしたらいつの間にか橘さんばかり視線で追うようになってた」

そこで一旦言葉を切り、楓を正面から見つめ

「橘さん、あなたの事が好きです。付き合ってください」

楓は溜息をひとつついて、それでも多賀の目を見て答えを紡いだ。

「ごめんなさい。あたしのことを好きだと言ってくれたこと自体はうれしい。それもこれだけ友達として一緒に居たうえでだから表面的なものでは無いとも思う。でも、ごめんなさい。多賀君を恋愛対象としては見れない」

その答えは予想していたのだろう。多賀は僅かに顔をゆがめるだけで落ち着き

「住吉かい?」

「答える必要あるのかしら?」

「あっちはもう違う世界で生きているんだよ」

「どっちにしろ、多賀君とお付き合いするつもりはないわ。ごめんなさいね」

それだけ言うと楓は片付けの終わった部屋から出ていった。

「あんな怪物がライバルとか……。でも向こうはアメリカだからな。諦めるのは早いよな」

気を取り直したように顔を上げて楓に遅れながら部屋を出る多賀。その表情は、諦めることは考えていなかった。


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