第45話 満足不満足
「6位入賞おめでとう」
剣崎をはじめ、多賀、藤島、理子の4人が桜を祝福する。その横で楓は少し困った顔をして黙っていた。
3日の大会を通し活躍した桜だったけれど、チームは県6位だった。光野高校女子バスケットボール部としては画期的な好成績だったものの桜自身としては初めての県どまりで……
「ありがとう」
桜が微妙な表情で返す。
「あまり嬉しそうじゃないね」
理子が桜の表情に気付いて問いかけた。
「え、そんなことないよ。高校1年から県大会入賞したんだから嬉しいよ」
「でも表情が曇ってる」
「そのあたりは見逃してあげて欲しいかな」
楓がそっと間に入ってきた。
「??」
理子が頭の上にクエスチョンマークが飛び交うような表情をしている。
「桜は小学校5年生からずっと全国区でプレイしてきたの、光野高校でとは言っても県どまりていうのに満足できないでいると思うの」
楓が小声で理子に囁いていた。一瞬目を丸くしたものの何か納得できたという顔で
「来週はどこかに遊びにこうよ。まだテストには少し時間あるし」
理子が思いっきり話題を変えた。
「お、いいね!今度こそ遊園地とか行きたいな」
多賀が、空気を読んで乗っかる。
「じゃ、来週の土曜日にカダシマ遊園地に行こうぜ」
そこまで来ればサッカー部の陽キャ集団だけに話は早かった。
「じゃあ、朝9時30分に駅前の金魚のオブジェ前に集合でいいかな」
藤島の提案で決まった。
「今日は応援ありがとう。今日はここまでで解散ね」
やや疲れた顔で桜が切り出し。
「じゃ、明日また学校でね」
手を振り三々五々6人は家路についた。




