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第39話 課題

「は?公式戦に?メジャーリーグサッカーって、プロですよね?そんなところにクラブチームのU18に上がったばかりの俺が?」

さすがに戸惑う愛翔に

「今回は特別です。さすがにこの状況では勝ちに行くのは無理との判断から若手に経験を積ませようとのオーナー判断ですね。経験を積むチャンスと思って参戦してください」

「GM、俺のスタンスは話してくれたんでしょうね?」

「ああ、一度日本に帰って大学に行く。プロになるならそれからという方針だったな」

「そんな俺に、こんなチャンスを?」

「ふふふ、有望な若手にはチャンスをっていう方針ね」

綺麗なウィンクをするオリヴィア。愛翔は『そういえば日本のテレビ局とのタイアップがどうとかいう噂があったな』と、ぼんやり思い出していた。


 翌日、戸惑いながらもプロのピッチに立つ愛翔。

「よう、U18枠からピックアップされたシンデレラボーイは、おまえか?」

チームメンバー、トビー・レイ・ブロデリックから声を掛けられる。

「あ、トビーさん。は、はい。頑張ります。よろしくお願いします」

「お、俺の事知ってるんだな」

「そりゃ知ってますよ。トップチームの司令塔じゃないですか」

「しかし今からそんなじゃ試合になったらもたないぞ。リラックス、リラックス」

ガハハハッと笑うその姿に少し落ち着きを取り戻し

「ありがとうございます」

なんとか深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとする愛翔。そんな愛翔に今度はスタンドから声が掛かった。

「アイト~、おめでとう。頑張ってね。応援してるからねぇ」

ストロベリーブロンドの小柄な少女が手を振っている。その隣には蜂蜜色の髪の長身の少女が微笑んでいた。

「クリスにケイトも、来てくれてありがとう。頑張るよ」

手を振る愛翔に

「おぉ、可愛いガールフレンドをふたりも連れてくるとはおまえやるなぁ。これは張り切るしかないな」

トビーが愛翔の肩に手をまわしクリスとケイトに手を振る。

その状態でトビーがそっと呟く

「アイトって言ったか。初招聘の15歳なんて誰も期待してないってわかってるよな」

「……ええ」

「つまり最初はお前にはマークなんかつかない」

「……」

トビーの言いたいことが分からず、黙り込む愛翔。

「アイトがフリーでサッカーが出来るなんて経験、いったいいつ以来だ?」

そこまで言われてなんとなく察する愛翔。

「つまり、俺はキックオフ直後に堂々と相手陣内奥にフリーで入り込めばいいんですね」

「よくわかってんじゃないか。今日のお前の課題は、お前をフリーにするのはまずいと思わせて相手にマークをつけさせるようにすることだ。得点に絡めだとか、シュートしろだとか言わねぇ。お前にマークを1人引きつけろ。そうすればこの状態で数的不利を最低限にできるからな。15歳でそれが出来たら十分にヒーローだ」

そう言って愛翔の背中をバシンと叩いてトビーは離れていく。

それに対して愛翔は黙って頷いていた。

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