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第37話 剣崎の想い

「剣崎君いるかしら」

朝の教室で桜が入り口近くにいた女子生徒に頼んで剣崎を呼び出している。

「は、はい。剣崎君、天使様が呼んでるわよ」

呼び方に眉を顰め不愉快そうにしたものの桜もそれ以上は言わず待っている。まわりでは黄色い悲鳴が響き頼まれた女子に連れられ剣崎が教室の入り口近くまで来た。

「華押さん、おはよう。なんの用かな?」

「昨日のことよ」

「昨日?」

「ええ、サッカー部の人たちがあたしの事を何か言っていたのを諫めてくれたそうじゃない」

「ああ、あれは俺も似た経験があってね。不愉快だったからさ」

「そう、そうであっても助かったわ。ありがとう。それとあのときはごめんなさいね、少し言い過ぎたわ。あなたは助けてくれようとしただけなのにね」

「いや、助け方が悪かったからね」

「それは確かね。校内であの助け方は無いわね」

剣崎も今となっては自覚があるため申し訳なさそうな顔をする。

それを見た桜は、ふっと表情を緩め

「ま、そのあたりも許してあげる。でも二度とあんなやり方は勘弁してね。それじゃ」

それだけを言って踵を返す桜。

そんな桜をぼぅっと眺めながら

「やっぱり華押っていいなぁ」

つぶやく剣崎。


 放課後、サッカー部の部室で剣崎と藤島は今朝の桜について話していた。

「じゃぁとりあえず、マイナスのイメージの解消だけはできたって感じじゃないか。よかったな剣崎」

「ああ、藤島のアドバイス通りに我慢した甲斐があったよ」

「ここからは少しずつ距離を縮めて友達になるのを目指す感じだな。少し関わった感じ、華押にしろ橘にしろ別に人嫌いとか男嫌いってわけじゃない。単に知りもしないで言い寄ってくる奴らを気持ち悪がっているだけ。普通の高校生、普通の女の子として接する分には凄くまともで良い奴らだからな」

「つまり?」

「特別扱いするんじゃなく、普通の同級生として接するのが一番だってことだ」

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