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第31話 エアメール(桜からの手紙)

 高級住宅街の一角。愛翔がマンションのオートロックを解除しエントランスホールに入っていく。郵便受けを確認すると

「お、エアメールだ」

手に取り、あて先と差出人を確認する愛翔。

「桜からだ。元気にしているかな?」

独り言をつぶやきながら、手紙を鞄にしまう。エレベーターホールで壁の番号キーで部屋番号と暗証番号を打ち込みエレベーターに乗り込む愛翔。エレベーターを降りると自宅のドアをディンプルキーで開錠し部屋に入る。照明を点けリビングを通り抜け一旦自室に入り荷物を置く。洗面所に移動し手洗いをすませた。

「父さん、今日も遅いのかな」

キッチンに移動し、米を研ぎ炊飯器をセットしてから冷蔵庫の中を確認する。食材を適当に取り出し調理を始める愛翔。この2年半、食事の支度はほとんど愛翔がしているため既に手慣れたものだ。

 食卓に並んだのは白米、アボカドサラダ、鳥から揚げ。そこで愛翔はちょっと悩み冷蔵庫からパックのポタージュスープを取り出しカップにあける。

「いただきます」

手を合わせ、独りで夕食をすませる。食事の間に粗熱のとれたから揚げをラップし、他の料理も残してあった一人分を皿に盛りラップする。それらを冷蔵庫にしまうと、コーヒーメーカーをセットし、洗い物をすませる。そこまで済ませると、コーヒーメーカーからカップにコーヒーを注ぎ、それを持って自室に向かった。

 自室の机に向かってすわると、鞄にしまっておいた手紙を取り出した。ペーパーナイフで封を開け便箋を取り出す。桜らしい可愛らしい便箋につづられた日常。愛翔はコーヒーを片手に唇を緩ませ読み進める。

「2人そろって光野高校か。たしか県内では結構な難関私立高校だったよな」

そう言いながらデスクサイドにおいてあったノートPCを取り出し電源を入れる。

「帰国子女受け入れあり。定員は若干名か。編入試験は、は?8月19日?えらいギリギリだな」

それからいくつか調べ、愛翔はサイトから編入試験の問い合わせメールを送った。

「父さんに話さないとな。次に家にいるのはいつだ?」

ネットで共有しているスケジュールを確認する愛翔。

「あ~、ゆっくり話せるのは来週の土曜か」

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