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12話 セクハラ先輩

「高野さんどうしたんだいったい」

逃げるように帰っていった高野の様子に愛翔が首を傾げる。

「何か分からなくなって、ちょっと頭を冷やしにいったんじゃないの」

「ま、いっか。で、桜は部活おわったのか?」

「うん、今日はちょっと早く終わったの。で、美術部はまだ終わってないだろうし今日木曜日だから愛翔が高野さんと勉強会してる日だから、図書室で時間まで一緒に楓を待とうと思ってこっち来たんだ」

「こういう時にスマホあると便利だけどな」

「ね、あたしたちの親って揃って”まだ早い”だものねぇ」

愛翔と桜は揃って苦笑する。そして

「何か良い本ないかなぁ。ね、愛翔は最近図書室に来てるんだから、おすすめとかないの?」

「あのなぁ、オレは高野さんとの勉強会で来てただけだぞ。別に本を探しに来てたわけじゃないっての」

愛翔は桜の額を軽くつつく。すると口を尖らせ桜が

「ちぇぇ、愛翔の選ぶ本面白いからちょっと期待したのになぁ。ま、いいけどね。それより、たまには楓を迎えに行こう」

コロッと表情を変えて愛翔の腕に抱きつく桜。その変わり身の早さに苦笑しつつ愛翔も同意する。

「あぁ、そうだな偶には美術部まで迎えに行こうか」

抱きつき抱きつかせたまま談笑しながら廊下を歩くふたり。周囲からは様々な視線が向けられるけれどそんなものは気にもしないで美術部に向かう。


「いい加減にしてください」

ふたりが美術部の部室の前まで来たところで罵声が響いた。

「この声」

愛翔と桜が目を見合わせ

「楓」

扉を開け叫んだ。

そこでふたりの目に飛び込んできたのは、楓が男子生徒を殴り飛ばしている光景だった。

『ひとり気持ちの悪い先輩がいた。名乗りもせずにいきなり手を握ろうとしてきたのよね』

愛翔の頭に浮かんだのは楓が言っていた気持ちの悪い先輩のこと。それでも追撃を行おうと振りかぶった楓の腕を掴み止める程度には冷静だった。

「楓、そこまで。それ以上はいけない」

「愛翔離して、こいつ殺せない」

「楓ちょっと、興奮しすぎ。犯罪はダメ」

桜も楓をなだめようと必死になる。愛翔は状況を見つつ。

「で、あんたがセクハラ先輩か」

「部外者がいきなり割り込んで欲しくないね」

言い返す男子生徒を相手にせず、楓に向かって

「前に言ってたバカはこれ?」

目を伏せて頷く楓に

「たく、楓は」

愛翔は、そう言いながら、楓をやさしく抱きしめ、耳に唇をよせる。

「少しは頼ってくれよ」

「ん、ごめん」

小さくなる楓に桜も抱きつき慰める。

「あたしだって心配するんだからね」

そこで改めて男子生徒に向き合う愛翔。

「さて、事情聴取といきますか。それとも先生を呼んだ方がいいですか今年高校受験の”せんぱい”」

ビクリと固まる男子生徒に表面上だけは非常にニコヤカに話す愛翔。


2度と楓に関わらないと言わせ、OHANASHIを終えた愛翔は、楓をもう一度抱き寄せ。

「オレにとっては楓も大事な幼馴染なんだからな。楓を傷つけるような奴がいたら守るから」

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