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ボロボロの少女

 レムカと合流したヘイランとドルシー。そしてレムカはヘイランにつれられ、レムカの感じた嫌な予感を突き止めるために崖の上に向かった。ドルシーはパパと呼ぶ骸骨の蛇と待機している最中だった。

「やっぱり私って駄目なのかな?」

 ドルシーは1人で待たされていることに不服だった。ヘイランの助けをするために、来たはずなのにレムカが着たせいで完全にお荷物扱いにされているためである。

「でもくよくよできないよねパパ」

「…」

「っていってもこの子がしゃべるわけないんだけどね」

 ドルシーのパパは、鳴き声すらもない。ドルシーを守る骸骨になった蛇でしかない。

「木の実探してこよ」

 ヘイランとレムカが戦って疲れて戻ってきてもいいように、食べ物を探しにもりの中に向かった。

「何かないかなー」

 見たことある木のみを探しているが、まったく見つからない。そして、奥に行けば行くほど気の色が黒くなってきた。

「何もないな―。この奥は怖いからそろそろ帰ろうか」

 ドルシーのパパがドルシーの服を引っ張った。

「何パパ?」

 ドルシーのパパが何かを感じたようだ。

「わかったから」

 引っ張られている方向に向かっていった。

「これって」

 するとドルシーの前にボロボロの状態で倒れている少女を見つけた。

「パパこの子連れていける?」

 ドルシーはドルシーのパパの背中にその少女を乗せて元の場所に戻っていったのであった。


 そのころヘイランとドルシーは沖にたどり着いていた。

「なんもいないな」

「しかし、そうでもないぞ」

 そこに咲いていた花がぐちゃぐちゃになっていた。まるで、1戦闘をしたように荒れ狂っていた。

 そして和の傘が落ちていた。穴が開いている。それに花のようにボロボロの状態。

「変な感じがするな」

 レムカはその傘に触ると何かに気づいた。

「この傘見たことがあるな」

 ヘイランにはこの傘に見覚えがあった。

「つまり、これは魔族の何者のものかもな」

「少し辺りを見てくる」

「無理するなよ」

 ヘイランは自慢の速さで荒れている花畑を散策してみた。

「穴がある」

 花畑の中に焼け焦げた花がある大きな穴を発見した。

「誰かいる」

 その穴の中に倒れている誰かを見つけた。

「アゲハ」

 ヘイランはその女性を見て思い出した。あの傘はアゲハのものだった。

「へい、らんか」

 アゲハは意識があった。しかし、半身は真っ黒。そして、体には大きな傷がついていた。

「なにがあった」

「フェリヤが」

 アゲハからヘイランという名前が聞こえた。

「本当か?」

「アズを。アズリエルを助けてあげて」

 ヘイランはアズリエルという言葉にも聞き覚えがあった。

「そいつはいまどこに?」

「森に落とされた。多分生きてる。私はもう助からない。オルプネーには致命傷をつけたからしばらくは出てこないと思う。だが、狙いは」

 アゲハは伝える状況を話した。しかし、残された力はつき、すべてを伝える前に意識がなくなった。

「アゲハ。おい」

「死んだな」

 2人で話しているとレムカが追い付いた。

「どういうことだ!!」

「お前の生命力の近くに小さいが、生命を感じていた。しかし、今は感じれない。つまりそういうことだ」

「アズリエルを探すぞ」

 悲しくもあったが、今はそれを思っている余裕はない。フェリヤが絡んでいる以上やらなくてはいけないことが何個もある。

「アズリエルを探すぞ。森にいるらしい」

「わ、わかった」

 2人はまた崖の下に向かった。

「おーい。誰か助けてくれー!!」

 崖を下っていると何か声が聞こえた。

「なんだろうこの声」

「そうだなー」

 レムカは目をつむった。集中をし生命力を探した。

「あの鎌だな」

 指をさしたところに鎌が刺さっていた。


「ありがとう」

 涙目でしがみついてきた。

「お前鎌か?」

「っあそうだな」

 鎌は変化して骨になった。

「俺は骨三郎。アズリエルってやつの鎌をやっている」

「アズリエルはどこにいる」

「お前よく見りゃーヘイランか。殺し屋がなんのようだ?」

「アゲハの頼みでアズリエルを助けるように言われている」

「なるほど。アズリエルが手を離したせいで離れ離れになってなー」

「なら探さないとか」

 2人は骨三郎を連れて森の中に入っていった。



「ここは?」

「あ、起きた。森の中で気絶してたから連れてきたんだよ。あなた名前は?」

「私はアズリエル」

「アズリエルか。私はドルシー。あなたを運んだのはパパ」

「そうだ。アゲ。!っ」

 無理して立ち上がろうとしたが、腕を痛めたようで、力が抜けまた倒れた。

「どこか痛むの?」

「骨三郎探さないと」



「なるほど。そのちびすけがアズリエルってわけか」

「生きてたかアズ」

 レムカとヘイランが合流をした。

「ありがとうドルシー。アズリエルを見つけてくれて」

「よかった」

 ドルシーは笑顔を見せた。ヘイランの役に立てたことがうれしかった。

「オルプネー。それにフェリヤ。ヘイラン私は少し探ってみる。アズリエルの看病は任せた」

「レムカ。1人で大丈夫か?」

「カムイ無双流をなめないでくれたまえ」

「わかった。何かあったら戻って来いよ」

「任せておけ」

 レムカは森の奥にもどっていった。

 フェリヤが次に標的にしたのはアズリエル。何を目的にしているのだろうか。


 

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