第三話姿を消した親友
フェリヤに元の記憶の一部を入れられたドルシーはずっと眠ったまま。ヘイランは見守ることしかできない状況でいる、。
そしてヘイランは考えた。もしドルシーを連れて行けばつねに守ることができる。だが、それができるのか。どんな敵の前でもドルシーを守りながらでは負ける時が来る。とはいえ、やはりフェリヤが手を出さないにしても、ドルシーに危険がまったくないとは考え難い。それにおいていったとしてドルシーが町にいるのか。追いかけてくる可能性だって考えれる。もしつれっていったことを考えてみると近くにいるそれだけでも安心できるというメリットがある。しかし危険が生じるというメリットがある。なら逆で考えてみる。もし、連れて行かなければフェリヤから手を出すことはない。しかし、ドルシーを一人にしていることを考えているだけでも集中できなくなってしまう。この二つの考えからどちらかといえば連れて行ったほうがいい。ドルシーも危険なのを覚悟をしている様子だった。ならなんとかなるとも考えられる。
「あーもうわからん。とりあえずドルシーが少しでも力があることが分かればいいのだが」
頭の中で考えたが、まったく正解を見いだせずにいた。そして布団が少し動いた感じがする。
それから疲れからか寝落ちをしてしまったヘイラン。
目を覚ますとベットで寝ていたはずのドルシーの姿がなかった。
「結構寝てたよ。ヘイランもう朝できるから」
ドルシーは台所で、朝食を作っている最中だった。朝ということはヘイランは一晩寝ていたことになる。
「お前記憶は?」
「うん少し戻った。でもヘイランにも話せない。ごめん」
いつも笑顔のドルシーが記憶の話を振ったら急に暗い顔をした。
「つらい過去ってやつか。気にするな。私だってお前に話せない過去をフェリヤから戻されるかもしれないし」
「今日から頑張ろうね」
その暗い顔を振り払い結審した顔になった。。ドルシーはもう行く気だった。というよりはヘイランが悩んでいることを知ってるため、強気で行けば行けると感じた。
「ドルシーはもう行く気なんだな。だが、私が守れる保証がない以上やっぱり行かないほうがいいかもしれない」
ヘイランは答えを出せない。ドルシーのためにと考えても立場が違えば状況は逆になる。ここまで大切に思える人他にはいない。だからこそ決めるのも困難だ。
「ヘイランの気持ちはわかった。でも、私は行く気だから。それだけは分かってほしい。連れて行く気がないなら力づくで止めて」
自分の強い意志は伝えた。
「まだ眠いから寝るね。ご飯ちゃんと食べるんだよ」
ドルシーはまた寝始めた時間的にはもう昼寝といったところだ。
朝ごはんを食べた後、昼寝をしているドルシーを見てて自分も眠くなり再び眠りについてしまった。
「認めてもらうから」
ヘイランを寝ていることを確認して、家から出ていく少女にヘイランは気づくことができなかった。
そしてさらに時がたちようやくヘイランは起きた。
「また眠ってしまったか。ドルシーは」
ドルシーが寝ているベットの上の布団が薄くなっているように見えた。まるで誰も入っていないくらい。
「ドルシー!!」
布団を開けるとドルシーの姿はなかった。とはいえペットも落ち着いてる。買い物にでもいったのかもしれない。
そう考え待っていたが、なかなか帰ってこない。
「ヘイラン!!ドルシーが」
ドルシーの部屋に急いで駆け寄ってきたのはサマエル。魔族で村の物知りである。あまり外に出ないドルシーのことも詳しく知っているし。
「ドルシーはどこに行った」
「ほんとかはわかんないけどダーシェと戦ってるって」
ダーシェとはこの町のすぐ近くにある小さな村にある神族のものである。現段階でで最強の流派、カムイ無双流の伝道者である。自分の力が強大すぎて今はかせをつけているが、それでもヘイランと並ぶ状況によっては勝てないくらい実力がある。ヘイランも何度か話したことがあるが、誰にでも優しい奴だ。だから攻撃を仕掛けるようなやつでもない。なのになぜドルシーが戦っているのだろうか。
「どこからの情報だ?」
「それが、弟子のレムカがドルシーを止めてやってくれ。このままでは致命傷ではすまされないって。でも、ドルシー仲のいい人いないからみんな聞く耳持たなくて。ヘイランなら助けに行ってくれるだろうとおもって」
ドルシーのりかいしゃは今はヘイランだけ。父親がいなくなり、ペットとずっと家にいたドルシーは村の人ともあまり仲良くない。そのため、ドルシーが何をしようと誰も関心をもたないのだ。
「ありがとう。少し行ってくる。わるいんだが、少しペット逃げ出さないように見ていてくれ」
「わかった」
ダーシェの流儀はこうだ。戦いを仕掛けられたら必ず戦う。本気でやれというなら本気でやる。つまりドルシーがやばい状況つまり。
「ドルシーはほんと馬鹿だ。私が判断できないせいでもあるか」
ヘイラン急いではダーシェのもとに向かった