幕間3 僕が投資開始を決断した理由
前回まで偉そうに投資の必要性について書いてきましたが、「お前はどうなんだ?」と思った方もいるではないでしょうか。
確かに、これだけではフェアではないですね。
僕が投資開始を決断した理由について、今回は書いていこうと思います。
尚、かなり主観的で偏った分析がありますし、不快に思われる方もいるでしょうが、そこはご理解ください。
◇
今から10年前の2010年。
円ドル相場は、年初に1ドル92.1円だったものが、年末には1ドル81.49円。
増え続ける国債、急激すぎる為替相場の動き、なんら打開策を手を打てない政権と日銀に、僕は漠然とした不安を覚えていました。
当時の政権を安倍総理が「悪夢のような」とした表現するような状態だったのも、僕の不安を助長したのでしょうか。
当時僕は貯金一択の人でしたが、次第に別の考えが沸き上がりました。
本当にこのままでよいのだろうか?
貯金されたお金は銀行に移され、そのお金の一部は日本銀行に移されている。日本銀行は預けられた資金を銀行の銀行として運用するだけでなく、政府に銀行として国債や公共投資などにも回している。
極論をいえば銀行に貯金するということは、間接的ながら国債購入に協力しているのと同じなのです。
貯金一択での貯蓄を継続するということは、彼らが作り出したサイクルへ取り取り込まれ続けることを意味しないか?
そう考えると、僕はたまらなく嫌な気分になった。
では、どうするか。
貯金一択の方針を改めるしかありません。
日本資産から海外資産へのシフトするか?
外貨預金も調べましたが手数料が意外に高く、そもそも為替予想は難しいのでリスクが高い。年初に為替予想をする方々がいますが、まー当たらない。「来年の事を言えば鬼が笑う」とは、まさにこれだろう。
海外債権とか海外株式を単品購入するのもありでしたが、これも素人にはリスクが高すぎで、ミイラ取りがミイラになるのが目に見えている。
投資信託は儲からないと聞いていたので、一時保留。
運用について四苦八苦していた時出会ったのが、ジョン太郎 氏の著作「ど素人がはじめる投資信託の本 」でした。この著書を徹底的に読み込み、投資信託もやり方次第では十分に利益を出せる仕組みだと納得できました。
方針が決まったら投資の準備なのです、下調べを重ねていたことも、年を越して2011年に入っていました。
亀のように遅い歩みでしたが、そのようなことはお構いなし。
口座を開設した銀行に問い合わせをし、購入するべきファンド(投信信託の商品)を調べる。自分が納得できるまで調べていたのも事実ですが、投資に参入することへの不安が僕を躊躇させていた。リスクがある世界へ踏み出すのですから、当然のことです。
◇
そんなある日。
2011年3月11日が訪れた。
相場が軒並み崩れるなか、僕は過去の事例を思い出しました。
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件。
未曽有の大事件により暴落する相場、オフィスを失ったトレーダー達が対岸に用意されていた予備のオフィスへ向かう姿などを、NHKのドキュメンタリーで観た記憶があります。
……今回も恐らく同じことが起きる。
投資に参入するなら、今を置いてチャンスはない。
これが、僕が投資開始を決断した理由です。
今回のところは、この辺で。