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……そうだ、投資を始めよう!  作者: 大本営
長期投資あれこそ
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投資は入金力で決まる、について② 支出抑制~習慣的飲酒・煙草・博打~

 今回の御題も引き続き「入金力」です。


 入金力を高める方法は、大きく分けて二つ。

 収入増加と支出抑制。

 これに尽きます。


 収入増加はスキルアップか副業等で収入を得るかでしょう。転職するにしても個々人の才覚や自分のあった部署に配属されるかとか、運の要素に左右される領域です。一方で支出抑制は方針さえ決まれば、運や才覚に左右されません。必要なのは方針を決める決断力・洞察力と、方針をやり遂げる強い意志だけ、

 入金力改善で支出抑制が注目されがちなのは、これが理由でしょうね。


 偉そうなことを書いていますが、今回からの話しは僕の経験談です。




 支出抑制って言ったところで、大した理由ではないのだろう?



 これが少し違うのです。



 僕は学生時代に30代には個人書店を開業すると決意し、人生設計を描き、行動し、されど夢破れた人なのです。

 夢破れたといっても資金不足や事業の失敗とかそういうのではなく、Amazonのような通販が主流になり、個人書店は時流にそぐわなくなると察したから。夢とは実現するだけではなく継続できてこその夢。勝てぬ戦をしても仕方がないので夢は夢のままとなりましたが、開業資金として準備した金だけが残り、個人投資家の端くれが誕生しました。


 いくらなのかは想像にお任せしますが、コンビニ店長になるのに150万あればできるらしいので、少なくともそれ以上とだけお答えします。

 僕が語っていくことを実践すれば、20代で150万以上貯められなくもない――意志を通すことがあれば。




 というわけで、今回は僕がどのように支出抑制をしたのかについて語っていこうと思います。

 



 ◇

 

 

 支出抑制をする上で注意しようと決めたことが、4つあります。


 ①習慣的飲酒・煙草・博打

 ②車

 ③生命保険

 ④資金管理


 今回は、「酒・煙草・博打」について語っていきますね。




 習慣的飲酒・煙草・博打は人類が最も好む行為ですが――風俗もこれに加わるでしょうが、学生だった僕には想像もできなかったので今回は取り上げません――同時にもっとも身近な浪費行為ではないでしょうか。入金力改善に限らず家計見直しや人生見直しで、ほぼ必ず取り上げられるのは、それだけ打ち勝つのが難しい行為だからでしょう。



 そんなの誰でも思い付く!

 俺は大人になっても絶対にやらないぜ!!



 そう思う方。

 本当にできますか?



 あったりまえよ、俺は投資王になるんだ!!



 

 では様々なデータを元に、習慣的飲酒・煙草・博打に打ち勝つ難しさについて触れていきますね。


 ①

 厚生労働省のHPに「わが国の飲酒パターンとアルコール関連問題の推移」という資料で、年世代別習慣飲酒率というものがあります。

 平成元年 男性全体:51.5%、女性:6.3%

 令和元年 男性全体:33.9%、女性:8.8%


 僕が誓いを立てた年は平成元年に近いですが、この年では男性の51.5%が習慣に飲酒をしていました。

 51.5%はかなり高い数値です。



 ②

 国立がん研究センターのHPに「成人喫煙率の推移」というグラフが公開されています。

 1995年 男性全体:50%以上、女性:10%以上

 2018年 男性全体:30%未満、女性:10%未満


 僕が誓いを立てた年は1995年に近いですが、この年では男性の50%以上が喫煙をしていました。

 飲酒同様に50%です。


 ③

 日本リサーチセンターのHPに2022年6月15日作成された「公営競技・ギャンブルについての自主調査結果」という資料があります。

 対象者は日本全国の20〜69歳男⼥1,000人。

 厚生労働省や国立がん研究センターのデータに比べると、調査対象の規模が小さくなるので信頼性(失礼)は劣る気もしますが、興味深いデータがありました。

 公営競技・ギャンブル全体の、購入・遊技経験者は、回答者全体の44.1%だそうです。

 古いデータを見つけられなかったので比較が難しいですが、4割程度の成人男性はなんらかのギャンブル経験があることがわかります。



 ①~③のデータをまとめると、

 1990年代の習慣的飲酒・煙草・博打ギャンブルを全てしない確率は、以下のように算出できます


 男性:((1-0.515)×(1-0.5)×(1-0.441))×100=約13.56%

 女性:((1-0.063)×(1-0.12)×(1-0.441))×100=約46.09%

 ※10%以上というのを数値化しにくいので、この計算では12%としています。


 男性は女性の約3倍というのは、中々にインパクトのある数字ではないでしょうか?



 2020年代の習慣的飲酒・煙草・博打ギャンブルを全てしない確率は、以下のように算出されます。


 男性:((1-0.339)×(1-0.3)×(1-0.441))×100=25.87%

 女性:((1-0.088)×(1-0.08)×(1-0.441))×100=約46.90%

 ※10%未満というのを数値化しにくいので、この計算では8%としています。



 男性の確率は2倍程度に改善していますが、それでも全体の1/4しかいません。女性は若干悪化していますが、このくらいは誤差の範囲でしょう。データから導き出される結論は、男性の多くは習慣的飲酒・煙草・博打を断つことが困難であり、女性は抑制できる傾向があるようです。


 女性には女性なりの出費があるので一概に言えませんが、結婚した際に奥さんが家計を握る傾向にあるのは、このような数値が背景にあるのかもしれませんね。




 ◇


 習慣的飲酒・煙草・博打をしない難しさはご理解いただけたと思います。

 

 ここからは抑制した場合の効果について、データを元に検証していきますね。


 ①

 厚生労働省のHPに「わが国の飲酒パターンとアルコール関連問題の推移」という資料によると、成人一人当たりのアルコール消費量は、2019年度において78.2ℓだそうです。

 尚、どのアルコール飲料で接種したかは難しい問題です。

 平成元年の酒類販売数量推移においてビールが占める割合はぶっちぎりですが、近年はビールとリキュールの比率が大差なくなってきています。発泡酒や第三のビールもビールと定義するとビールが占める割合は大きくなりますが、税率が異なるので同一視するのは正しくない。

 

 ここでは成人一人当たりのアルコール消費金額を、全てスーパードライだったらと仮定して算出しました。



 アサヒ スーパードライ (24本)=6103円 (Amazon参照)

 500mL(1本の値段):6103円÷24本=約254.29円

 年間購入金額:254.29円×2本(1Lに修正)×78.2L(成人一人当たりのアルコール消費量)=約39,771.22円


 成人一人当たりのアルコール消費金額は、約39,771.22円になります。



 ②

 国立がん研究センターのHPの「全国 成人1日喫煙本数」によると、中央値は11~20本のようです。

 残念ながらこれだけでは消費金額の算出は難しい。

 とあるニコチン電子タバコ通販サイトで、「煙草のみ」「煙草とVAPE」「VAPE」を喫煙した場合の年間ランニングコストを算出していました。


 ※電子タバコとは、ニコチンやタールなどの有害物質を含まない水蒸気を電気を使って発生させて吸引するVAPEベイプと、火を使わずに電気でタバコを熱してニコチンを摂取する加熱式タバコがあるようで、2種類を総称して電子タバコと呼ぶようです。禁煙家の僕にはVAPEと加熱式タバコの違いが今ひとつ判断できないので、HPに掲載板されていた年間ランニングコストを元に計算することにしました。



 ●タバコ(1箱600円の場合)のランニングコスト

 1年間:18,000円×12カ月=216,000円


 ●タバコとVAPEを半分ずつにした場合のランニングコスト

 1ヵ月:600円×15箱+3500円(リキッド60ml)+コイル1000円=13,500円

 1年間:13,500円×12カ月=162,000円


 ●VAPEのランニングコスト

 1ヵ月:3500円(リキッド60ml)×2本+1,000円(消耗品のコイル)×2個=8,000円

 1年間:8,000円×12カ月=96,000円


 このなかでパターンを選択するかは難しいですので、国立がん研究センターのHPから「全国 成人の使用たばこ製品の種類(2019年)」参照します。


 全世代(男性):紙巻きたばこ 79.0%、加熱式たばこ 27.2%、その他1.0%

 全世代(女性):紙巻きたばこ 77.8%、加熱式たばこ 25.2%、その他2.2%


 紙巻きたばこを選択する人が圧倒的に多いようですが、世代別で調べると若い世代ほど加熱式たばこ使用率が50%近いようです。加熱式たばこをVAPEに当てはめて良いのか疑問が残りますが、すみませんが禁煙家の僕には違いが理解できません。多分コストに大した差はないだろうと判断して「タバコとVAPEを半分ずつにした場合のランニングコスト」の数値を選択、年間162,000円とします。



 ③

 一般社団法人中央社のHPによると、一回当たりの使用金額が公開されています。


 3千円未満:41.4%

 5千円未満:15.2%

 1万円未満:27.9%


 この数値は一回の金額なので、年間金額を読み取ることができません。

 そこで3000円を中央値と低くする代わり、毎月3000円と仮定します。


 月々のギャンブル使用金額:3,000円

 年間のギャンブル使用金額:3,000円 × 12ヶ月 = 36,000円



 習慣的飲酒、喫煙、ギャンブルで消費される金額は、次のように算出されます。


 飲酒の節約金額:39,772円

 喫煙の節約金額:162,000円

 ギャンブルの節約金額:36,000円

 合計:237,772円



 ◇



 習慣的飲酒、喫煙、ギャンブルを全てやめることができれば、年間約237,772円の経済的メリットを得ることができます。

 収入にもよりますが、一か月の給与に匹敵(あるいは多い)金額です。

 多くの方が指摘するように、この金額は資産形成や投資を通じて将来的な経済的安定に寄与するでしょう。



 しかし、これらの悪癖を単に経済的不合理として片づけて良いのでしょうか。



 おい、何が言いたい?

 年間約237,772円だぜ。

 無駄な消費じゃないか!!



 習慣的飲酒、喫煙、ギャンブルを肯定するわけではありませんが、2020年代においても男性の3/4がなんらかの行為をしている以上、多くの人々にとってストレス解消やガス抜きとして求められる手段であり、完全に断つことは精神的な健康に影響を及ぼす可能性にも目を向けなければいけません。

 人類はストレスや生理的欲求に贖えない有機生命体であり、AIやロボットのような合理性だけで判断できる無機物ではないのです。


 実際、偉そうなことを書いていますが、僕は宝くじを購入することをやれることができそうにありません。



 おいおい、宝くじはギャンブルか?


 

 以前も指摘しましたが、宝くじは勝者総取りのゲームなので立派なギャンブルです。

 学生だった頃の僕はこのことを知らず、安いからと気晴らしに夢を見る行為が習慣化しました。

 ギャンブルの出費する金額で3000円未満の比率が最も多いのは、恐らく宝くじをギャンブルに含めているからでしょぅ。




 以上のことから、僕は次のような提案をします。

 習慣的飲酒、喫煙、ギャンブルの悪癖のうち2つを断つことは、経済的合理性と精神的安定の両方を実現するためのバランスの取れたアプローチではないでしょうか。例えば、習慣的飲酒とギャンブルをやめ、喫煙を続ける、あるいは喫煙と習慣的飲酒をやめ、ギャンブル(低額)を続けるといった選択です。喫煙は経済的負担が最も大きく健康に悪影響を与えるので、個人的には辞めるべき悪癖として勧めますね。



 上記提案を実施すれば、年間で大きな経済的節約を達成しつつ、精神的なストレス解消手段を完全に失わずに済みます。



 悪癖を部分的に断つことは、健康的で経済的に豊かな生活を得るための現実的で実行可能な方法ではないでしょうか?

 男性が3つを振り払うことは、データ上は難しいのです。



 経済的なメリットを享受しながら、精神的な安定も保つことで、持続可能なライフスタイルを築くことができるでしょう。



 

 これから投資を考える学生の方々。

 僕の前提を踏まえた上で、「酒・煙草・博打には金を使わない」という誓いを立ててみてはいかがでしょうか?

 社会に出てから10年後。

 きっと効果を実感できるはずです。




 次回は「車」について語っていこうと思います。


 今回のところは、この辺で。


 では、では。

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