リバランス それは天国と地獄の分かれ目
こんにちは、大本営です。
今回は資産の再配分――リバランスについて語っていこうと思います。
リバランスとは資産配分を定期的に見直し調整することです。
RPG的に説明するならばステータス調整のようなもの。
どんな敵でも一撃必殺を狙える脳筋戦士(ハイリスクハイリターン投資)を目指していたのに、魔法(騰落局面)に弱いとか状態異常(コロナショック級の暴落)に耐えるために防御力(債権)にステータス(資金)を振り過ぎた。弱点を補うのはいいけど脳筋戦士(ハイリスクハイリターン投資)路線に戻すんだ!
こんな感じ。
リバランスは重要な戦略ですが、保有する金融資産のリターンが低下する可能性がある諸刃の剣でもあります。
RPGのステータス調整は失敗しても失うものは時間くらいですが、投資で失うのは時間と資金です。共に時間を失う点は同じですが、投資は一生の行為ですのでロスは痛すぎます。
そのせいもあるのでしょう。
あるアナリストの記事では「リバランスすることでリスクが低下するメリットはあるものの、長期投資の魅力である爆発的なパフォーマンスを達成するという目的ではリバランスを積極的にしない方が良さそう」と書かれていました。
この記事は実例を交えて指摘しているのですが、僕はあえて主張します。
リバランスは 諸刃の剣だけど、やはり必要なのだと。
今回は僕の実例を交えながら語っていきますね。
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最初に超有名な例を挙げますね、
投資の世界では神様のように崇められるウォーレン・バフェット氏は割安株の長期投資家で有名ですが、バフェット銘柄の1/3は1年以内に売却しているのです。一度保有することで長期保有に相応しいかを試しているという面もあるのでしょうが、長期保有に相応しいかは購入するまでは案外分からないものなのです。
ウォーレン・バフェット氏でも判断できないなら、俺達には尚更わからないじゃん!
だったらリバランスはしないほうが正解だよ!!
なるほど、それも一理あります。
残念ながらその考えは正しくないのです。
少なくとも債券投資においては。
あっ、と気付いた方は鋭い。
日本国債は市場で取引されているので、日本国債10年の年利回りはマーケットを確認できます。そのため債権も株式のように市場が絶対のように思いがちになりますが、国債のマーケットは中央銀行が定める金利政策にかなり左右されるのです。
最近の例では日本銀行総裁 植田和男氏が就任後の約140日間は、量的金融緩和政策の終止符に動かなかった例がそれにあたるでしょう。
植田総裁は量的緩和を直ぐに止めるだろうとマーケットは判断したため日本国債ファンドの基準価額は下落しますが、意外に動かないので上昇に転じています。
ところが 2023年7月~11月にかけてずるずる下落します。
市場はやっぱりマイナス金利政策解除するじゃね? と思いました。
ここでさらに潮目が変わり2024年1月中旬までの若干上昇します。正確には覚えていませんが、植田総裁が日本国債について直ぐに金利を上げないみたいなことを発言していたような。
結局、植田総裁が日銀マイナス金利政策を解除するのは2024年3月でした。
中央銀行の力が債券市場に大きな影響を持つ典型的な例で、マーケットは植田総裁に振り回されたともいえるでしょう。
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中央銀行の舵が逆方向に切られると――いや、切られる前に動きを予想しないと大火傷負います。
一度舵が逆転したら債権ファンドの基準価額は簡単には上昇しません。
みんな大好きeMAXIS Slimの国内債券インデックスですら右肩下がり。
信託報酬0.132%で純資産額が微増している状況でもこれなのです。
他人ごとみたい語っているけど、お前も日本国債ファンドを保有していただろ!!
僕は2024年3月以前の2023年12月頃に売り抜けたので、その後の下落によるダメージを最小限に抑えたのです。
もっと早く売り抜けたんじゃねぇ?
ご指摘は尤もですが、僕が日本国債ファンドを保有していたのは、このファンドがもつ圧倒的なダメージコントロール力を高く買っていたから。ですが高評価することとは、信奉することとイコールではありません。
「債券投資で分散投資をしよう(上) 債権投資が熱いと最近聞くけど、実際どうなの?」を執筆した2023年8月7日の時点で、出口戦略を練っていたのです。
日本国債ファンドを売却した資金は、2024年1月に新NISAの成長投資枠を使用してeMAXIS Slim先進国債券インデックスの購入資金に回しました。
つまり、リバランスしたのです。
日本国債→先進国債券へと。
eMAXIS Slim先進国債券インデックスは購入後に5.9%の上昇しましたが、日本国債ファンドを保有し続けていたらマイナスに転じていたかもしれません。
リバランスは年一回とか語られます。
僕も自分が保有する金融資産の見直しは定期的にしますが、見直すという事が即売買を意味しないのです。
そしてある時期に決めてかかる必要もありません。
債権投資ではマーケットだけではなく、中央銀行の動きと睨めっこが必要です。
年一回の4月にすればいいやと脳死投資(放置)をしていると凍死になりかねません。
それが債券投資なのです。
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最後の最後で脇道にそれますね。
「債券投資で分散投資をしよう(上) 債権投資が熱いと最近聞くけど、実際どうなの?」で、新興国債権ファンドにも触れました。
2023年8月7日の時点でリターンが2.85%と不満だけど、様子見する価値があるみたいなことを書きましたが覚えていますか?
塩浸けかよ! と思った方もいるかもしれません。
あの新興国債権ファンドのリターンは5.42%まで回復しました。
リターン低下や価値がマイナスになると切りたくなるのは人情です。
少しばかりリターンが悪化したとしても改善する見込みがあるときは、待ちの戦略を採用するとこういうこともあります。
リバランスをしないことも、また戦略なのです。
重要なことは市場や指数、そして中央銀行の動向を把握して自分なりの戦略や未来図を描くこと。
その未来図が、非現実的で独善的なものにならないこと。
それさえできればリバランスが不要なのか、あるいはいつすべきなのかは判断できるようになります。
今回のところは、この辺で。




