幕間2 コロナショックの渦中から~その弐~2020年3月14日時点
中国発のこのウィルスは、日本、韓国、イランに猛威を奮った後、今は欧州無双をしようとしています。
相場は下落に継ぐ下落。
もう酷いものです。
2019年にアメリカで利下げをした辺りから膨らんだ強烈なバブルは、いずれ崩壊したでしょう。今回の相場の動きを読めていたとは言いませんが、イギリスのEU離脱後の混乱を嫌って、僕は所有する株式ファンドを一つ手放していました。おかげで今回のダメージを多少抑えいます。
僕が意表を付かれたのは、EUで――いやイタリアであれほど呆気なく感染が広がるとは、正直予想していなかったから。。
海外ニュースを観ていると、イタリアで最初の感染者と思われる人物の行動ルートを、ある程度把握していたみたいなので、とっとと隔離していたと思ってました。
まさか、まさか、何をしていたんだイタ公は!
おっと、失言。
下手にニュースを観ていたことが、返って判断を鈍らせました。この読みの不味さが、リスク資産を手元に残している要因です。
正直反省。
どこまで下落するかは誰にも分かりませんが、市場委参加者がこれ以上下がらないと思うまでは下落するでしょうな。
◇
どこまで下落するかは不明ですが、心構えをしておくのは重要でしょう。
そこで、僕なりに甲乙丙丁の四段階でとらえようとしていました。
根拠は脆弱ですので、読み飛ばしてかまわないレベルです。それでも書くのは、当時僕が事態をどのようにとらえていたのか、記録として残したいから。
その程度の理由なので、流してくださいね。
指標とする市場は、ダウ平均株価。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが公表しているこの株価平均型株価指数は、指数対象の市場がニューヨークですから、大抵の株式ファンドの値動きに連動しています。この値がどこまで下がるかをみていれば、ある程度の底値も読めると考えたのです。
尚、比較対象は2020年2月14日につけた29398ドルになります。
甲シナリオ
比較対象から16%減、24815ドルまで下落。
24815ドルという数値は、2019年5月31日のダウ平均株価になります。
甲でも16%減なのかよ! と突っ込まれるかもしれませんが、2020年2月の相場はバブルの様相を呈していたので、コロナ云々がなくとも、相場が崩れるのは時間の問題だったと考えていました。
バブル開始時期を求めるのは難しいですが、直近なら2019年に開始されるFRBの利下げの前あたり。その前提でならば、直前の最安値は2019年5月31日の24815ドルであり、この数値から16%減を弾き出しました。
甲シナリオで済めば御の字でしたが、残念ながらこの程度では済みませんでしたね。
乙シナリオ
比較対象から24%減、22445ドルまで下落。
22445ドルという数値は、2018年12月21日のダウ平均株価になります。
米国トランプ大統領が、中国との関税云々で騒ぎ出したことに端を発した相場が下落した数字です。
近二年でもっとも低いダウ平均株価のもありますが、比較対象から24%減という微妙な数値というのも重視した理由です。
相場格言に「三割高下に向かえ」という格言があります。
相場が3割高か3割減のいずれかになったら、どうあろうとも利食い売りしようとする戦法です。
僕のような個人投資家や年金運用をしている機関は、これ以上下がったら無条件で市場から待避するポイントを決めています。「三割高下に向かえ」は、その数値が三割辺りが妥当だと示している。
コロナショックのような危機には適用しないとも言われますが、基準としては妥当でしょうね。
22445ドルという数値は、「三割高下に向かえ」が示す値に極めて近い。
この近辺で収まるなら文句はないので、乙シナリオとして挙げました。
2020年3月12日にトランプ大統領が動いたのも、この日のダウ平均株価が21200ドル――2020年2月14日比で28%減だったのも影響したのかもしれませんね。
丙シナリオ
比較対象から39%減、17888ドルまで下落。
17888ドルという数値は、2016年11月4日のダウ平均株価になります。
注目するニュースは2018年10月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想より低かったくらい。直前での大きなニュースは少ないにもかかわらず、2016年11月4日を注目しているのは、この日を境にダウ平均株価が上昇一辺倒になったからです。
バブル開始時期を設定するとしたら、2016年11月4日の17888ドルを指摘する方がいるかもしれません。
その辺の書籍は読まないので、よく分かりませんけど。
いずれにしても「三割高下に向かえ」で示す数値以下ですし、スタート地点に戻るとしたら、2016年11月4日の17888ドルは妥当な数値かもしれません。
丁シナリオ
比較対象から50%減、14699ドルまで下落。
いつを基準にしているのではなく、最悪50%減はありえると導き出しました。
リーマンショック時は相場に参加していないので何とも言えませんが、あの当時はこのくらいを落ち込みましたからね。
現在は乙シナリオが進行しており、これ以上の悪化を押さえるべく各国政府等が施策を打っているようです。
金融政策そのものは機能していますが、コロナウィルスは欧州の実体経済へ深刻なダメージを与えようとしています。利己主義者が多い欧州が、利他主義者が多い日本や、独裁的手法が可能だった中国と同じように、隔離措置を徹底させて封じ込めるられるか正直不安です。
でも、そうなってくれないと市場は丁シナリオへと陥るでしょう。
この4シナリオを元に、僕は市場への再攻勢時期を見極めようとしています。
今回のところは、この辺で。