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……そうだ、投資を始めよう!  作者: 大本営
長期投資あれこそ
47/68

債券投資で分散投資をしよう(上) 債権投資が熱いと最近聞くけど、実際どうなの?

 こんにちは、大本営です。


 分散投資では株式と債券を組み合わせる手法は有名です。

 事あるごとに債権容姿の重要性を発信してきた僕としては、こちらこそが主戦場。

 今回は債券投資家として、「債権投資が熱いと最近聞くけど、実際どうなの?」と題して、色々語っていきたいと思います。



 ニュースとかで債権投資はなにかと話題になりますよね。債権はいまが買いときだ! とかやたら話題になるけど、仕組債で損失を被ったとかレディ・スイスのAT1債が無価値になったあるので、怖くて手がだせない。



 お前、ことあるごとに債券投資の重要性を語ってきただろ?

 実際のところ、どうなんだ?



 多分、こんなふうに思われている方が一定数いるのではないでしょうか。

 あるいは、このような疑問を持つ方もいるかもしれません。



 債権投資はリターンが大きくないから、コストがかかる投資信託を利用するのは、利用するのは止めたほうが良いと聞くけど実際どうなの?



 このようなご質問を受けたわけではないですが、当然抱くであろう点について分かる範囲で筆をとっていこうと思います。



 ◇



 書籍やらYouTubeなどで債権とは何かを語り、債権を組み合わせやアセットクラスを紹介しています。ここまでは良いのですが、そこから先の債権ファンドの説明になると急に歯切れが悪くなるようです。あの株式ファンドは良いかとか、自分はこうやって利益を上げたとか紹介していても、詳しく聞いていれば債権を組み合わせていない、またはほとんど債権を組み合わせていない方がほとんどのような。

 正直株式ファンドはともかく、債権ファンドについては発信している方はほとんど見かけません。

 たまに見かけますとしても、それは個別の債権とかETFだったり。

 投資信託の債権ファンドについて発信する方は、ほぼ皆無といってよいでしょう。


 個人的には毎月分配型で売れに売れまくったのが、債権ファンドだったから要因ではないか? と考えています。


 毎月分配型→悪→債権ファンド→儲からねぇ!

 みたいな。






 最初に結論を申しますと、投資信託を利用した債券投資でも、それなりの利益を得られます。

 個別で債権を購入した方がリターンが大きいケースもあるでしょう。それは事実ですが、債権投資は金利の影響をもろに受ける商品です。目を離していると予想外の損失が発生することもあり得るので、

 複数の債権と組み合わせる戦略は有効ですが、個人投資家はそこまで資金を投入する難しい。

 そういう意味で投資信託を利用した債券投資は、個人的には有効だと思っています。

 

 債券投資のリターンはある程度固定しているから、投信信託を利用することによるコストは無駄じゃね? という意見も一理ありますけどね。

 

 どのように判断するかは投資家個人に判断をお任せしましょう。



 

 債権ファンドは儲からねぇ! という意見があるのは事実なので、参考までに僕が利用している債権ファンドの6月末時点の運用状況を一部公開しますね。広告目的とか誤解されたくないので、具体的なファンド名は匿名とさせてください。





 ①日本国の債権のみを投資対象にしたファンド

 運用期間:8年

 リターン(分配利回り込み)/年:1.05%

 運用債権:投資適格債



 ②日本を除く債権を投資対象にしたファンド

 運用期間:12年

 リターン(分配利回り込み)/年:3.78%

 運用債権:投資適格債



 ③米国債のみを投資対象にしたファンド(為替ヘッジなし)

 運用期間:3年

 リターン(分配利回り込み)/年:4.77%

 運用債権:投資適格債



 ④先進国以外の米ドル建債権を投資対象にしたファンド

 運用期間:4年

 リターン(分配利回り込み)/年:2.85%

 運用債権:投機的格付債



 上記4ファンドを順追って解説していきます。





 ①日本国の債権のみを投資対象にしたファンド


 一目瞭然だと思いますが、日本国の国債を扱ったファンドは大したリターンを生み出しません。それでも貯金や個人向け国債を購入するよりはマシとレベルは確保しています。

 YouTube辺りならば、この手の商品を購入する奴は、効率性を無視した馬鹿だと馬鹿にされるかもしれません。


 効率性だけを評価するならば、その指摘は妥当なものです。


 ①ファンドの真価は、圧倒的なダメージコントロール力にあります。

 コロナショックなどの急落場面で、他のファンが凄まじいほどの値崩れ最中、身じろぎもしませんでした。

 流石、日本国債ファンドです。

 投資家の真価は上昇局面よりも下落局面でこそ試されます。

 下落局面で動揺のあまり急いで売却したり、相場の急変に呆然として新規購入の機会を逸する。そのような事態を回避するには、市場の動揺に強いアセットクラスは絶対的な武器であり防具。


 大したリターンを生み出しませんが、僕はリターンは株式ファンドで稼ぎ出すと割り切っているので気にしてません。

 気にしていたら、そもそもこのようなファンドは購入できませんよ。

 ただし僕が購入したのは①ファンドの価値が落ちていたときであり、現状で同じようなファンドを購入するのが適切なのかは何とも言えませんね。





 ②日本を除く債権を投資対象にしたファンド


 多分多くの方が知りたいのは、この手の外国債券ファンドの運用実績を知りたいのではないでしょうか?


 投資適格格付とはBBB以上の格付けを持つ債権のことで、債務不履行デフォルトリスクの低い債券で構成されています。このファンドではBBBの比率は13%程度で、それ以外はA以上で構成されています。かなり安全重視のファンドですが、それでも3.78%程度のリターンを叩き出していますね。


 ちなみに過去に売れに売れまくって一時代を築いた、某外国債権ファンドではありません。

 某外国債権ファンドのリターンは約2.7%ですが、②ファンドは1%程度高いリターンです。


 なぜこれほどリターンに差が生じているかと言えば、このファンドは日本の債権を含まないからでしょう。②ファンドは①ファンドとの差別化を図るために探し出した面もありますが、より高いリターンを期待したという面もあります。


 債権はリターンが低いため、構成の違いで大きな違いを発生させます。

 外国債券ファンドを購入するときは、事前に交付目論見書や月報などでを十分に確認しましょう。





 ③米国債のみを投資対象にしたファンド(為替ヘッジなし)


 このファンドにはコロナショック直前に購入しました。

 特徴としては投資適格格付で構成されていますが、②ファンドと異なり全てAAAで構成されています。

 投資格付が全てAAAというのがどれだけ凄まじいかの一例を示すとしたら、コロナショックによる市場が急降下局面が最もふさわしいでしょう。あのときはほぼすべての商品が下落しましたが、③ファンドは価値が上昇した数少ない商品でした。


 あの状況で、ですよ?!


 同様の値動きをしたのは、金だけだった筈です。

 日本国債ですら僅かに値下がりました。



 米国債権と日本国債の違いは、中央銀行であるの金利スタンスでしょう。

 日本の中央銀行である日本銀行は、ゼロ金利政策を維持しています。一方で米国の中央銀行にあたるFRBは、割と頻繁に金利を変更します。

 ここで注意するべきなのは、金利の上下は債権価値も上下させるという点。


 復習になりますが、金利の上昇は債権価値を下落させます。

 それは金利が上昇すると、支払われるクーポンが上昇するからです。金利の上昇前の債権=クーポンが低い という図式になるので、そのような債権の価値は下落します。


 つまりゼロ金利政策を維持している日本国債の価値は上下しにくいのに対して、割と頻繁に金利を変更する米国債権は価値が上下します。そのため購入時は金利がどのような動きをしているのかを、きちんと把握した方が無難でしょう。



 あと注意が必要なのが、このファンドが為替ヘッジなしという点です。

 米国債権ファンドに限った話ではないですが、外債ファンドは為替ヘッジが不要であるとの指摘を見かけます。その理由はコストが発生するから。為替ヘッジが不要という点には同意しますが、僕は別の理由からが為替ヘッジは不要だと判断しています。

 為替ヘッジをしないことにより、日米の金利変化発生時の為替差益が得られるから。米国の金利が上昇すれば、ゼロ金利の日本とは金利差が生まれて、円安の方向に動きやすくなります。

 

 円安=ドル高=米国債権の円ベースでの価値上昇


 単純化すると、このような構図になります。

 これはつまり金利上昇による米国債権価値の目減りを、ある程度補填してくれます。


 だったら、為替ヘッジをする必要性はなくね? と僕個人は思うのですよ。


 いずれにしても、債権ファンドを購入するなら「ヘッジなしを選べ」と指摘されるのは、十分意味があるでしょう。



 ③ファンドの運用期間は3年と低いですが、4.77%と結構高いリターンです。

 この数字は出来の悪い株式ファンドや、大抵のバランスファンドよりも高い数値でしょう。米国債権を扱ったETFならばもっと高い数値を狙えるでしょうが、まあ投資信託なのでこの程度です。

 リスクという点では②ファンドよりも優れて、リターンでは①ファンドよりも優れている。

 ある種の万能型とも言えますが、債権ファンドはリターンに上限があるので過大評価をすべきではないでしょう。


 米国債権投資を考えている方がいるとした、注意点が一つあります。


 米国への債券投資は、大きく分けると国債と社債の二通りが存在しますが、社債はハイイルードと呼ばれる投機的格付債のファンドが大半な気がします。

 ハイイルードなんちゃら、とかいう商品です。

 あの手の商品を否定はしません。

 米国債権投資で安定度を求めたつもりが、気が付いたらハイイルード商品ばかりを選択していた、なんてことがないようにしてください。


 ※公社債もありますが、この話しをすると長くなりすぎますので割愛させてください。





 ④先進国以外の米ドル建債権を投資対象にしたファンド


 投機的格付債で構成されているこのファンドのリターンは、現時点において2.85%です。リスクを冒したわりに物足りない数値ですが新興国を扱った債権ファンドは、どこも多かれ少なかれコロナショックの影響をもろに受けています。そのためリターンが低くなってしまいました。

 時期が良ければ5%そこそこのリターンを得られるのですが、購入時期が悪かったのかこの程度の数値です。2.85%という数値は不満なのですが、現状様子見するしかありません。


 塩浸けかよ! 


 ご指摘はもっとです。

 ただ現在債権ファンドもどこも価値を上昇している傾向にあります。このファンドも例にもれず改善していますので、とりあえず様子見しています。




 今回はこの辺にして、次回「債券投資で分散投資をしよう(下)」で合いましょう。

 では、では。


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