地域の分散をしよう (上)
投資の醍醐味はファンド選び!
投資で利益を得るのも嬉しいですし楽しみですが、ファンド選びをしている瞬間こそ一番楽しい気がします。
じゃあ、なんでファンド選びの話題を今までしていなかったか?
それはファンド選びが楽しすぎるからです。
あれもこれも調べるのが楽しすぎて、最初に決めた運用目標やアセットクラスを忘れていた。その手の罠に陥りがちなのが、ファンド選びなのです。
おいおい、そこまでバカにするなよ!
いやいや、これがそうも言えないのです。
ファンド選びの参考にするため、書籍とかやYouTubeとかを確認しますよね。
これらが弊害を助長させます。
試しに書店に行くか、YouTubeとかの動画を確認してください。
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この手のタイトルが目に入る筈です。
ああ、こういう考えもあるのね――と思って参考にしてたら、選び終えたファンドは最初に決めた運用目標やアセットクラスになっていたということは、十分にありえます。
投資初心者には百害あって一利なしのようなタイトルが、やたら目につくのは、これらが注目を浴びやすい話題だから。
それだけファンド選びは楽しすぎるのです。
この手の動画や書籍を否定はしませんが、投資初心者が最初に参考するのは避けた方がいいでしょう。なぜなら貴方が決めた運用目標やアセットクラスは、貴方のものであり、この手の参考資料が提示するものは、この手の参考資料が決めた運用目標やアセットクラスを元に提示しています。
つまり貴方と前提基準が一致するかは不明なのです。
お勧めの商品を選んでいたら、最初に決めたアセットクラスと違って株式ファンドだけになっていたとか、意図せずレバレッジ商品を購入していたなんて発生しかねません。
◇
ファンド選択から運用目標やアセットクラスを組み立てることは、戦術を決めてから戦略を決めるようなもので、行き当たりばったりも良いところ。
これは投資初心者に限らず、だれでも陥りやすい罠です。
そのような罠に誘導しかねないので、いままではファンド選びの話題を避けてきました。
運用目標やアセットクラスに従ってポートフォリオを組むときは、分散投資がなによりも重要な要素でしょう。分散投資とは商品の分散、時間の分散、そして地域の分散の三つ――通貨の分散も含めれば4つですが、こちらは複雑なので今回は無視します。
商品の分散と時間の分散は聞いてきたけど、地域の分散は初めて出てきたよね?
その通りです。
今回の話題は、地域の分散の話しです。
地域の分散とは投資対象を同じ地域に限定しない――例えば米国とかインド一択を避けることで、リスクを避ける効率的にリターンを得る手法です。最近の国際情勢はなにかと物騒ですので、地政学的リスクを避けるという意味もあるでしょう。
最近の例ではロシアに関する商品がそれに当たります。
2022年2月のウクライナ侵攻を境に、ロシア単独の商品基準価額が1/10に暴落しました。 ロシア単独だけに投資する人はいないと思いますが、もしいたとしたら目も当てられない損失でしょう。このようなリスクを避けるために、地域の分散は有効な手法なのです。
地域の分散をするためには、交付目論見書に記載されている「資産構成国比率」を確認するのがよいでしょう。というか、絶対確認するべきです。
信託報酬とか運用実績とか償還日とかも重要ですが、その次でも問題ないでしょう。
えっ、そっちの方が重要じゃん?!
そう思いますよね。
無理もありません。
地域の分散を考えてから、信託報酬とか運用実績とか償還日を調べても遅くありません。
詳しい話しは、次回「地域の分散をしよう (下)」でしますね。
今回のところは、この辺で。




