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……そうだ、投資を始めよう!  作者: 大本営
長期投資あれこそ
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②投資ファンドの選択ミス

 今回は長期投資が上手くいかない理由の②「投資ファンドの選択ミス」について、筆をとっていきます。


 前にも書きましたが、投資において重要なのは運用目標です。

 運用目標が決まってから、アセットアロケーション(資産配分)が決まり、その後にポートフォリオ(資産配分の内訳)が決まります。アセットアロケーションとポートフォリオに従って投資ファンドを選択するのであって、投資ファンドを決めてからアセットアロケーションとポートフォリオを決めるのではありません。これは投資の基本だと思うのですが案外忘れがち。

 儲かる投資、駄目な投資とかを謳い文句をよく見かけますが、あれは間違ってないけど色々ズレているのです。重要なことは自分が決めたアセットアロケーションとポートフォリオに対して、投資ファンドが基準を満たしているか。



 極論をいえばこれに尽きます。 



 とはいえ、投資ファンドの選択をしなければ開始できません。

 残念なことですが、投資ファンドにもあまり質が良くないものはあります。

 そこそこの利益を生み出すけど利益を得られる期間は20~30年も続かないので、どこかで売買が必要になる。


 そんな商品。


 僕が思うに購入を避けたほうが良い思うのは次の二つ。


 ①テーマ型商品

 ②販売から3年程度経過していない商品。


 ファンドラップとかレバレッジとか毎月分配とかは、他の方が散々指摘していますので、今回はあえて触れないことをご理解ください。



 ◇



 では、まずはテーマ型商品から。

 一時流行ったブラジルとかベトナム投資とかです。

 マスメディアがこれからの時代はこれだ! みたいに煽りに煽るのをみたことないですか?

 マスメディアは投資対象としてこれら売り込みませんが、世の中の雰囲気を創り出すことで、列車に乗り遅れるな!と錯覚させます。質が悪いのはブームが過ぎたら、別の話題にすり替えて「次の駅はこれだ!」 と、新たな熱狂を生み出すのです。これをマネートレインと言うらしい。

 最近なら恐らくAIとかSDGsとかエコとか付いているのも、これにあたるでしょう。


 テーマ型商品の利点は分かりやすさ。

 S&P500とか聞いても投資対象がなにかは理解できませんが、SDGsとかエコとか聞いたら、社会の波に自分も乗り遅れていないと思ってしまう。或いは社会献できていると思ってしまう。

 勘違いです。

 テーマ型商品は分かりやすいがゆえに、悪く言えば錯覚を利用しています。


 テーマ型商品は短期的には上昇しやすい傾向にありますが、長期的に見れば長続きしないようです。

 理由は投資対象の企業や業種が限定されるから。

 テーマが限定されているのですから、当然ですよね。


 テーマ型商品が短期的に上昇しやすいのは、投資家が資金を流入させる(購入する)のと、投資対象の業績に影響を受けやすいのでしょう。

 積み立て投資で人気のS&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場および登録されている銘柄の中から、市場や業種などを勘案して選ばれた500銘柄の指数です。S&P500は500企業ものデータを活用しているのに対して、テーマ型はそこまで多くの企業を含みません。数が少ないから落差も大きく、上がるときは上がるけど、下がるときは下がりやすい。業種が地域が限定されるのも痛いらしい。


 単純化すると、次のようなスパイラルにはまるのだろうな。

 わかりやすい→投資家が購入しやすい→対象企業に資金が流入する→株価が上昇する→資産価値が上昇するので基準価額が上昇する。



 テーマ型を購入するのでしたら投資期間は2~5年と割り切って、タイミングを見計らって売り抜ける覚悟が必要です。これは僕の実体験ですが、10数年前はブラジル債権が高金利で人気だったこともあり、投資初心者の僕も手を出しました。最初は好調だったのですが、ある段階から右肩下がりに切り替わったのです。僕は3年程度で見切ることができたので、プラス収支で売り逃げることができました。あのまま保有した人は損失を被ったか、損切りをしたのではないかな。


 投資期間が2~5年ですから、長期投資である20~30年より期間が断然短くなります。

 


 分かりやすくて良いじゃん!

 投資期間が2~5年ということは、波にのれば比較的短期間に儲けられるのだろう?

 俺のアセットアロケーションとポートフォリオに合ってるから問題なし!!



 と思われる方もいるかもしれない。

 テーマ型には案外指摘されない弱点、それも最大の弱点があることを忘れてはいけません。

 テーマ型で利益を上げるために、マネートレインに乗り遅れないように、売買を繰り返す必要があります。売買を繰り返す、これが弱点なのです。売買をするということは税金の支払いが頻繁に発生することを意味します。

 投資で利益を上げるにはコストを減らすことが重要です。

 様々な手数料を絶対悪と指摘する投資本やユーチューバーの方々が指摘するのは、コストは利益を減らすから。

 マネートレインに乗り遅れないように売買を繰り返さなければいけないテーマ型は、この点で他の投資ファンドに劣るのです。僕がテーマ型は長期投資には向かないと主張するのも、ご理解いただけるしょう。



 ……ただテーマ型がすべてダメかというと、ちょっとこれも言い切れない。

 はっきりしないと怒られるのですが、事実だから仕方がない。


 これは実体験ですが10数年前にBRICsが流行ったとき、僕はブラジル債権とインド株を購入しました。

 前々回で失敗した、と告白したあれです。

 下手なことして途中で売却せず、保有を続けていたら150%以上の利益を生み出したでしょう。

 インドは10年前よりも経済規模が大きくなりました。

 インドのGDPや成長性を考えればインド株をテーマ型と分類するかは微妙なのですが、少なくとも10数年前においてはテーマ型と位置づけられるでしょう。

 テーマ型の投資期間は2~5年と書きましたが、インド株の例を鑑みれば絶対とは言い切れないのです。


 テーマ型は上がり下がりの強いジェットコースターのような商品です。

 10数年前のインド株のように成功こともありえますが、それはジェットコースターに耐えられる心臓があればの話し。投資初心者であった、あの頃の僕には耐えられませんでした。第二のインド株を目指して購入するな! とまではいいませんが、男らしいくわかりやすさ重視でテーマ型一本勝負! だけは絶対してはいけません。

 やるのでしたら他の投資と組み合わせた上で、ポートフォリオのアクセントとしてする程度に抑えるべきでしょう。



 ◇



 販売から3年程度経過していない商品、これも地雷案件でしょう。

 投資信託の販売は基準価額10,000円から始まるのが一般なのだけど(そうでないケースもあるでしょうけど)、販売から間もない商品は基準価額が上昇しやすいようです。理由は不明ですが、新商品なので販売会社が営業に力を入れるのと、新商品の名に客が飛びつきやすいのでしょう。

 結果、騰落率(基準価額が何パーセント上昇したかを表す指標)やシャープ・レシオ(超過リターンを表す指数)などの指数が、商品の実態よりも良い値が生まれやすい。


 投資ファンドを選ぶときランキングとか確認する方いますよね。

 あれです。

 ランキングなんてあんまり意味がない(人によっては無価値と言い切る方もいます)のですが、なにを指標にしたらいいか分からないから、ついつい確認してしまうのは人情です。


 あれっ、良さそうじゃないか?

 チャートをみれば機銃価額も上昇しているし、良い商品かも?


 それ、罠です。


 チャートへ最初に表示されるのは一年間の値動きであり、選択しなければ3年とか全期間に切り替わりません。少なくとも僕が契約しているところは、5年とかがデフォじゃないですね。

 設定日を確認すれば販売開始がいつなのか一目瞭然なのでが、償還日と同様に最初にここを確認する方は多くないでしょう。

 手数料が安いファンド=良いファンド という図式が広がりすぎたのも、悪意影響を与えているのかなぁ。


 販売から3年程度経過していない商品は、アッという間に基準価額120000~15000円とかなったりします。

 上手く波にのれば1年程度で20~50%も夢でないのですが、同じようなことを考える方も多いのか、ある時期を境に純資産額が低下します。

 純資産額が低下するという事は、売却速度が購入速度を超えたことを意味します。

 つまりどうなるかというと、基準価額が低下するのです。


 順調にみえたファンドで急に基準価額が低下するチャートを目にすると思いますが、純資産額も低下しているはずです。販売から2年足らず株価低迷がするとも思えませんから、多分この理屈でしょう。

 このようなケースが発生し得るので、販売から3年程度経過していない商品は避けた方が無難なのです。


 じゃあ、なんでこんな風に販売が増加するかと言えば、開幕ダッシュを狙う方が多いのか、あるいは新商品なので販売強化しているのかと、新商品という単語に飛びつく人情なのでしょう。


 他にも多くの商品があるのに、あえて火中の栗を拾うことを僕は勧めませんね。





 ここで思った方いませんか?

 じゃあ、なんで3年なんだよ、と。



 それはコロナによるパンデミックが2020年だからです。

 


 投資とコロナに何の関係があるのか?


 

 僕言わせれば大ありです。

 コロナショックによりニューヨークダウは2/3の価値まで下落しました。あまりの衝撃に金融危機を恐れた各国は過剰なくらいの資金をばら撒き、その金は金融市場へ雪崩れ込みました。恐るべき資金の流入は急激な株式上昇を生み出す。

 僕達投資家は、そのような世界に生きています。

 

 販売から3年を経過していない商品とは、コロナショックによる金融の大激変を経験していない商品なのです。コロナショックを潜り抜けた商品は、底値や実力があぶり出されました。ニューヨークダウが2/3に目減りしたことと比較すれば、その商品が急激な変化に強いかを判断できます。或いは急激な株式上昇よりも基準価額がよくなった商品は、高いパフォーマンスを秘めた商品だともいえます。


 コロナショックは投資ファンドの実力を炙り出しました。

 コロナショック匹敵する衝撃はリーマンショックくらいでしょう。

 10年に一度あるかないかの実力大公開があったのに、それでも実力不明の商品を選択するの?

 これが僕が3年を重視する理由です。


 選択ミスの話題から外れるのですが、個人的には重要だと思うのでチョコだけ書いてみました。




 今回のところ、この辺で。

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