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……そうだ、投資を始めよう!  作者: 大本営
投資で利益を上げてみよう
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利益を逃がさないには、必要な情報を把握することが重要だと思う

 複利と単利を振り返ってきましたが、それを投資に組み合わせるのは案外難しいみたいですね。

 僕自身最適な手法がイマイチわかってませんが、色々経験した結果で言えるのは、基準価額が上昇し続けてるファンドに投資するのが重要らしい。

 それが前回までの話し。


 「おい、お前。その程度理解で本当に利益を上げているのか?」


 そう思ったかもしれません。

 この程度の理解でも利益を上げているのは、投資状況をある程度正しく把握してきたからでしょうね。


 ああ、ネットバンクで提供しているやつね。


 それじゃない。

 ネットバンクの残高照会で表示されるのは、個別元本、基準価額、保有口数、受取金額累計、評価損益。

 ここまで。

 投資利益率、損益分岐点、利回りの情報は提供されてないのです。ここが重要だと思うけど、僕が契約している2つのネットバンクでいずれも抜けています。残高照会で表示内容される内容だから間違いじゃないけど、正直不親切だと思う。

 そう思いません?

 僕個人は、必須の情報だと思う。

 そこまで主張する理由は、この情報を知らなければ利益確定するタイミングを正しく判断できないからです。


 利益確定するタイミングは非常に難しく、漫画「インベスターZ」では次のように語られています。

 ベテラン投資家は、「利益確定の価格を買値から+20%上に設定する」「損切りの価格を買値から-10%下に設定する」

 投資初心者は、「利益確定の価格を買値から+10%上に設定する」「損切りの価格を買値から-5%下に設定する」

 買値から+20%とか-10%は、投資利益率のことです。


「ああ、なるほどね。インベスターZの真似して、投資利益率が重要だと主張しているのか」


 そこでもないです。

 問題なのは、残高照会のどこをみても、投資利益率の情報が分からない点。僕が利用する2つのネットバンクだけが問題なのかと疑い、投資計算ツールとか調べましたが、今一つ僕が欲しいものが見つからない。金融電卓という便利なツールはあるのですが、これは目標利回りを調べるのが目的であって、現状を把握するためのツールじゃないんですよね。


 どうやら自分で計算しろってことらしい。

 投資利益率、英語表記「Return on Investment」の略でROIの計算式は、

 投資利益率=利益/投資額×100 %


「なんだ、簡単じゃないか。そんな簡単なことを問題視しているか?」


 投資対象が1~2つならまだしも、増えてくれば一々計算するの面倒ですよね。ぱっと見て確認できれば、利益確定が必要なのか判断するのも気になりませんが、一々計算してたら次の思考に移るのも面倒。

 そこも問題なのです。


 自分の投資対象に問題があるのか、直ぐに判断できる情報がなければ、折角の利益をまもれません。僕が曲がりなりにも利益を上げられているのは、次の二点が大きかった気がします。


 ①債権重視のポートフォリオなので利回りは大きくないが、豪債権一点集中みたいな極端なの設計をしていない。

 ②残高照会だけでは現状分析するのは情報が不足しているので、投資利益率などを計算するExcelを最初から組んでいた。


 これにより市場の大きな変化を受け止められたし、売却のタイミングを見誤らなかったのだと思う。

 やっぱり、情報って重要ですよね。


 ◇


「利益確定の価格を買値から+20%上に設定する」

「損切りの価格を買値から-10%下に設定する」


 インベスターZで語られるこのルール。

 僕個人はこのルールを機械的に適用するのは、正直疑問がありますね。

 

「お前、インベスターZに疑義を呈するのか、表に出ろ!」


 いえいえ、インベスターZで主に行われているのは短期の売買――つまり投機です。一方僕らが行おうとしているのは、中長期保有を目的にしている投資です。投機と投資は似て非なるものであり、住む世界が異なります。投機の世界では効果的であっても、投資の世界でも効果的だとは言えないと思います。


 例を挙げましょう。

 Aさんは、世界株式投資を目的にしたインデックスファンドを、2年間保有しています。

 10000円で購入した商品は、基準価額20%上昇したので12000円です。

 投資利益率を計算すると、(12000-10000)÷ 20000×100=20%


 投資利益率が20%になったので、これを機械的に売却するのか?という話し。

 一概には言えないけど、この商品を売却するのはどうかと僕は思う。

 その理由は、利回りが良いから。


 利回りとは、投資した金額に対する収益の割合で、一年間の年利利回りこと。

 Aさんが保有する商品の利回りは、次の計算式で分かります。

 売却益÷投資原本÷運用期間×100

 2000÷10000÷2×100=10%(利回り)


 尚、同じ条件を先ほど紹介した金融電卓で計算すると、利回りは9.6%でした(汗)――多少違うけど、ざっくりあっている。株式ファンドの市場平均は5~9%程度らしいので、Aさんが保有する商品は市場平均を下回っていません。


 これを売却売するの?

 十分及第点なのに?


 頻繁に売買しても喜ぶのは税金を得られる政府と、購入手数料を得られる証券会社。

 僕達は売却益を得られるかもしれせんが、その行為により無駄なリスクと手数料や税金を支払っていないでしょうか。

 他にもっと良い商品を見つけたとしてもです。

 売却益に対して課税も考慮すれば、僕は保有し続ける方が得策な気がしてなりません。

 仮に売却するのなら、利回りが6%程度に下落してもいいんじゃないかな。損益分岐点を把握していれば、最悪損失が発生するよりずっと前に売却可能だと思う。


 株式、債権、リート、バランス型などは、それぞれ期待される利回りが異なります。

 期待する利回りを維持ないし越えているのなら、投資利益率が10~20%に達しても機械的に売却する必要はあるでしょうか?


「わかった。投資利益率だけじゃなくて、利回りと損益分岐点も確認するぜ!」


 そう、ここがまた問題なのです。

 残高照会を確認しても、投資対象の利回りや損益分岐点を把握できないのです――少なくとも僕は。


 ◇


 締めに入りますね。


 投資において商品選択と購入は難しいですが、それ以上に難しいのが売却のタイミングです。

 誰しも利益を得たいですし、少なくとも損失を負いたくありません。

 心理的な葛藤があるため売却は難しいのですが、それ以前に現状把握できていなければ、正しい判断はできないでしょう。

 貴方が利用している取引相手は、その情報を提供しているでしょうか?

 僕は提供を受けていないので、自作しました(泣)


 あっ、「投資利益率」「損益分岐点」「利回り」の情報を取得できる環境がある方は、問題ないと思いますよ。


 今回のところ、この辺で。

 では、では。 

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