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……そうだ、投資を始めよう!  作者: 大本営
投資で利益を上げてみよう
30/68

投資信託における単利と複利の関係 その弌

 前回は単利と複利の例を紹介することで、金利の高い銀行を探すことのメリットを紹介しました。

 たかが預金、されど預金、預金侮るなかれです。

 今回は、その応用編。

 投信信託における単利と複利です。


 単利と複利って、預金に話しじゃないの?


 投信信託商品にも、単利と複利は関係があります。投資信託で利益を得る方法――売却、基準価額上昇、分配金受取、分配金再投資――を確認していくと、その理由が理解しやすいでしょう。 


 売却は単純に、投資信託商品を売ることです。

 売却価格は売却手続き日の基準価額によって決まるので注意が必要でしょう。

 保有している資産で利益が発生しているところで売却することを、「利益確定売り」といいます。確定と呼ばれる理由は、売却により市場から手を引いたので、これ以上損益が発生しないからです。逆説的ですが、以降の市場で急騰が発生しても、売却時点以上の利益は得られません。

 当たり前といえば当たり前の理屈ですが、警告しておかないと「騙された!」と罵声を浴びかねないので念のため。


 基準価額上昇は、所有するファンドの価額が値上がりすることです。

 一万円で購入したファンドが二万円に上昇すれば、現時点では利益が出ていると言えますね。

 現時点での利益という点が、凄く重要です。

「利益確定売り」が発生していませんから、手元にはお金が入ってきません。

 当たり前だけど、結構忘れがち。

 あくまで現時点での価値に過ぎないので、急騰することもあれば騰落することもあります。


「10万円得していたはずなのに、いつの間にか20万円損をしていた?! くそっ、騙された―!!」


 このような話しを間々聞きますが、その人は基準価額を誤解しているのです。

 ここでの損益は、利益(仮)と理解されるのが良いかも。

 基準価額ってなに? と思われるかもしれませんが、この話しは結構奥が深いので保留にしてください。今のところは投資信託の価値を決めている値段と理解すれば問題ありませんよ。


 残りは、分配金受取、分配金再投資。

 ここからが本題、「単利と複利」に関係があります。

 購入時に選択可能なファンドが多いのですが、この二つの特徴を知らないまま投資を開始してはいけません。


 分配金受取って、あれでしょ。

 毎月決済型でやる、毎月お金を受け取るやつだよね。

 毎月決済型は効率悪いと聞いたので、俺は回避したから関係ないよね。


 いいえ、違いです。

 誤解しがちですが、毎月だろうが一年だろうが、分配金受取、分配金再投資は発生します。

 例外があるとすれば、基準価額の上昇を重視して分配金の配当をしないファンドでしょう。配当をまったくしませんから、ファンドに利益が蓄積し続けるので基準価額が高騰しやすい特徴があります。


 少し脱線しますが、上記の前提を踏まえてファンドを選ぶ際の注意点を挙げますね。


 ①決算日はいつなのか?

 ②分配金はあるのか、ないのか?

 ③基準価額は上昇しているのか?


 最も地雷なのは、分配金は大きいけど基準価額が下降しているファンド、あるいは分配金はないのに基準価額が上昇していないファンド。旨味がまるでないので、このようなファンドを購入してはいけません。

「正直売るなよ、そんなもの」と思うのですが、販売店のラインナップに間々載っています。手数料や信託報酬も確かに重要ですが、①~③の要素を確認せずに手数料だけを注目するのは、僕は勧めませんね。



 さて、気を取り直して本筋に戻りましょう。



 分配金受取は、分かりやすくいえば単利です。

 決済日にファンドが一定の利益があると判断すれば、投資家に取得数ごとに分配金としてお金が配当されます。金額はファンドごとに異なりますが、10000口ごとにいくらの配当金(例えば500円)を支給されます。50000口取得していれば、2500円というかんじ。配当されたお金は投資家のポケットに入るだけなので、ファンドの取得数は増えません。

 銀行預金で説明するとしたら、利息だけは別口座に振り込まれるイメージが妥当でしょうか。

 預金額に相当するファンドの取得数が増えないということは、複利効果が発生しないことを意味します。

 分配金受取は、単利運用なのです。


 分配金再投資は、分かりやすくいえば複利です。

 決済日にファンドが一定の利益があると判断すれば、投資家に分配金が来るという点までは同じ――なのですが、そのお金を元金にして再度購入されます。自動購入マシーンみたいシステムなので、分配金をワクワクして待っていると「あれっ、騙されたんじゃね」と勘違いするかもしれませんね。


 再度購入されるってことは、ファンドの取得数が増るよね?


 気付いた方には、花丸を上げましょう。

 その通りです。

 ファンドの取得数が増えるということは、複利効果が発生します。

 分配金再投資は、複利運用なのです。

 投信信託における単利と複利の関係を、理解していただけでしょうか。


 利回りが同じなら複利が絶対有利でしょう? なら、分配金受取より分配金再投資の方が優れてない?


 銀行預金と異なり、一概にどちらが優れているとは言えないと僕は思っています。

 その辺の理由は、次回以降にしますね。


 今回のところは、この辺で。

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