投資構成は、どのように設定したらいいの? その五 ~運用目標3~6%に設定した方(上)~
3~6%の運用目標を選択された方。
運用資産が3割減になる覚悟は済ませましたか?
最初から脅かすなよ!
などと抗議の声を受けそうですが、「電話一本、楽して儲けられます」などと、甘言で誘い込まれるよりはマシでしょう。
運用目標3~6%は、投資信託に恐らく最も適した数値です。ただしそれは、投資信託に適している=容易に得られる収入、を意味しません。運用目標7~15%よりはマシですが、運用目標3~6%という世界は決して穏やかではないのです。
一方が得点するために他方を失点を負わせる、ゼロサムゲームのような苛烈さはありませんが、投資判断を誤れば損失という名の大波を被ることになるでしょう。
運用資産の3割減を許容する覚悟がなければ、立ち入るべきではない世界なのです。
ところで、ミドルリスク・ミドルリターンとハイリスク・ハイリターンの狭間と定義したことに、違和感を覚えた方はいるでしょうか?
日本国国債、外国国債、株式を組み合わせることで、リターンは少し落ちるけれどリスクを薄める。そのようなポートフォリオを実現するのに適した世界が、運用目標3~6%です。
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前置きはいいから、ポートフォリオをとっとと教えろ。
抗議の声が聞こえそうですが、これが結構難しい。
運用目標の幅が大きいので、個々人でアレンジする余地が相当あるのです。例えばリスク分布図で比較的リスクが少ない株式ファンドを選択することで、株式比率100%も可能です。このケースの場合、運用目標7%にかなり近くなるでしょう。あるいは債権7割、株式3割なら、運用目標3%付近でしょうか。
うーん、やっぱり難しい。
迷ったときは、有名なプレイヤーのポートフォリオを参考してはいかがでしょうか?
その名は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。
僕たちの年金を運用しているこの巨大組織は、運用資産160~170兆とも言われ、ある意味世界最大の機関投資家です。
あれっ、どこかで聞いたことあるような?
2015年度に5兆円も損失を出したため民主党により国会でやり玉にされた、あの組織です。
もっともその非難も、ある日からパタリと止みましたが。
非難が急に聞こえなくなったのは、2016年度は8兆円近い利益を生み出したから。
儲けが出ていれば、誰も文句を言えるはずがありません。
GPIFのポートフォリオは、下記のようになります。
国内債権:26.93%
国内株式:23.5%
海外債権:18.05%
海外株式:26.43%
2019年6月末の比率時点
GPIFの運用成績は、年率3%、直近4.41%、10年5.05%だそうです。
おい! こいつらコロナショックでは損失出したんじゃないの?!
損失を出したでしょうね。
株式の保有率が5割近いのですから、無傷なはずがありません。今回の損失をゼロに抑えた投資家は、世界中を探しても皆無とは言わないけど少数でしょう。データで確認したわけではないけど、ウォーレン・バフェット氏でも損失を出しているらしいので、合っていると思う。
コロナショックで痛手を受けたとはいえ、GPIFによる運用はマクロ的観点でみれば成功している部類。
これを参考にしない手はありません。
ただし、実現するには問題もいくつかあります。
①:2020年5月時点において国内債権のトークン(利息)は非常に低く、日銀による政策金利は下限一杯という点。
政策金利は上昇することはあっても、下落するとは思えません。政策金利が下落しないのですから、これから購入する債権の価額が上昇する余地はない。良くて現状維持、悪くて下落。
もちろんすぐに政策金利が上昇することはないでしょうが、留意するべき問題です。
②:コロナショックにより、世界各国が財政・金融政策を前例のない規模でフル活用しているという点。
この無理はいつか跳ね返ってきます。
非常時なので致し方ないが、中長期的にはインフレ方向に進む気がしてなりません。
国内海外の垣根なく、債権はインフレに弱い商品です。
現状の流れは債権投資にとって、あまり良い流れとは言えないでしょう。
③:国内株式は利益率が薄いため、国内株式と海外株式に区別する必要があるのか疑問がある点。
ぶっちぇけ、僕は区別せずに世界株式で良いと思う。
①~③の理由から、今から投資をされる方がこのポートフォリオを組むことが賢明なのかは、正直なんとも言えません。
問題はありますが、GPIFのポートフォリオは一つの指標となるでしょう。
少し長くなってきたので、続きは後編へ。




