幕間1 コロナショックの渦中
2月24~28日に世界中の相場を下落させたコロナウィルスの影響は、凄まじいものがありました。
一部で口にされ始めたコロナショックという名は、経済学だけではなく、近代史へ永遠に刻み込まれるでしょう。
危機的状況と評しても、決して言い過ぎではありません。
近20年の金融危機を挙げると、リーマンショック、エンロン、ワールドコムなどなど。
これらに共通するのは、いずれも金融経済の危機が実体経済に伝播したもの。人類は大きな痛手を負いながら、金融危機を乗り越えてきました。
コロナショックは、これらとは異なる色彩を帯びています。
特殊性といってもいい。
SARS、HIVなどの病魔に人類は直面しましたが、これほどの病魔に直面したのは20世紀初頭のスペイン風邪以来かもしれません。あまりに昔過ぎて経験則が役に立ちにくく、人々の意識も現状についていけない。
コロナショックの特殊性は、コロナウィルスが収まらないかぎり実体経済が回復しない点にあるでしょう。
これでは金融政策が効きません。
いや、まったく効きないのではないでしょうが、金利をいくら下げようとコロナウィルス収束にはまったく影響を与えません。
困ったものです。
コロナショックを真面に受けてしまうのは、保有する金融資産が全て株式ファンドだった人とか、2019年8月以降の相場が上昇した局面――米国が金利緩和に舵をきった頃です――で投資を開始した方ではないでしょうか。分散投資がされていない方ほど、キツイでしょうね。
僕はというと、相場下落の影響を最小限に抑えています。
……今のところは、と但し書き付きですが。
投資信託を扱ったサイトを、どれでもいいので適当に検索してみてください。全ての商品が同じ動きをしていなく、金や日本国債を扱ったファンドはプラスに振れていますよね。
米国国債や世界主要国向けの国債を扱っているファンドなどは、プラスとは言えませんが、プラスになったりマイナスになっていませんか?
僕は投資における債権の割合が大きいので、株式相場の下落の影響に比較的強いのです。
誤解してほしくないのは、ハイリスク・ハイリターンの運用が悪いのではなくて、こういう形もあると提案したくて、このエッセイを執筆しだしたのです。
コロナショック前に公開していないので、些か機を逸した感はありますけどね。
ところで僕の運用では、株式相場が反転したときは恩恵は少ないとお思いでしょうか?
そこは、安値になった良質な株式ファンド購入でカバーです。
そう、いまがチャンス。
5年、10年に一度あるかないかの大チャンスなのです。
ミドルリスク・ミドルリターンの運用をしつつ、このような状況では相場反転のタイミングを睨みながら投資するのが、僕のスタイルです。
こんなところで、今回の幕間を閉じさせてください。
では、では。