債権と株式って、なにが違うの? その弐
お前は債権推しだから、そういう例だけ挙げているだろう!
そんな声が聞こえそうなので、今度は債権が不利になる極端な例を挙げてみます。
AさんとBさんがX社に投資してから、5年後。
景気の過熱を危惧した中央銀行は、政策金利を引き上げることを決断しました。
今までの金利は1%でしたが、変更後は4%。
Áさんが受け取る配当金は少し増額されて1040円でしたが、Bさんが受け取るクーポンは変更されず、受け取り金額は300円のままでした。
Bさんはクーポンも政策金利に合わせて上昇させてくれないと不公平だ、と訴えましたが聞き入れられません。
なぜこのようなことが起きたのでしょう?
それは、受け取る利息を最初に設定しているからです。
金利が1%ときにクーポン3%の債権を購入したのは賢明でしたが、政策金利は割と変更されるため、意図しない損失を被ることがありえます。
Bさんはこの罠にハマってしまったのです。
しかし、Bさんの不運はこれだけで終わりません。
所有するX社債権「クーポン3%」は金利「4%」以下なので、価値が目減りするのです。
えっ、債権は元本のまま返金されるから関係なくね?
ここに債権投資の落とし穴があります。
政策金利は、銀行預金で得られる利息にも反映されます。仮に貯金の利息が政策金利と同じ4%に即変更するとしたら、Bさんは債権から銀行預金に切り替えないと損失は発生します。
債権を売却するとしても、金利「4%」より低いクーポン3%の債権を欲しがる人は皆無ですから、特典を付けなければ誰も購入しません。ですが、仮にクーポン3%に特典「2%」を加えて、クーポン5%にすれば購入したい人はいるでしょう。
銀行預金に利息が「4%」なら、追加する特典は1%にして、預金で同じ「4%」でいいんじゃね?
債権は銀行預金よりもリスクがある商品です。
貴方は銀行預金と同じ利率の債権を、リスクしかないのにあえて購入しますか?
政策金利は低下する可能性があります。
金利が低下すれば債権の価値は回復する可能性はありますが、同価値では預金より債権は不利でしょう。価値に差をつけるため、特典が必要になります。
問題は、その特典をBさんが支払わなければいけない点。
Bさんは10000円の債権を所有し続けても売却しても、価値は目減りするのです。
変化する10000円の債権の価値は、下記の計算式で求まることができます。
300円「今までの利息」÷5%「新しい利息」=6000円。
Bさんは4000円の損失を被ることが、計算式から導き出されます。
一方Aさんが保有しているのは株式です。
株式は確定した価値や利息は事前に取り決めていないため、金利の変化に対応できます。購入時に10000円の額面を決めていますが、それは永続的な価値を保証しているのでありません。永続的な固定価値ではないため、業績上昇により株価が上昇するということも発生します。
逆に債権は、購入時の額面で固定されるため、業績が上がろうとも、下がろうとも購入時の額面から変化しない。
業績だけではなく、物価の変化も同様です。
株式はインフレに強く、債権はインフレに弱いのです。
債権と株式が相関関係にあるのが、これで分かるかと思います。
債権と株式は、複雑に絡み合う双子のような存在です。高いリターンを得るには株式を保有するしかありませんが、リスクを抑えるには債権を保有することは有効。
相反する双子をいかに手なずけるかが、投資家の力量なのでしょう。
今回のところは、この辺で。




