債権と株式って、なにが違うの? その弌
前回で証券口座が開設されました。
早速ファンド選びをしたいのでしょうが、そんな人に僕はこう言いたい。
「待て! あわてるな、これは孔明の罠だ」
目標利回りや投資と投機の違いなど、これまで聞いてきたことをすっかり忘れて、ファンドを選ぼうとしていませんか?
過去の急騰率や利回りに目を奪われ、当初意図しなかったリスクを引き受けてしまう、割とありがちな構図。
これが投資における孔明の罠です。
孔明の罠を回避するには、多くの知識と経験が必要でしょう。
全て回避出来たら、ウォーレン・バフェット氏のような大投資家になれるのでしょうが、まず不可能というもの。それでも最低限理解して欲しいのが一つあります。
債権と株式の違いです。
投資対象には、ETF、コモディティ、REIT、金、通貨など多々あるのに、なぜ債権と株式の違いを強調するのか。
当然の疑問ですが、それは債権と株式が全く異なる性質の商品だからです。
◇
債権はリスクが少ないけど利益が少なくて、株式はリスクが大きいけど利益も大きいだろう?
……詳しいことは知らんけど。
極端な例で説明をしましょう。
※株価の話しをすると面倒なので、配当金とクーポン(利息)だけを取り上げます。
あるところに投資を考える二人の男性、AさんとBさんがいました。
そんなある日のことです。
業績好調なX社の株式と債券「クーポン3%」が、いずれか10000円で購入できることを知りました。
Aさんは株式相場が高騰を続けていたのを知っていたので、迷わず株式を選択しました。
一方Bさんは株式投資は怖いので、何となく債権を選択しました。
五年後。
X社の業績は好調続き。
業績を反映して、配当金として毎年1000円が支払われました。
Aさんの収入は、配当金として毎年1000円、受け取り総額は5000円。
Bさんの収入は、クーポン3%として毎年300円、受け取り総額は1500円。
六年後。
X社は業績が悪化。
配当金は、業績悪化により無配当となりました。
Aさんの収入は、配当金がないため配当金0円、受け取り総額は5000円。
Bさんの収入は、クーポン3%として毎年300円、受け取り総額は1800円。
以降3年間、X社の業績は思わしくありません。
X社は無配当を繰り返しますが、Aさんはいつか業績が回復すると期待して、売却をしません。
Bさんも業績悪化は気になっていますが、毎年クーポン3%を支払ってくれているので、事態を深く考えません。
Aさんの収入は、配当金がないため配当金0円、受け取り総額は5000円。
BBさんの収入は、クーポン3%として毎年300円、受け取り総額は2700円。
10年後、ある日X社は前触れもなく破産を宣言します。
AさんもBさんも大変がっかりです。
そんなある日。
清算人により一部返金されることを、二人は知りました。
二人は早速返金を受け取りに行きます。
Bさんは元本の8割にあたる8000円が返金されましたが、Aさんは一円も返金されません。
Aさんは不公平だと訴えましたが、聞き入れられませんでした。
X社への投資による二人の損益は、次のようになりました。
Aさんは、受取金額5000円-株価10000=5000円の損失。
Bさんは、受取金額2700円+8000円の返金=700円の利益。
なぜこのようなことが起きたのでしょう?
それは債権は借金であり、株式はオーナーとしての権利だからです。
清算人は借金の返済を優先するため、債権者――X社が借金をしたBさんを優先しました。
一方、Aさんが保有しているのは債権ではなく株式。株式はオーナーとしての権利であり、X社側の人間として認識されるため、清算人から後回しにされました。
これが債権と株式の違い。
債権は利息を最初に取り決めるため、それ以上の利益を得られません。その代わりに、元本は基本的に元本のまま返金されます。最悪会社が破綻しても、株主よりは優先されます。
一方株主は利益を保証されませんが、代わりに配当に上限はありません。
投資五年後の段階でAさんは株式保有の恩恵を受けましたが、業績が悪化したことにより無配当が続き、最終的に保有する株式は紙屑となりました。
極端に誇張していますが、株主が引き受けるリスクとは、このようなものです。
少し長くなったので、ここで一旦切らせてください。
では、では。




