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短編の杜

純黒を照らす

作者: 杜乃日熊
掲載日:2017/05/24

 眼を閉じて 初めて見える ()の光

 穴ぐらの中 白に染めゆく




 自由もがれた 籠の鳥

 飼われ続けて 幾年(いくとせ)

 羽ばたく羽は どこへやら


 誰を責めれば 救われる

 何を恨めば 雲晴れる

 答えを知るは 神のみぞ


 分かっていても 分からない

 認めたくても 認めない

 気が済むまでの わがままよ


 どこまで行っても 真っ暗ね

 朝が来るのは いつかしら

 寝ても覚めても まだ来ない


 あれからずっと 待っている

 日月駆ける 逃避行

 羨ましくて 恨めしい




 哀れな鳥を 助けたのは

 温もり冷めぬ 不器用だ




 不器用な顔 どんな顔

 笑った顔 怒った顔

 嬉しい顔 悲しい顔


 不器用な声が 聞きたいな

 溶け込むように 染み渡れ

 それさえあれば 十分よ


 初めて嗅いだ 葉の香り

 速い旋律 止まらない

 歌を交わせば ハーモニー


 訪れるとき 突然に

 まさに乾坤 お似合いね

 忘れないでよ 籠の鳥


 忘れそうなら 届けよう

 鳥のさえずり 彼方まで


 気まぐれでも良いから

 一夜の演奏 もう一度




 私の孤独 信じてる

 傷が紡ぐは この絆

 伸びゆく糸は どこまでも

 切れないでおくれ いつまでも

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