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05 ネイル
「ねぇ見てこれ、超よくな~い?」
「えー、どこでやってもらったの?」
「んぅとねぇ――――」
ある二人の女子生徒の会話を遠巻きに聞いていた伊野丸春は、なんとなしに近くにいる八栖坂雅美に尋ねてみた。
「八栖坂ってさー」
「ん?」
「服装とか髪型とかはアイツらと一緒だけど、爪は普通だよね」
「あー、ネイル? そりゃそうよ」
「……? なんで?」
「だって長かったら、春ちゃんを傷つけちゃうじゃん」
「そもそもセクハラをやめろ、馬鹿……」
顔を真っ赤にしながらも、そう反論するしかできない伊野丸だった。




