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11 邪険にしない理由
ふりがなが正しくなかったのを修正しました。
出会って間もない頃、八栖坂雅美はこんなことを尋ねた。
「春ちゃんって、怒ったりはするけどアタシのこと意地悪しないよねぇ?」
「……そりゃそうだろ」
伊野丸春は、ため息交じりに答える。
「私だって女だ。最低限でも、綺麗に見せようとしてるんだぞ。
整えたりして、全部が全部そのままって訳じゃないんだ。
それを褒めてくれる相手に対して、邪険に扱ったりできないだろ。
それに……いや、なんでもない」
「ああもう、可愛いなぁ春ちゃんは! 続きなんなのぉ、気になる~!」
「ええぃ! 鬱陶しい! 離れろ!」
後日。
伊野丸が八栖坂家に泊まったとき、こんな出来事があった。
「春ちゃんの馬鹿ぁ、あんなの整えてる内に入らないわよ! 全然ナチュラルじゃないの!」
「なんというか……その、すまん。メイクというのがあそこまで大変だと、知らなかったんだ」




