華麗なる色
今回は、トト様のご協力のもと、カラバッジオさんと三姉妹にアクションを加えてます。その、表現は……可憐なあの競技。を、心掛けました。
空間にバースとカラバッジオが放つ“力”の色が混じり合い、染め上げていく。
──カラバ様を援護するわよ!
──他の者達はどう、するの?
──後でじっくりと、私達の技で仕留めればいいだけよ!
ラガン三姉妹も、激突する双方に駿足で混じり、それぞれの手に色の武器を握り締める。
「ロトくん、アルマさん。僕達も!」
タクトは蒼く輝き、其処へと加速する。
シールドッ!
カラバッジオの赤い弾を、ロトが被せる防御壁によって弾かれる。それは、真っ直ぐと、解き放した主へと返っていく。
「何しに来た!ロトとタクトは、アルマを守っとけっ!!」
「バースだけで撃破出来る相手では、ないっ!」
──ライ、レイ!
──承知!
ラガン三姉妹の長女のロイの合図と同時に、其其の掌より黒の色を含ませる帯が表れ掴むと、ひらり、と、空中に螺旋状にさせる。そして、三角形に陣を取り、色の帯を舞い上がらせて重ねて合わせる。束になった帯は、ロイが空かさず手に取り、押し問答の最中のロトとバースへと、発射させた。
「退くんだっ!」と、ロトはバースを押し倒し、念動力でその攻撃を払いのけると同時に、タクトが飛翔し、その肩に足を乗せる。更に空中に舞い上がり、前方に全身を旋回しながら、三姉妹の頭上を越えると、カラバッジオの背後に着地して、左足を軸にしながら右脚を振り上げ、その脇腹に踵を押し込んでいった。
その身体は、右へ大きく傾き、腕で支えることもなく、地面に転倒していく。
「おのれ……。この私に屈辱を与えるとは!ならば、此方も手加減なしだっ!」
カラバッジオは、怒りの感情を解き放し、ゆらりと、立ち上がると、三姉妹に向けて、手を振り上げ合図を送る。
その移動した処に、アルマが、色の武器に今にも切りつけられる様子で佇んでいた。
「ど偉く、いい放ってた割には、ショボい手段だな?」
「バース、さっきと、ころっと、言い方が違うぞ!」
「バースさんは、あのカルパッチョて言う人から守れ、だったのですよね?」
「タクト〈カラバッジオ〉だ……」
「あれ?僕、お腹が空いてたから、間違えた?ロトくん」
──随分と調子が狂わされる奴等だな?
──安心しろ、免疫がつけば、生活に支障はない。
──苦労しているのね?
──ああ、特に、バースには散々だ!
──ひょっとして、貴女の恋人?
「ベラベラと、おまえ達も口が過ぎるな?」
アルマは、身体を低くして“深紅の光”を解き放し、三姉妹を吹き飛ばしていく。
「ロト、どうした?」
バースに肘で押され、ロトは、はっと、我に返る。
「いや……鮮やかな色を持っていると、感心した」
「アルマに惚れたか?」
「なっ!?馬鹿を言うなっ!!!」
──お二人とも、雑談なら、後でゆっくりとされてくださいっ!
アルマの前方を塞ぎ、タクトは、カラバッジオを凝視していた。
「ご無事で良かった。アルマさん、下がってて!」
「女扱いされるほど、私は弱くないっ!!」
──アルマさん、タクトの言う通りにしてっ!!
「何だと?」と、その声の方向に振り向いていく。
「貴女の〈陽〉の輝きを、消したくない」
ロトはタクトの右隣に瞬時に移動して、そう、言った。
「ロトくん“転送の力”は、負荷が掛かるよ」
「〈瞬間移動〉のことか?人の心配する暇があるならば、守護を優先にするのだ!」
「釘指すけど、アルマさんとバースさんは、婚約してる」
「それは、タクト。おまえにそっくりそのまま、返してやるっ!」
「勘違いするな!今の僕が在るのは、二人のおかげなんだ」
──おまえら、喧しい上に見苦しいっ!
バースの鶴の一声に、双方、険悪状態を解除させ、女戦士一行に身体を正面にさせる。
「ふんっ!仲間割れの演技で、我々を欺いていたつもりか?」
「ガラパゴス……おまえこそ、狸そのものなんだよっ!」
しん、と、空間に静寂が訪れ、言葉の方向に視線が差し込まれていく。
「何だ?俺をじろじろと見やがって」
「ロト……経験ない最悪な過ちを自ら犯して、どう、償うつもりか?」と、バースは苦笑いする。
「俺は、しくじらないっ!」
「しかも、二段階だった。真面目そうで、実は日頃の鬱憤の破棄どころを求めていた。と、僕は思う」
──不愉快だっ!
ロトは眩く身体を輝かせ、その風圧を辺り一面に撒き散らせていく。
「お?怒りで真の能力を出したようだな」
「ふざけるな!バース。本来なら、おまえをぶっ潰すところだが、アルマさんにしっぺ返し食らうから、仕方なく、無しにしといてやるっ!」
──パッキャラマオ様!この隙に四位一体の技をぶっ噛ましましょう。
──ロイッ!おぬしまで、何をあいつらに感化されてる!?
──レイ、管楽器の全ての音が出ないから、代わりに口ずさんでくれる?
──ライ姉さん、私の音程を冷やかすつもりでしょう!
「うるさいっ!」と、ロトは激怒して、掌に自身の全ての“力”を集中させ、焦点をブラッド一行に合わせていく。
カラバボールッ!
ロイフープッ!
ライロープッ!
レイクラブッ!
一行もまた、掌に赤と黒の色を重ねていき、レイの途切れる音程に合わせて、乱舞を始める。
ロトスマーシュッ!!!!
ロトは掌の“銀の光”を舞い上がらせ、右手に象らせる杓文字型の“力”で砲弾させる。
サガンクロスアタークッ!!
「空耳か?」
「いや、実際の歴史の地理に、そんな名称のライフラインが、存在していた」
「分かりやすく言えば、高速道路の分岐点の愛称です!」
バースとアルマ。そして、タクトは双方の激突の色に目を眩ませながら、そう、呟いていた。
閃光と轟音。更に地響きが唸り、空間が、ぱっ、と、白色に染まり上がる……。
★○★○★○★○★○★○
「度重なるご無礼を、おわび申し上げます」
カラバッジオと三姉妹。ロトの前で膝を着け、深く、頭を下げていた。
「時の墓場から〈増悪な思念〉のみを掘り起こされ【団体】に利用されていた。それでも……」
「残念ながら、ロト。貴方の記憶は在りません」
「そうか」と、ロトは溜息を吹かせ、カラバッジオの腕を掴み、ゆっくりと立ち上がらせていった。
「あなた達の眠りを起こした。その、実体を必ず、突き止めて見ます!」
「タクトでしたね?此れは私の勘ですが、貴方もまた、ロトと同じく、時と世界に翻弄される宿命をお持ちの様子です」
カラバッジオの言葉に、誰もが息を呑む。
「その意味、よく、判りません」
「今はそうでも、その現実を目の前にしてしまう。でも、恐れる必要はありません」
──カラバ様、そろそろ……。
──もう少し、止まる時間が欲しかったけど、仕方ないわね?
──名残惜しみは無用です。私達は、やっと、旅立つ事が出来るのですから。
「何処にだ?」と、アルマは訊く。
光が溢れる世界……。そう、アルマ。貴女が素敵な相手と巡り会えた───。
────。
「ロト。あいつの声、よく、聞き取れなかった」
「悪い、俺、考え事していた」
バースとロトは、お互いの顔を正面にさせ、笑みを湛え合う。
バースさん、あんなところに扉があります。
前進あるのみか……。どれ、さっさと行くぞ。
順応し過ぎだな?
簡単に言えば、馬鹿なのだ。特にバースは、な!
アルマ、ロトに要らんこと吹き込むなよ。
「開けますよ」と、タクトは赤と黒の色を瞬かせる鍵を〈扉〉の鍵穴に差し込むと、其れは淡雪のように溶けて……緑と水の薫りを含ませる光が、鼻をひくつかせていった。
……今のうちに謝ります。ロトくんにとんでもない事を喋らせてしまいました。カラバッジオさんも尽く、呼ばれかたを弄くられて、気の毒です。
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