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夏休みだよっ

いくら午前中で終わりといっても、11時を過ぎるともう暑い。

それだけでもう不快指数はガンガン上昇なのに、隣にいるヤツのせいで、流れる汗も倍だ、倍!


「ミカちゃんっ。あのさ、今から夏休みじゃん?」

「…そうだね」

「宿題いっぱい出たじゃん?」

「…そうだね」

「一緒に勉強すればいいと思わない?」


ああ、間違えた。隣にいる(・・)っていうか…跳ねてるっていうか…むしろひっついてる。

あたしに。


「誰と?」

「ミカちゃんとっ」

「誰が?」

「あたしだよっ」


ああうっとーしいっ!


「あたしさ、こう見えて勉強が得意なのっ」


語尾にアクセントをつけた先に、ハートマークがついてそうだ。

まじでレズじゃないだろうな。


「こう見えてって、どう見えてるつもり?」

「おばかっぽく」

「あ、わかってるんだ」

「うんっ」


ややや、認めんなよっ!


「だからねっ、一緒に勉強しようよっ」

「いいけど…別に」

「やった――――っ! …だれか、他に誘いたい人いる?」

「…あたしさ、友達いないから」


いないっつか、むしろ出来ないんだけどねー


「えええっ、あたしはぁ?」

「あー、友達だったっけ?」

「だったっけって…。まあでもさっ、なろっつってなれるもんじゃないかもねっ」


にこにことアイが笑ってる。いーな、こいつは。


「そうかもね。って、じゃあ何であんたは、あたしに友達になってって言ったの?」

「友達になりたかったからっ」

「なろっつって、なれるもんじゃないかもなのに?」


アイが、にこにこのままで、あたしを見る。


「あのさ、たとえばさ、好きな人がいるじゃん?」

「はっ?」

「でさ、付き合いたいと思うじゃん」

「へ?」

「そしたらさ、告白するわけよ」

「ほ?」

「玉砕するかもだけど、意識してもらえるかもじゃん?」


やっぱレズ――――――――――――――――――――――――っ!?



「あのあああたし、そういう気はないっていうかー、」

「いーやいや、たとえ話だってばさ」


ああそっか。うん


「そういうわけでっ、さっそく今から勉強会だーっ」

「今から!?」

「あ、都合悪い?」


悪くないけど。


「一回、家に帰らないと」

「何で?」

「親が心配するじゃん」

「携帯で連絡すればー?」

「持ってない」

「えぇっ。いまどき、変わってるねー。そういえば、ストーカー中も、そういうシーン見てないな」


つうかストーカーは犯罪だから。


「じゃ、後で電話するねっ」

「そうして。って、ウチの番号知らないでしょ」

「知ってるよ。調べたからねっ」


自慢げに言うアイ。や、だから犯罪だし。


「じゃーねっ」

「ばいばい…」



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