ガスバーナー
カチッと、トリガーを引く。
火花が散って。
カートリッジから。
たまったガスが、逃げてくる。
出口を探して。
たまりにたまった圧力が、ようやく火花と出会って。
心の底から、燃え上がる。
その身を燃やす。
赤い炎。
青い炎。
触ってしまえば、熱くはない。
見た目よりも、冷めた、炎。
意外と、自分が思っているよりも。
内に秘めた熱量は少なくて。
出口を探して、圧縮されていたものが。
やっと、密度が下がった分。
ポッと出た、その程度の炎だけ。
それでも、物が燃えるのだから。
まだ、熱は持っている。
燃えないうちに、その炎に触って。
指先を焦がして。
そうすれば、もう少し。
もう少し。
カチッと、トリガーを引くときに。
その、右手であれ、左手であれ。
何を唱えますか。
救いですか?呪いですか?
何も、考えませんか。