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第十六話 お食事と探偵さん

第十六話 お食事と探偵さん



 今日か、まいったな。


 安は困った顔をして、深く息を吐いた。


 安の今日の予定はお昼に月森と食事、夜からは矢守の所に行く約束だった。矢守が優乃と話をつけてくれる筈だったが、結局パンツの件は安自身が解決したようなものだった。それなら矢守に一言言えばよさそうなものだったが、約束は約束と安は律儀に守るつもりでいた。


 月森との約束はお昼の予定だった。半ば強引に月森が決めて行った約束だったが、安は困っても仕方がないと服を着替えた。


 大体向こうが最初に叩いてきたことだ。反射的に月森の腕をつかんで、壁に押しつけてしまったが、別に殴った訳でもない。さらに膝蹴りまで入れようとした相手に、何故こちらがごちそうしなければならないのか。


 多分、高い所に連れてってとでも言うんだろうな。


 何となく月森の性格を予想しながら、安はどこに行こうか考えていた。


 コンコン


 「安さん」


 予定より三十分早く月森がやってきたようだった。


 安が


 「ちょっと待ってて下さい。すぐ行きますね」


 と、答えると、


 「ごめんなさい、予定が急に入ったの。少しいい」


 と、月森が外で言った。


 何だろうと安は戸を開けた。


 月森が戸口に入ってきて言った。


 「安さん。今日お昼お食事って話だったんだけど、さっき友達から電話がかかってきてお食事おごってくれるって言うの。何か普段でも予約がいっぱいの所で、普通じゃ入れない所なんですって。で、たまたまキャンセルが二人分出て、一緒にどうって誘われちゃったの。行かないなんてもったいないでしょ。それで悪いんですけどお昼はそちらに行ってきますから、今日の約束は夜でお願いします。うーんと六時か七時くらいにはもどって来れると思うから、それでどうでしょう」


 突然の変更だ。しかもこういう事は慣れてるようで、安が断りにくいように言ってくる。


 顔はいいのかも知れないけど、やってられん女だな。


 安は仕方なく言った。


 「そうですか。それじゃあ六時半に坂の下の郵便局前でどうでしょう」


 月森は分かったわと言うと、機嫌良く表に出て行った。



 その話を運がいいのか悪いのか、で愛の荘入り口で洗い終わった洗濯物を持った優乃が立ち聞きしていた。月森が安の部屋の戸を閉めなかったため、全て筒抜けだったのだ。ちなみに今日は洗濯機の中をちゃんと確認して、パンツなど残してはいない。


 安さん今日、月森さんとデートなの?しかも夜。私がこんなに側にいるのに、浮気する気ね。浮気現場押さえて問いつめてみよっ。よーし、まずは作戦を練る前に情報の整理ね。さっきの話だと、月森さんを挟んで安さんともう一人の男が三角関係を築いてる。…、うん、これだけね。後は待ち合わせの時間も場所も分かってるんだから、探偵するだけ。でも一人じゃ恐いから誰かと一緒がいいな。山川さんは、私を挟んで安さんと三角関係だから嫉妬しゃうかも知れないもんね。相談出来ないわ。


 いつの間にか優乃の中では安、山川、優乃の三角関係が出来上がっている。本人は真剣な顔だ。


 じゃあ雪先生か。何かこういう事に首を突っ込みそうにないけど、一度相談してみよっ。


 優乃は洗濯物を持って、部屋に戻った。そして洗濯物を窓に干すと雪の部屋に行った。


 コンコン


 「すみません、優乃です。雪先生ちょっといいですか」


 部屋からドスの効いた声が帰ってきた。


 「ごめん。優乃ちゃん、もうすぐ締め切りなの。急用じゃないなら今度にしてっ」


 声だけでも切迫感が伝わってくる。


 優乃は


 「ごめんなさい。また今度にします」


 と、雪の部屋を離れた。


 残るの矢守さんか、冬美か。冬美って安さんと何か変に関係ありそうなのよね。それに探偵ごっこはイヤって言いそうだし。しょうがないから矢守さんに相談して、矢守さんが手伝ってくれないなら冬美に頼んでみよ。


 優乃は階段を降りてその足で矢守の部屋に行き、戸を叩いた。


 「すみません、優乃です」


 優乃の声に部屋から矢守の声が返ってきた。


 「あら、優乃ちゃん。珍しい、どうぞ開いてるから」


 優乃が失礼しますと言って入ると、部屋では矢守が優乃の方も見ず、机に向かって何か一生懸命描いていた。


 「ごめんね。ちょっと忙しいけど、話は聞いてるから言って」


 矢守も雪と同じように結構切迫している雰囲気があったが、雪よりはまだ余裕が感じられた。


 優乃があらためて部屋を見回すと、窓もカーテンも閉めてさながら夜の雰囲気だ。電気も机の上のデスクトップライトだけしか点いていない。


 「どうしてこんなに暗いんですか」


 優乃は思わず聞いてしまった。


 矢守は手を動かしながら答えた。


 「ごめんね、私、夜か夜の雰囲気にならないとやる気にならないのよ。昼間はちょっとね。昼間とか明るいところでするっていうのもありだけど、やっぱり基本は夜みたいなムードのある部屋でしたいでしょ」


 何か話がずれている気はするが、気持ちは分かった。


 優乃はそうですかと頷いて本題を切り出した。


 「あの、今日の夜、安さんが月森さんとデートするんです。それで安さんを探偵してつけてみようと思ってるんですけど、手伝ってもらえませんか。一人だとちょっと心細くて」


 本当なら頼りたくない相手だが、仕方ない。優乃はお願いしますと言った。


 すると矢守はぱたっと手を止めて、優乃の方を向いて答えた。


 「いいわよっ。それまでにこっちは一段落させておくから、手伝ってあげる。時間と場所はどこ」


 意外にも矢守が真面目に答えてきて、優乃はびっくりした。


 「えっ、はい。六時半に坂の下の郵便局前だそうです」


 「分かったわ。それじゃ、六時頃ここを出るわね。優乃ちゃん、安さんの動向見張っててね。それから出る時はちゃんと探偵らしく変装してくるのよ」



 予想外なことに、安が出かけたのはお昼の三時過ぎだった。その後は一度も帰ってきていない。おそらく外で何か用事をすませ、直接待ち合わせ場所に行くのだろう。


 夕方六時。


 優乃が部屋で、矢守に安の動きを知らせた。


 矢守は黒のジーンズにグレーのシャツ、黒いサングラスに黒のハンティングキャップをかぶっていた。もちろん靴も黒の革靴である。


 「探偵ならこれでしょ」と言うのが矢守の言い分だった。しかし上から下までモノトーンでは見るからに怪しい。しかもこれから暗くなるのに黒のサングラスは、どうかしている。


 一方優乃の格好は紺のジーンズにクリーム色のシャツ、マスクに伊達眼鏡、そして野球帽だった。ちなみに靴はスニーカーだ。


 マスクも明らかに怪しいが、「マスクは基本で外せませんよ。それに花粉症の人だってまだいるんですから、不自然じゃありません」と言うのが優乃の言い分だった。


 お互いに相手の格好は変と思いながらもそれは口に出さず、早速坂の下の郵便局まで行ってみることにした。



 六時十五分


 二人は坂の下の郵便局を視界に入れたが、安の姿は見つからなかった。もう少し、様子を見ることにした。


 子供が二人を見て、逃げるように走っていった。



 六時二十五分


 郵便局前に安、現れる。手ぶらで何も持っていない。どこに行っていたのか気になる所だ。二人は見張りを続行。



 六時三十分


 郵便局から少し離れた所で、高級車から月森現れる。中の男に手を振って別れると、そのまま歩いて郵便局に向かう。


 「キーッ、何よ月森さん。お高い男と付き合ってるの?そんなの自慢しないでっ」と矢守。


 「あんなお金持ちと付き合うんなら、安い安さんと付き合わないで下さいっ」と優乃



 六時三十五分


 安と月森が軽く言葉を交わした後、二人一緒に歩き出す。


 優乃が二人の後ろから、矢守は反対の歩道から尾行することに。



 六時五十分


 二人、うどん屋に入る。


 優乃と矢守、再び合流。



 「ちょっと、どうしてうどん屋さんなのよ。デートじゃないの。デートって言ったら小洒落たレストランとか、ムードあるホテルとか何だってあるじゃない。うどん屋さんなんて服が濡れるだけで、肝心な所が濡れないじゃない。ホントにデートなの?」


 矢守は店の脇で優乃に言った。


 「どうしてもそっちの話したいんですね。もういいですけど。とりあえず二人っきりで会ってるんだから、デートなんじゃないですか。どうします、入ります?」


 矢守に肩を寄せて、刑事よろしく周りを警戒しながら話す優乃。


 「そうね、まずは店の中の様子を見てから決めましょ。今時どこのラブホだって、部屋の中の様子ぐらい分かるんだから、選びたいじゃないの」


 矢守も優乃と同じように警戒しながら言う。話はずれているが。


 「まだ続けるんですね。じゃあ聞きますけど、どんな風に部屋を選んで入っていくんですか」


 「パネル式に決まってるでしょ、あれ、もしかして知らない?」


 「何言ってるんですかっ。知ってますよそのくらい。軽い冗談ですっ」


 優乃は必死になって言い(つくろ)うと、ちょっと見てきますと矢守から離れて店の入り口に言った。


 店の入り口は磨りガラスになっていて、中の様子は見えないようになっていたが、入り口脇にお品書きが置いてあった。優乃はそれをパラパラッと見ると走って戻ってきた。


 「矢守さん、すごいですよっ、あの店」


 優乃は探偵ごっこも忘れて、興奮しながら矢守に言った。


 「店の中は見えませんでしたけど、うどんの値段が普通の二・三倍くらいしますよっ。信じられませんよ。普通の素うどんがですよ」


 矢守も驚いて言った。


 「ホント?たかだかうどん食べるのに、そんなお金出せる訳ないじゃない。まさかそんな高級うどん屋さんだったなんて。よーし、それならこっちはあんパンと牛乳よ」


 「どうしてあんパンと牛乳なんですか」


 「張り込みって言ったら、あんパンと牛乳じゃない。刑事物見てないの?早く買ってきて」



 「んー、美味しいっ」


 月森はうどんを一口食べると目を丸くした。昼のランチもさすが有名店の豪華さで美味しかったが、ここのうどんはコシがあって、ほんのりと甘く、小麦粉の何とも言えない、いい香りがした。出し汁も鰹がふんだんに使ってあるのだろう、薄味なのにしっかりした味わいだった。この店に入る前、うどん屋と分かった時に「何でこんな店なんですかっ」と言ったことはすっかり忘れていた。


 「安さんって、意外と美味しい店知ってるんですね」


 余計なお世話である。安は、食べることに夢中で聞こえなかったフリをした。


 月森はよっぽどうどんが気に入ったのか、上機嫌になってしゃべり始めた。


 「今日お昼ご飯誘ってくれた人、美味しい所知ってるんですけど、しつこいんですよ。男だったら女の子にごちそうして、それでお終い。もっとどこか行こうよとか、つき合って何てもってのほかです。女の子なんて私の他にもいっぱいいるんですよ。そっち誘えばいいじゃないですか。私はごちそうさえしてくれれば、それでいいんだから。あ、女の子と言えば私、結構会社の女の子に敵視されてるみたいなんですよ。みんなもっと仕事すればいいのに、ちょっと面倒だと全部私の所に回してくるんです」


 月森はそれから三十分程、延々と会社のグチをしゃべった。時々怒りの矛先が安に向いて困ったりもしたが、安は適当にうんうんと頷いていた。


 グチもある程度言って気が晴れたのか、月森はそろそろ行きましょうかと席を立った。


 「会計は別々でいいですか」


 安は月森に尋ねた。さっきの月森の話によれば、男は女におごらなければならないようだったが、安は月森にごちそうするつもりはなかった。


 「えっ、今日は安さんのおごりでしょ」


 月森は当然のように言った。


 何で男がそんなに女の肩を持たなきゃいかんのだ。


 月森の一方的な言い方につき合うのは疲れてきた。安はとりあえず笑って言ってごまかした。


 「連れてくるって約束でしたよ。ごちそうとは言ってませんよ」


 「連れてくるって言ったら、ごちそうってことですよ。安さん、ごちそうさまっ」


 にっこり笑って月森は先に行ってしまった。


 安は腹が立つのを通り越して、あきれると同時に感心してしまった。


 あぁいうのが慣れてるってやつなんだな。見事な引き方だ。それに黙って食べてれば可愛いから、ダマされるのが多いんだろうな。でも、もう付き合わないぞ。


 仕方がない、勉強代だと安は二人分の会計をして外に出た。


 外では月森が安を待っていた、もう一度「ごちそうさまでした」と言ってきた。


 安はそれに構わず


 「僕、歩いて帰りますけど、月森さんどうします」


 と聞いた。タクシーで帰りますとでも言うのかと思ったが、月森は意外にも


 「私も一緒に帰ります」


 と言ってきた。


 月森が突然殴るか蹴るかしてきそうだと、安は月森と少し距離をとって歩き始めた。


 一方、月森の方はそんなこと思ってもいないようだった。楽しげに安の横について歩いている。


 「そうだ、安さん。この前聞こうと思ってたんですけど、安さんって何かやってるんですか。柔道とか武道とか」


 安はほんの少し嫌な予感がした。


 「んまぁ、似たようなことぐらいは」


 安はあいまいにぼかして、逆に月森に聞いた。


 「月森さんはこの間のアレ、格闘やってるの?」


 月森は待ってましたとばかりに答えた。


 「ハイッ。空手やってるんです。安さんもやってるんですね。あの動き普通しませんよ。ねぇ、強いんですか?」


 やっぱりだ。


 安の嫌な予感が当った。安は月森のニュアンスにため息をついた。この後どう返事をしても、「一手試合をしましょう」が続くのだ。月森の突きや蹴りが当るのは男が手加減しているからであって、月森に実力があるからではない。痛いと言ってもたかが知れている。それを勘違いするのはよくあるのだが、断れば図に乗ってくるのは目に見えている。


 僕が強いかどうかは別として、一つ教えてあげないといかんのか?何か優乃ちゃんより手がかかるな。


 安は仕方なく


 「月森さん程度には」


 と言った。


 思った通り、月森はその言葉にカチンと来た。


 何よ。この前のは私が手加減してあげたの分かってないのね。勝負してちょっと教えてあげなきゃ。


 「それじゃ、公園行って、軽く手合わせしましょ」


 予想通りの展開とはいえ急な疲労感に、安はがっくりと肩を落とした。



 二個目のあんパンを食べ終えて休んでいた所に、月森が店から出てきた。


 「矢守さん、月森さんが出てきましたよ」


 月森を見つけて優乃は言った。


 矢守もさっと帽子をかぶり直して見てみた。しかし、黒のサングラスのせいでよく見えない。


 「優乃ちゃん、よく分からないわ」


 「そんなサングラスしてるからですよ。あっ、安さんも出てきました。んー歩いてどっか行くみたいですよ。あれ、帰るのかな、で愛の荘の方向ですよ」


 「あら、おかしいわね。ホテルならまず反対車線行かなきゃ行けないのに。人気のない所選ぶつもりかしら」


 矢守は真剣だ。


 「もー、どうしてすぐそっち方向に考えるんですか。あっ、角曲がりましたよ。どこ行くんだろ」


 「そっちの方向は公園よ。公園プレイに決まりだわ」


 二人は安たちの後ろを見え隠れにつけていった。



 公園のベンチには何組かが座っていて、自分たちだけの空気を作っていた。さすがにそんな所で手合わせは出来ないと、月森と安はグラウンドの方に行った。小学生ぐらいまでなら野球の出来る小さなグラウンドだ。むしろ広場と言った方がいいかも知れない。月森と安は距離を取って、向かい合わせに立った。



 「矢守さん、あんなグラウンドの真ん中で、しちゃうんですか?」


 優乃が小声で聞いた。優乃も矢守色に染まりつつあるようだ。


 優乃と矢守はグラウンドから二十メートルぐらい離れた生け垣の後ろに隠れていた。


 「それはないわね。でもあそこで何するのかしら。告白する雰囲気でもないし、月森さんが引張ってきた感じだったし」



 「いいですか、手加減ナシですよ。私のコト、女とか思わないで下さい」


 月森は自信たっぷりに言って構えて見せた。


 何やってるのか分からない人に、私が負ける訳ないじゃない。ボコボコにしちゃうんだから。


 「へー、思ったより度胸あるね」


 安は月森をほめたつもりだったが、ほとんど棒読みだった。


 だいたい月森の構えはどう見ても良くなかった。はっきり言えば悪かった。腰は引けてるし、上半身が前に倒れすぎてバランスが悪い。手の位置も中途半端で守りも攻めも出来ないだろう。


 これでホントに強いって思ってたら、いつか大怪我するぞ。


 安はだんだん心配になってきた。


 そこに月森がだめ押しをしてきた。


 「あ、でもルールは守って下さいね。首から上はナシです。あとつかみもナシですから。いいのは蹴りと突きの中段だけです。いいですねっ」


 「ーオイオイ」


 安はあきれてしまった。


 自分のコト、女とか思わないで下さいなんて言っておいてこれか。これじゃ手加減して下さいって言ってるのと同じじゃないか。こりゃホントに大怪我するぞ。


 いつもみんながルール通りに来る訳はないのである。安は、さっき度胸と言ったけど、無謀と言った方が良かったなと考え直した。


 「それじゃあ行きま…、キャッ」


 安は月森が言い終わらない内に、一気に間合いに入った。


 あまりにも突然に安が近寄って来たので、月森は手を出すより早く体をすくめてしまった。


 「いっ、今のナシ。もう一回っ」


 月森は安がルール違反をしたとでも言うよう言った。


 その時、


 キャッ、ダメーっ


 と、近くで悲鳴が上がった。


 安がハッと振り返って月森に言った。


 「行くよっ」


 「あっ、待って、やっぱりダメっ。行って」


 月森は首を横に振った。


 「どうして、早くっ」


 安は、せかした。


 「あの…、足がすくんで」


 あれだけ自信たっぷりで…。こいつ、やっぱりだめだ。


 安は諦めた。


 「じゃあここ、動かないで。何かあったら大声で呼んで」


 安は月森に命令するように言うと、声のした方に急いで走っていった。



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



次回予告



 こんにちは、月森です


 安さん、勝負逃げましたよね


 私が誰かの悲鳴にちょっとびっくりしたと思ったら


 すぐ走って行っちゃって


 私に負けそうだったから、ちょうどいいと思ったんじゃないかな


 今回は見逃してあげたけど


 次回は、ないわ



 「乙女の祈りを、矢守さんに奪われる所だったんですから」



 「安さん、テクニシャンなんだって」



 「何って知ってるわよ。初めてじゃないって」



 「みんなで一緒にするわよ」



 「安さん…そんな趣味があったなんて」

 


 次回第十七話 夜のお手伝い


 

 「変な声って何です」

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