はじまり
衝突後に一度壊滅状態になったマスメディアは
それでも直ぐにその一部が活動を再開していた。
多くの放送設備や印刷物の配布の復活が困難な状況下
無線によるインターネットが唯一の情報となった。
従って、多くのマスメディアが
その復活をインターネット上で画策し始めていた。
世界統一行政府樹立の発表は
この様な状況下で行われたのである。
当然その発表は、インターネット上で行われた。
そして、情報ソースが一元化され
全世界とのコミュニケーションが始まる事になったのである。
統一行政府は隕石の落下を予言した科学者グループである
GEMを中心に構成されていた。
科学者のグループと言っても
GEMは何よりも実際の問題解決を重んじた為
非常に現実的な行動原理を持って活動を開始した。
現実的ではあるが
しかし、その存在は余りに小さく、非力だった。
今の人類の大災害に対して、何もできないに等しかった。
統一政府に所属する誰もが
強いジレンマに襲われていた。
殆ど全ての職員が身内に犠牲者か行方不明者を抱えていたし
誰もが今現在も多くの人々が助けを求めながら
死んでいっている事を知っていたからである。
しかし、同時に誰もが
なぜこの地球統一行政府が樹立されたかを理解していた。
インターネットによる発表は、そんな状況下で行われた。
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人類のみなさま、われわれは地球統一政府GEMです。
今回の大災害は地球全体を破壊し尽す規模でした。
死者は全世界で5億人を越えたと考えられます。
生き残ったほとんど全ての方が
今もなお生命の危険にさらされ続けている状況で
たくさんの方が世界各地で命の危険に晒され続けている状況です。
しかし残念ながら、本当に深刻な事態を迎えるのはこれからです。
気候の状況はこれから更に深刻になり
世界各地で発生している2次的な災害
そして食料・燃料・衣料・薬等の絶対的な不足に加え
医療施設やスタッフが殆ど存在しない地域が大部分であるからです。
更に食料や燃料の奪い合いや略奪行為
パニックによる混乱等がこれに拍車をかけております。
残念ながら我々地球統一行政府GEMは
この状況に対して、少なくとも今は無力と言うしかない存在です。
それどころか、われわれGEM自身が
生き残る努力を続けている状態と言わざるをえません。
われわれの肉親の多くも、また命を落としたり
行方不明の状態にあります。
ここでみなさまに重大な発表があります。
これは非常に深刻な内容ですが
これから我々が生き残るための
「優先順位」を理解して頂くため
敢えて発表しなければなりません。
今回の大災害は非常に大きな人類の危機ですが
実は災害はこれで終わりではないのです。
これから8年後の8月9日に
次の大災害が始まるのです。
そして次の大災害は今回の大災害に比較しても
遥かに大きなものになります。
今回の規模の巨大な隕石が
少なくとも数百個単位で
地球に降り注ぐことになります。
ここまで申し上げれば
皆様もお気付きの通り
もしそれが現実となれば
我々人類は終末の時を迎える事になり
助かる道はありません。
しかし、それから逃れる可能性が微かではありますが
現実に存在しているのです。
実を申し上げれば
8年後に次の大災害がやってくると言うこの事実は
今回の大災害に先立って分かっていました。
そしてそれは
なぜGEMが立ち上げられたのかに関わっています。
最初に申し上げた通り
GEMは現在の全世界の
統一行政府として存在しています。
今回の災害に打ちのめされ
非常に非力で弱小な存在ではありますが
正式な世界統一政府なのです。
この様に機能も不充分で
まだ殆どその役目も果たしておりません。
それなのに
なぜ全世界の統一行政府を立ち上げる必要があったのか
それは人類が8年後の大災害を越えて生き残る為です。
その為に人類は、一つの行政府の元にまとまり
力を集中しなければならないのです。
この事実を、みなさま
つまり今、地球で生き残っている方々
全員に理解して戴きたいのです。
次の大災害を逃れるには
巨大な「反重力装置」を造る必要があります。
そしてその「反重力装置」を造る為には
まず地球を北極から南極まで貫通する穴を空けると言う
とてつもない事業が必要になります。
我々人類は、歴史上かつてない大災害を被った後
僅か8年でこの大事業を完成させなければなりません。
それでなければ、我々は
永遠にこの世から消え去る事になります。
その為には、われわれ人類は
何よりも個々人の欲望を捨てなければならないのです。
そして民族も宗教も越えて
一つにまとまらなければなりません。
確かに我々は今
正に瀕死の状態にあるかも知れません。
しかし、まだ我々は死んではいないのです。
もし我々が一つにまとまって努力する事ができれば
チャンスは必ずあります。
「反重力装置」と言う
とてつもない機械の仕組みは既に分かっています。
実を言えば、それは、かつて我々と同じ大災害に逢った事がある
遠い宇宙の生命体から2年前に我々に伝えられました。
そして今回の大災害の予言も
その生命体によって伝えられました。
しかし、残念な事に今回の大災害に対しては
その「反重力装置」は間に合わず
我々は甚大な被害を蒙りました。
我々に反重力装置の仕組みを教え
助かる可能性を示してくれた遠い異星の生命体も
実はかつて我々と同じ様に
滅亡の狭間を彷徨ったのです。
そして彼らは生き残りました。
皆様、希望を捨てないで、生き残って下さい。
今、この大災害に生き残った皆様は
単なる救助を待つ人々ではありません。
逆に自ら生き残り
これからの人間の未来をつなぐため
地球を救う為に働かなければならない
貴重な生き残りなのです。
われわれを救うのは、他の誰でもありません。
今生きているわれわれ自身なのです。
............
『遥かなる彼方からの贈り物』
終わるべきか
人間物語として
続かせるべきか..
この作品の主題は
人類危ないぞ
このままじゃ
俺たち遺跡になっちゃうよ
みんなしっかりしようよ
と言うものでした。
ここを強調する余り
ますます出来の悪い小説となってしまいました。
お読みいただき
本当に感謝の念に絶えません。




