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遥かなる彼方からの贈り物  作者: 名も無き人
第2章 デジャの物語
8/91

(3) 惑星デジャ

超新星爆発に巻き込まれた星

その一つの「デジャ」


このデジャこそが

この「サンダル」を造り

地球に送った生物のいる星だった。


永い記憶の旅から戻った大樹にとり

デジャは特別な存在だった。

ある意味第二の故郷の様なものだった。


今から15万年前、デジャは超新星爆発を体験した。


デジャ星は僅か10光年の距離で

超新星爆発を経験したのだった。


突然発生した超新星爆発によって放射された

恐ろしい放射線は光の速さで進み

それでもデジャに届くまでに10年もかかったった。


しかしそのエネルギーは凄まじかった。


デジャは超新星爆発が起こった直後の

最も強い放射線に直接晒されたのである。

全く突然に光の速度で襲う災害にデジャは遭遇したのだった。


デジャ星はその時点で

既に現在の地球よりも

遥かに進化した科学技術を持っていた。


そしてデジャ星から10光年程の距離にある

ジルと言う名のその恒星が

いずれ超新星爆発を起こす可能性がある事を

デジャの科学者達は予てから予測し

注意を喚起していた。


しかし、デジャの科学技術をもってしても

正確な日時までを予測する事はできなかったのである。


結果的にデジャで最も権威を持つ科学者は


「500年以内に50%の確率で


そして一万年以内に99%の確率で


恒星ジルが超新星爆発を起こす可能性がある」


と言う予測を出していた。


もし恒星ジルが超新星爆発を起こせば

デジャ星は壊滅的な被害を被る事は確実だった。


地球とデジャ星とは

大きさではデジャ星の方が8%程直径で大きかったが

質量の関係で地表の重力レベルは地球とほぼ同じだった。


デジャの太陽は地球の太陽よりも一回り小さかったが

デジャ星の方が太陽に近かった為

ほぼ同じ熱エネルギーをデジャ星に供給していた。


デジャは惑星としての成り立ちも地球と似ていた。


生物の進化の過程は大きく違っていたが

結果的に地球人とデジャ人は良く似ており

基本的に同じ型の生物として進化していた。


もちろん遺伝子は違っていたが

少なくともたんぱく質と塩基を元とした

DNAによって進化を継続させ

結果的に2足歩行と5本の指まで同じだった。


当然な事に10光年の至近距離で起こった超新星爆発は

地球人に対して起こった場合に想定されるのと同様に

デジャ人を確実に滅亡させる未曾有の大災害であった。


実際、当時のデジャ星の人口の実に90%以上が

その超新星爆発の放射線に晒されて死滅した。


しかし、最終的にはデジャ人は滅びなかった。


驚くべき事に

これほど多くのデジャ人が犠牲になったにもかかわらず

その超新星爆発を後のデジャ人達は神の啓示として


非常に(とうと)い出来事である

と考える様になったのである。


その大きな背景に

超新星爆発の放射がデジャ星に到達する以前に

デジャ人は既に滅亡の危機に立っていた

と言う事実があった。


ハルマゲドンとも言うべき

最終核戦争が始まっていたのである。


デジャ人の進化の歴史

つまりデジャ星の生物の進化の歴史は

地球以上に劇的な偶然が重なり

変化に富んだものだった。


デジャ星の生い立ちは

生物が生まれる惑星の多くがそうである様に

地球によく似ていた。


最初は核となった小惑星に

過去の超新星爆発の残骸が巨大隕石として降り注ぎ

その結果やがて海ができた。


そして、あらゆる元素を含むその海で生物の発生が始まる。


地球と同様に

海中にある火口の数百度の海水の中にあった

高分子の一部が

ある特殊な性質を持つ事から始まった。

「同じものに分かれる」と言う性質である。


つまり生物が誕生した。


変化はすなわち進化である。

そしてその進化のスピードは

我々の想像を遥かに上回るものだった。


数千万年のうちに比較的大型の多細胞生物が現れた。

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