ざわめくキャンディの木
地下湖の坂道をのぼりきると、そこはすっかりお菓子の甘い香りに包まれたエリアでした。
目の前に広がっていたのは、緑の葉の代わりに色とりどりのキャンディやチョコレートが鈴なりに実った、不思議な「キャンディの木」の林でした。
風が吹くたびに、ペロペロキャンディ同士がカランコロンと可愛い音を立ててぶつかり合っています。
「わあ、甘くていい匂い! お腹が空いちゃいそうだな」
プーが思わず声を上げると、頭の上のカボチャの精霊は、
「ここはハロウィンの夜にだけ実る、特別なおやつの林なんだよ」
と教えてくれました。
手元のランタンのオレンジ色の光がキャンディの実に当たると、まるで宝石のようにキラキラとまばゆい輝きを放ちます。
プーがそっと木の幹に触れると、甘いキャラメルのような香りがふわりとあたりに広がりました。
林の小道を進んでいくと、地面に落ちた大きな水色のキャンディの周りで、小さな妖精たちが困った顔をしているのに出会いました。
「どうしたの?」
とプーが優しく声をかけると、妖精の一人がパタパタと羽を動かしながら言いました。
「みんなで分けるための大きなお菓子が、重すぎて持ち上がらないの」
それを聞いたプーは、すぐに自分のランタンを近くの岩の上に置き、手伝うために駆け寄りました。
「それじゃあ、一緒にせーので持ち上げようね」
プーが真っ白な小さな両手でキャンディの端を支え、妖精たちと一緒に力を合わせると、重たいお菓子はふわりと軽やかに持ち上がりました。
「ありがとう、オバケくん! おかげでみんなでパーティーができるわ」
妖精たちは大喜びで、お礼にとプーに一番甘くて美味しい星型のキャンディをプレゼントしてくれました。
そのキャンディを頭の上のカボチャの精霊と一緒に分けて食べながら、プーは再び歩き出しました。
誰かと分かち合う優しさと、お腹いっぱいの温かさを胸に抱いて、プーのハロウィンの夜の冒険はさらに楽しく、心弾むものになっていくのでした。




