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竜神  作者: 岡本ゆきえ
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滝の竜神

竜神様は平気だったが正院はくたびれてきた。

「少し休みましょうか。」と竜神様が言った。

正院と竜神様は大きな岩の上に腰を下ろした。

周りは深い森になり街道だけが長々と続いている。

ときおり他の旅人達が忙しげに通る。正院はそれを見ていた。

正院はは水を少し飲み竜神様を促した。

「さあ。日の暮れないうちに山を越えてしまいましょう。」

「そうですね。」竜神様は正院の手を取ると歩きだした。

「あの山を越えると私の国があるのです。小さな国でてす。父上がいた頃は私も母上も国の人々と幸せでした。山は大きくて一日では戻れないでしょう。」

「正院様。何を恐れているのです。」

竜神様はふと正院の顔を見た。正院は悲しみにくれて涙を流している。

「正院様。お願いです。国を取り戻し静姫に戻ってください。悪臣達に雷を落として追い払ってしまいましょう。」

「竜神様。なぜ私を助けるのです。」

「私は竜神の身でありながら人間を好きになったのかもしれ

ませんね。」竜神様はふと天を見た。新正式版

「竜神様。」正院は竜神様を見た。

「竜神様が人を好きになってもバツは受けませんが竜神様では無理ですね。」と寂しげに竜神様は言った。

「それが掟だから。人の姿は出来ても人とは結ばれることはないのです。」

「貴方は竜神様ですもの。」と正院は困り果てた。

「国を取り戻しても私は人と結ばれ世継ぎを産まなくてはなりません。それが静姫としての運命ですもの。」

と正院は柔らかな心でそう言った

「それは静姫様の運命でしょう。竜神には人の世界がわからない事もあるのです。」

「私は今迷っているのです。父上が夢に出てきて言ったのです。国のために民のために国を取り戻せと。私には、父上の無念がよく解ります。」と正院は言った。

「静姫様。優しさを忘れないでください。」

歩きながら竜神様は言った。カ

[住職様。私は尼を辞め静姫になります。】

と正院は決心した。


気の遠くなるような山道だった。いけどもいけども山の中途中正院は お腹が空いたので竜神様とアケビを集めた。

「静姫様。私に少し考えが浮かびました。ムジナを集めてもよろしいですか。」

正院は アケビを取る手を止めて竜神様を見た。

「竜神様。ムジナ達に何をさせるのです。」

「貴方様の父上を殺したやつらを苦しめるためですよ。」

「でも人間を殺せば貴方様は・・・」

「殺したりしません。苦しめてやるのです。ムジナ達は化けるのが得意なのですよ。悪い者達の夢の中に入り苦しめてやるのです。ムジナ達はいたずら好きなのできっと喜ぶでしょう。」

と竜神様は微笑んでいる。

竜神様はあたりに人がいないのを確かめると大声で言った。

「ムジナ達よ。今の話を聞いたであろう。」

すると木の。上から声がした。

「わかりました。竜神様。今から森のムジナ達を集め化け物となり悪者達を苦しめにまいりましょう。」

「頼んだぞ。」と竜神様が言うと

「はい。」と大きな声がした。

「決して殺したりしないように」

ムジナ達は見えなかったが正院は 大声で言った。

するとたくさんの笑い声が森中から聞えた。

「父上。無念はかならず。」正院の目から涙がこぼれた。

正院は アケビを食べた。竜神様もアケビが気に入ったらしく美味しそうに食べていた。

「アケビは美味しいですね。静姫様。」

と竜神様は微笑んで言う。

「竜神様、アケビが気に入った様ですね。」

「すっかり病み付きになりました。」

と竜神様は微笑んでいる。

「そろそろ歩きましょうか。」と正院は言った。

二人は アケビを食べてお腹がいっぱいになるとまた歩きつづけた。


途中大きな滝があった。川にごうごうと音を立てて落ちており正院が覗くと今にも吸い込まれそうだった。

「竜神様。ここにも貴方様の様な方がいらっしゃるのですか」

「ええ。たぶん・・・」と竜神様は滝を見た。

すると何処からか声がする。

「竜神様。いったいどうしたのです。人間と旅をなさるとは。」と男の声がする。

「これは滝の竜神様。私は静姫に力を貸しているのです。」

「理由は言わなくても解ります。悪者は殿様と奥方はしに姫様は 神隠しに有ったと言っているのですよ」と滝の竜神様は言った。

「必要以上に年買を取り立て民は困っております。しかし姫様が生きていると解ったら殺されるかも知れませんよ。」滝の竜神様は言った。

「問題は関所ですね。」と竜神は言った。

静姫様が戻ってくることを悪者に知られてしまうかも知ない。」と竜神は正院を見た。

「そうですわね。いくら尼になったとはいえ。」

こ正院はため息をついた。

「さて。どうしょう。」と竜神は言った。

「貴方様の力で何とかなさっては・・・」と滝の竜神は言う。

「そうですね。私の力で関所を通らずに国にはいれば」と竜神は微笑んだ。

「そんなことが出きるのですか。」正院は驚いた。

「静姫様。竜神に出来ないことはありません。」

と竜神様は言った。

「私もお力になれることがあればお助けしましょう。」と滝の竜神様は言った。

「それはありがとう。でも滝の竜神様。私は一人で

助けることができますよ。」と竜神は微笑んでる。

「竜新池の竜神様。さっきからこの森のムジナ達が見えない。どうしたというのでしょう。」

「悪者達の夢の中で暴れる様に言ったのですよ。」

「それは名案ですね。」と滝の竜神様は言った。

「静姫様。しばらくここにいましょう。ムジナ達が暴れている間ここに居ましょう。」と竜神様は、張り切った。

「そうですね。」と正院は微笑んだ。

「滝の竜神様。お姿を見せてください。」

正院は滝に向かって言った。するとたちまち滝の淵から大な竜神様の顔が現われた。金色の姿をいておりとても大きかった。

「静姫様。お美しいですね。」と滝の竜神様が言った。

「まあ。滝の竜神様。」と正院は微笑んだ。まま

「ここは食べ物がたくさんありますよ。柿のあるしアケビや栗もあります。ここはムジナ達に任せて一休みなさっては。」

「そうですね。国の人達のことは気になりますが・・・。」と正院は少し心配であった。

「静姫様。きっとうまくいきますよ。」と竜神は言った。

「竜神様。ありがとうございます。」正院は深々と頭を下げた。

「おまかせください。ねえ。竜神池の竜神様。ムジナ達がちゃんとやってくれますよ。」と大きな滝の竜神様が言った。

正院は竜神池の竜神様とアケビや柿栗などを集めた。

「たくさん集まりましたね。」と竜神様は言った。

「何もかもうまくいくといいのですけれど・・・」

と正院は袋にたくさんの柿、アケビ、栗などを入れた。


さて日が暮れたので正院は竜神様と木の根元で眠っていた。

すると赤い光が現われて大きなムジナの姿になった。

ムジナは小声で言った。

「竜神様。悪者達の夢の中で化け物になり暴れてまいりました。

うたた寝をしているところに入って化け物になったのです。」

「それでどうしましたか。」と竜神様は「言った。

「はい。とても怯えております。死んだ殿様になり轆轤首やさらし首に成ったりしました。」とムジナは、言った。

「他の者は、お城におります。夢の中で人魂に成ったりしてか

なり楽しんでやっております。」とムジナは笑っている。

「しばらく悪者達を苦しめてやってくれないか。」

と竜神様は言った。

「ムジナ様。アケビや栗もおります。食べて行きませんか。」

正院は、アケビを二つムジナの前に二個置いてやった。

「これは静姫様。ありがとうございます。」

とムジナは美味しそうにアケビを食べる。

「ムジナ様。ありがとうございます。」

と正院は アケビを食べているムジナに言う。

「姫様。お礼には及びません。」とムジナは正院に言った。

「私達も悪戯か好きなので楽しんでやっているのですよ。」

ムジナは微笑んでいたのである。ムジナはまた城に戻って行った。

「はたして巧くいくのでしようか」と正院は竜神様に言った。

「大丈夫だと思いますよ。」と竜神様はまた寝てしまった。


朝になって目を覚ますと正院はずっと自分の国を見つめていた。

「静姫様。」と竜神様は驚いた。正院は目にいっぱい涙を浮べている。

「一週間と言わず今すぐにでも帰りたいのです。

竜神様は 正院の涙に心を動かされた。

「関所は悪者に気づかれるかも知れません。私がなんとかしましょう。」

「竜神様。お願いします。」

竜神様はたちまち若侍の姿から竜神様の姿に戻った。

「さあ。私にお乗りください。」

正院は恐る恐る竜神様の頭の上に乗った。

「姿は隠して行きますよ。」と竜神様は 天高く登った。


正院がふと下を見ると滝が小さく見える。












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